パワレポ連動企画

【Haswell Refresh徹底紹介(9)】Z97/H97マザーボードカタログ ~MSI編~

DOS/V POWER REPORT 7月号

 自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新7月号の特集記事、「Haswell Refresh&Intel 9シリーズマザーボードを攻略せよ!」をまるごと掲載する当企画の9回目は、MSI製のZ97/H97搭載マザーボードを紹介する。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 7月号は現在発売中。7月号の内容は、約40ページにわたる今特集のほか、Windows 8.1 Updateの改良点や旧OSからのアップデートの解説、自作ユーザーのかゆいところに手が届く「逸品ケーブル図鑑」、髙橋敏也の改造バカ一台などが掲載。また、PC自作Q&A事典 2014とGIGABYTE POWER REPORTが付録として付いてくるなど、盛り沢山だ。


- DOS/V POWER REPORT 2014年7月号 Special Edition -


ゲーム向けだけでなく全ラインナップを拡充
~Z97/H97マザーボードカタログ MSI編~

【MSIの9シリーズマザーボード シリーズ構成】
Overclockingシリーズでは最先端のOC機能を、Gamingシリーズでは高音質を追求した最新のオーディオ機能とゲーマー向けLANチップを提供。また、Classicシリーズでは、充実の基本性能を低コストで提供したり、一部に仮想通貨採掘向けモデルを提供したりなど、シリーズごとに特色を持たせている。

 MSIのシリーズ構成は、従来同様にOverclocking、Gaming、Classicという三つだが、Gamingシリーズは拡充され、Classicシリーズもかつてのように豊富なラインナップが戻ってきた。

 Intel Z97搭載モデルは15モデル、Intel H97搭載モデルは5モデルが発表されている。SATA Expressを搭載するのは1製品のみだが、オプションのM.2→SATA Express変換アダプタで対応できるため、接続デバイスの供給状況を考えても不自由はないだろう。

Overclockingシリーズの「OCエンジン」や、幅広く採用されているUSB電源の安定化機能「USB Steel Power」など、独自の試みも盛り込まれている。

マザーボードラインナップ

注目トピック1:OCエンジン

IDT 6V49325NLGチップが、100MHz/125MHz/167MHzの三つの標準的なクロックを生成する

 Overclockingシリーズに搭載される新機能。

 BCLKを引き上げるタイプのOCで問題となる、周辺パーツまでもが引きずられてクロックが向上してしまう問題に対し、CPUとは別のクロックをOCエンジンチップが生成することで、周辺パーツへの影響を最小限に抑えることができる。

注目トピック2:冷却関連機能

ヒートシンクは、シリーズのイメージカラーを採用。デザインにもかなり力が入っている

 OCモデルの上位2製品には、本格水冷に対応したVRM用ヒートシンクが採用されている。

 ヒートシンクもコの字形で容積が大きく、ベース素材は熱伝導性に優れた銅製。空冷でも十分に強力で、水冷ではさらに放熱性能を高めることが可能だ。

注目トピック3:USB電源機

 多くのモデルでUSBの電源を安定化する「USB Steel Power」を採用。

 電源からの12Vを専用のPWM回路で5Vに変圧しバックパネル/内部ピンヘッダのUSBポートの電圧を安定化している。

注目トピック4:SATA Expressへの対応

 Intelの正式サポートが見送られたSATA Express。

 MSIは、ほとんどのモデルで、オプションのM.2→SATA Express変換アダプタ(別売り)での対応にとどめた。対応機器のない現状に即した判断だ。


マザーボード解説

Z97 MPOWER MAX AC(実売価格:32,000円前後)

【Specification】

LGA1150/Intel Z97/ATX●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM ×4(最大32GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphicsシリーズ(対応CPUが必要)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×3(x16/- /-、x8/x8/-、x8/x4/x4で動作)、PCI-E 2.0 x1×4●主なインターフェース:M.2×1(SATA 3.0×2と排他利用)、SATA 3.0×8、USB 3.0×12、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n ●そのほか:Bluetooth v4.0
※PCI-E=PCI Express、SATA=Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む

オーバークロッカーが求める機能を集約

Z97 MPOWER MAX AC
I/Oパネル部
【水冷対応のヒートシンクを装備】
VRM用ヒートシンクは、本格水冷キット用のバルブを備えている。下位モデルのZ97 MPOWERでは空冷専用に仕様が落とされている

 最上位のExtendedATXモデル「Z97 XPOWER AC」から、電源まわりのスペックやPCI Express x16の拡張性を抑えつつ、低価格化を図ったコストパフォーマンスの高いモデル。

 各種OC向けの機能のほか、水冷対応のCPU VRM向けヒートシンクなど、パワーを必要とするPCの自作に向いている。本製品からIEEE802.11ac対応無線LAN機能や、OC失敗時に完全放電するDischarge機能を省いた「Z97 MPOWER」も、下位製品としてラインナップされている。

Z97 GAMING 7(実売価格:23,000円前後)

【Specification】

LGA1150/Intel Z97/ATX●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM ×4(最大32GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphicsシリーズ(対応CPUが必要)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×2●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×3(x16/- /-、x8/x8/-、x8/x4/x4で動作)、PCI-E 2.0 x1×4●主なインターフェース:M.2×1(SATA 3.0×2と排他利用)、SATA 3.0×8、USB 3.0×10、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1
※PCI-E=PCI Express、SATA=Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む

ゲーミング向け機能を備えた充実の中堅モデル

Z97 GAMING 7
I/Oパネル部
【電源を独立させたオーディオ機能】
オーディオ用回路への電力を電源ユニットから直接取得する「ダイレクトオーディオ電源」を採用。基板上のノイズの影響をこれで抑制する

 Z97 Gamingシリーズのアッパーミドルモデル。

 Audio Boost 2やKiller E2205 LANチップなど、ゲーミングモデルの特徴的機能をほとんど搭載し、コストパフォーマンスもよい。

 起動時のみ低速なCPUクロックでOSを安全に起動させる「Slow Mode」のほか、電圧などを計測するための計器用接点「V-Check Point 2」といったOC向けの機能も備える。ゲーミングPCとしてはもちろん、ここぞというときのOCにも心強いモデルだ。

Z97S SLI PLUS(実売価格:17,000円前後)

【Specification】

LGA1150/Intel Z97/ATX●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM ×4(最大32GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphicsシリーズ(対応CPUが必要)●ディスプレイ:HDMI ×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×3(x16/- /-、x8/x8/-、x8/x4/x4で動作)、PCI-E 2.0 x1×2、PCI ×2●主なインターフェース:M.2×1(SATA Express×1と排他利用)、SATA Express×1、SATA 3.0×6、USB 3.0×8、USB 2.0×8● LAN:1000BASE-T×1
※PCI-E=PCI Express、SATA=Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む

MSIで唯一のM.2&SATA Express両対応製品

Z97S SLI PLUS
I/Oパネル部
【独立したSATA Expressポート】
チップセット側ヒートシンクの横に、独立した形でSATAExpressポートを搭載。上向きで、後からデバイスを追加しやすい位置だ

 Classicシリーズにおける最上位モデル。

 SLIとCrossFireXの両方に対応するとともに、今回のMSIラインナップで唯一、M.2とSATA Expressを装備。また、OC向け機能のV-Check Point 2も搭載するため、スタンダードなPCから、ライトなOC用途まで幅広く対応できる。

 パーツの品質や耐久性も、ミリタリークラス 4やGUARD-PROといった独自基準で強化されている。そのほか、ポートに安定した電力を供給するUSB Steel Power機能を備える。

Z97 XPOWER AC(実売価格:54,000円前後)

【Specification】

LGA1150/Intel Z97/ExtendedATX●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphicsシリーズ(対応CPUが必要)●ディスプレイ:DisplayPort ×1、HDMI ×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×5(-/x16/ -/- /-、x16/- /- /x16/-、x16/- / - /x8/x8、x8/- /x8/x8/x8/で動作)、PCI-E 2.0 x1×2●主なインターフェース:M.2×1(SATA 3.0×2と排他利用)、SATA 3.0×10、USB 3.0×12、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0
※PCI-E=PCI Express、SATA=Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む

カラ割りCPU用の保護板も付属究極OC向けモデル

Z97 XPOWER AC
I/Oパネル部

 OC向けシリーズの最上位。

 MPOWER MAX ACが備える全OC機能に加え、16フェーズの電源回路を搭載。カラ割りCPUを固定するダイ・ガードやケースファンの固定スタンドも付属する。

Z97 GAMING 9 AC(実売価格:38,000円前後)

【Specification】

LGA1150/Intel Z97/ATX●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphicsシリーズ(対応CPUが必要)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×3(x16/- / -、x8/x8/-、x8/x4/x4で動作)、PCI-E 2.0 x1×3●主なインターフェース:M.2×1(SATA 3.0×2と排他利用)、SATA 3.0×8、USB 3.0×12、USB 2.0×6●LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0
※PCI-E=PCI Express、SATA=Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む

高品質オーディオ回路を2系統搭載

Z97 GAMING 9 AC
I/Oパネル部

 ゲーミングモデルの最上位。

 一部OCモデル向けの機能も備えつつ、本モデルのみの特徴として、スピーカーとヘッドホンが別回路で構成される「Xtreme Audio DAC」機能も搭載する。

Z97I GAMING AC(実売価格:24,000円前後)

【Specification】

LGA1150/Intel Z97/Mini-ITX●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×2(最大16GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphicsシリーズ(対応CPUが必要)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×2●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1●主なインターフェース:SATA 3.0×4、eSATA(SATA 3.0)×2、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1、IEEE802.11a/ac/b/g/n●そのほか:Bluetooth v4.0
※PCI-E=PCI Express、SATA=Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む

小さくても機能充実ゲーミング向けMini-ITX

Z97I GAMING AC
I/Oパネル部

 M.2スロットには非対応だが、Audio Boost 2などのオーディオ機能やゲーミング対応マウスポート、Killer E2205 LANチップなどを搭載。IEEE802.11ac対応の無線LAN機能も備える。

Z97 GUARD-PRO(実売価格:15,000円前後)

【Specification】

LGA1150/Intel Z97/ATX●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-25600 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)●グラフィックス機能:Intel HD Graphicsシリーズ(対応CPUが必要)●ディスプレイ:DisplayPort×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E 2.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×4●主なインターフェース:M.2×1(SATA 3.0×2と排他利用)、SATA 3.0×6、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1
※PCI-E=PCI Express、SATA=Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む

サージ対策機能を備えつつ比較的安価

Z97 GUARD-PRO
I/Oパネル部

 Z97搭載製品としては比較的安価ながら、CrossFire Xにも対応し、耐久性などもGUARD-PROに準拠。

 M.2スロットを備え、コストパフォーマンスの高いモデルとなっている。

そのほかのマザーボード

[Text by 石川ひさよし]



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(AKIBA PC Hotline!編集部)