パワレポ連動企画

ビデオメモリのサイズで性能はどれくらい変わる?など、“ビデオカードのギモン” 3点を解決

【パワレポ連動:解決策はココにあり! 自作のギモン大究明(7)】

DOS/V POWER REPORT 2016年12月号

 このコーナーではこだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT 2016年12月号」の総力特集「解決策はココにあり! 自作のギモン大究明」の内容を一部抜粋して掲載する。

 第7回目は「ビデオカードのギモン」からいくつかの疑問を紹介する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年12月号は全国書店、ネット通販にて10月28日(金)に発売。特別企画は、あなたのPCに煌めくイルミネーションを「基本パーツ&便利アイテムで大変身!! 光の演出で自作マシンを鮮やかに飾る」、キャリアから解き放たれたあなたは自由「ポケモンGOも、VRアプリも楽しみたい! 今すぐ買える最新SIMフリースマホ20選」、出張の多いサラリーマンは知っておきたい「PCマニアのあなたも便利に使えます ネットプリント&コンビニプリント 知っておきたい基礎知識」を掲載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録小冊子は、聞こえれば良いとは言うけれど、どうせならいい音で聴きたい「サウンドカード、ハイレゾ対応USB DAC、ゲーマー必携のヘッドセットなど盛りだくさん!! サウンドデバイス大全 2016」。


-解決策はココにあり! 自作のギモン大究明-
ビデオメモリのサイズで性能は変わる?/補助電源なしビデオカードのオススメは?/値段の下がった前世代カードはお買い得?


ビデオカードのギモン

 ビデオカードはゲームを快適に遊ぶためのもの、という分かりやすさがある半面、細かい製品仕様や使いこなしについては少々分かりにくいという側面もあります。

 ここでは、ゲームだけではなく、非ゲーム目的でも有効な知識をまとめました。


Q.ビデオメモリのサイズで性能はどれくらい変わりますか?

A.メモリ不足で描画性能が大きく落ちることもあります

高画質ほどVRAMが必要
「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」ではプリセット画質“最高”を選ぶと警告が出る。これはVRAM 4GB未満ではパフォーマンスダウンが懸念されるため。ただ、VRAMを使い切っても動作はする

 GeForceのGTX 10シリーズやRadeonのRX 400シリーズの最新GPUを搭載したビデオカードは、ビデオメモリ(VRAM)を6~8GB載せるものが多くあります。一般にVRAM消費量は、ゲームのテクスチャ品質やアンチエイリアスなどの画質設定、さらに解像度を高くするほど増えていきます。

 そこでGeForce GTX 1060の6GB版と3GB版の性能を比較しました。GTX 1060の3GB版はCUDAコア数が6GB版よりも少ないため6GB版のほうが常に高fpsを示しますが、解像度を4Kまで上げると3GB版は急激にフレームレートが落ちます。4K描画時のVRAM消費量は7GB近く(GTX 1080で測定)あるためです。ですが、解像度や画質を抑え、VRAM使用量を減らせば安価な3GB版でも十分な性能を得られます。メインメモリほど神経質になる問題ではありません。

GeForce GTX 1060 6GB版と3GB版のスペックの差
ここでは6GB版と3GB版のASUSTeKのGeForce GTX 1060搭載カードを2枚用意。どちらもブーストクロック1.785GHzのOC版だ。WQHDまでの解像度なら大きく性能は変わらず、価格差は1万円近い点をどう考えるかも選択のポイントだ
ホワイトカラーの6GB版
価格がグッと安くなる3GB版
ASUSTeK Computer
DUAL-GTX1060-O6G
実売価格:39,000円前後
ASUSTeK Computer
DUAL-GTX1060-O3G
実売価格:30,000円前後
人気ゲームで解像度別のフレームレートをチェック
ライズ オブ ザ トゥームレイダー(最高画質+FXAA、DirectX 12、地熱谷、平均fps)

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
SSD:Intel SSD 750 SSDPEDMW400G4X1(PCI Express 3.0 x4、MLC、400GB)
電源:Corsair RM Series RM650(650W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
電力計:ラトックシステム REX-BTWATTCH1


Q.補助電源不要のビデオカードオススメは?

A.ゲーム目的ならGTX 950やRX 460です

 補助電源不要のビデオカードと言えば実売数千円クラスのローエンドGPU(GeForce GT 730など)が定番ですが、ゲームをプレイしたい場合は選択肢がかなり限られます。本稿執筆時ではGeForce GTX 950やRadeonRX 460などの補助電源なしモデルがオススメです。性能も絞られているのでゲームを快適に遊ぶには画質設定を低めに抑える必要はありますが、その分消費電力が低い(GTX 950は75W)ため定格出力に余裕のない小型PCでの利用に向いています。

 ただ、10月18日に発表されたばかりのPascalベースのエントリーGPU「GeForce GTX 1050/1050 Ti」は75Wで補助電源なしで動作します。市場に登場すれば、これが性能面では最有力候補になるでしょう。

OC版でも補助電源不要のGTX 950カード
コスパに優れるRadeon RX 460搭載
玄人志向
GF-GTX950-E2GB/OC/ECO
実売価格:16,000円前後

ブーストクロックを1.188GHzから1.216GHzに向上させたOCモデル。それで補助電源は不要なのが魅力だ
玄人志向
RD-RX460-E2GB
実売価格:12,000円前後

ブーストクロックは1.212GHzとRadeon RX 460の標準の1.2GHzから若干向上させたOCモデルだ
2種類の画質でフレームレートを確認
ライズ オブ ザ トゥームレイダー(FXAA、DirectX 12、地熱谷、フルHD)

Q.1世代前のGPUが安いけど“買い”なの?

A.最新世代との性能差が大きいためオススメできません

 ビデオカード市場には2016年に登場した新世代(GeForce GTX 10シリーズとRadeon RX 400シリーズ)と、旧世代(GTX 900シリーズとR9/R7 300シリーズ)の製品が混ざり合っています。新世代GPUはVR環境への対応が設計レベルで組み込まれているほか、ワットパフォーマンスも改善しているため、旧世代のカードを買うメリットはほとんどありません。右のグラフが示すとおり、新旧のミドルレンジGPUには性能に大きな隔たりがあります。買い換えるならGTX 1060やRX 470/480以上のコストパフォーマンスのよいミドルレンジGPUがオススメです。

最新ビデオカードの実力を3D性能と消費電力で確かめる
3DMark v2.1.2973のスコアとシステム全体の消費電力

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
SSD:Intel SSD 750 SSDPEDMW400G4X1(PCI Express 3.0 x4、MLC、400GB)
電源:Corsair RM Series RM650(650W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
電力計:ラトックシステム REX-BTWATTCH1
アイドル時:OS 起動10分後の値
高負荷時:3DMark - Fire Strike のデモモード実行中の同一シーンでの最大値


【問い合わせ先】

ASUSTeK Computer: info@tekwind.co.jp(テックウインド)/http://www.asus.com/jp/
玄人志向:―/http://www.kuroutoshikou.com/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年12月号は10月28日(金)発売】

★総力特集「解決策はココにあり! 自作のギモン大究明」
★特別企画「基本パーツ&便利アイテムで大変身!! 光の演出で自作マシンを鮮やかに飾る」「ポケモンGOも、VRアプリも楽しみたい! 今すぐ買える最新SIMフリースマホ20選」「PCマニアのあなたも便利に使えます ネットプリント&コンビニプリント 知っておきたい基礎知識」
★連載「最新自作計画 ~静かでハイパワーの本格ゲームマシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録小冊子「サウンドカード、ハイレゾ対応USB DAC、ゲーマー必携のヘッドセットなど盛りだくさん!! サウンドデバイス大全 2016」(雑誌のみ別途付録、電子版は巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-10-22-0000.php

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