パワレポ連動企画

Haswell Refreshで作る「静音スタンダードマシン」

【Haswell Refresh徹底紹介(11)】

DOS/V POWER REPORT 7月号

 自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新7月号の特集記事、「Haswell Refresh&Intel 9シリーズマザーボードを攻略せよ!」をまるごと掲載する当企画の11回目は、Haswell Refreshで作る静音スタンダードマシンを紹介。

 パワレポ編集部が厳選したPCパーツで静音マシンを製作、オススメポイントを解説する。

 なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 7月号は現在発売中。7月号の内容は、約40ページにわたる今特集のほか、Windows 8.1 Updateの改良点や旧OSからのアップデートの解説、自作ユーザーのかゆいところに手が届く「逸品ケーブル図鑑」、髙橋敏也の改造バカ一台などが掲載。また、PC自作Q&A事典 2014とGIGABYTE POWER REPORTが付録として付いてくるなど、盛り沢山だ。


- DOS/V POWER REPORT 2014年7月号 Special Edition -


Haswell Refreshで作る「静音スタンダードマシン」

 Intel Z97/H97採用マザーの多くでは、高速なSSDを利用できるM.2スロットがサポートされ、ユーティリティやUEFIの機能も進化。そんな最新機能を活かしたHaswell Refresh世代の静音スタンダードPCを作ってみた。

静音性重視のケースとCPUクーラーを選択

PC前面
PC側面

 Intel 9シリーズマザーで注目されるのは、新たにサポートされた高速なストレージインターフェース「M.2」だろう。ボードメーカーの独自機能もポイントで、ASUSTeK製品では独自のCPUファンの回転数自動調整機能を発展させ、ファンメーカーが設定した下限よりもさらに引き下げる「Extreme Quiet」をサポート。今回はこうした新機能をフルに活用する、静音スタンダードPCの作例を考えてみた。

 CPUには新登場の上位モデル「IntelCore i7-4790」を採用し、ミドルレンジクラスのH97搭載ATXマザー「ASUSTeK H97-PRO」を組み合わせた。ストレージにM.2対応のSSD「Plextor M6e」を使い、新世代の速度を目指した。

 そのほかのパーツには、静音性を重視したケースとCPUクーラーを選択している。また、全体の価格を抑えるためにビデオカードと光学ドライブはあえて搭載しなかった。

カテゴリー製品名実売価格
CPUIntel Core i7-4790(3.6GHz)35,000円前後
マザーボードASUSTeK H97-PRO(Intel H97)13,000円前後
メモリCFD販売 CFD-Panram W3U1600PS-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)9,000円前後
グラフィックス機能Intel HD Graphics 4600(Core i7-4790内蔵)
SSDPLDS Plextor M6e PCI Express SSD PX-AG256M6e(M.2/PCI Express 2.0 x2接続、MLC、256GB)39,000円前後
HDDWestern Digital WD Green WD30EZRX-1TBP(Serial ATA 3.0、5,400rpm、3TB)12,000円前後
電源ユニット玄人志向 KRPW-GN550W/90+(550W、80PLUS Gold)8,000円前後
PCケースCorsair Components Obsidian 550D Mid-Tower Quiet Case(ATX)14,000円前後
CPUクーラーサイズ 阿修羅5,000円前後
合計135,000円前後
PCMark 8 Homeスコアアイドル時消費電力高負荷時消費電力
3,29229.6W120.1W

注目のパーツ

M.2対応SSD
マザーボードに
H97搭載モデルを選択
14cm径ファン搭載の
大型CPUクーラー
「Plextor M6e」。今回はPCI Express変換アダプタは取り外してM.2スロットに直挿しとした
ミドルレンジクラスATXマザー「ASUSTeKH97-PRO」を選択。M.2対応で、機能的にも価格的にも魅力
CPUクーラーには14cm径ファンを搭載した「サイズ 阿修羅」を選択。高い静音性を期待できる

ポイント1:M.2対応SSDの搭載で超高速

【最大10Gbpsの高速転送が可能なM.2対応SSDを搭載】
mSATA対応品とは異なる、細長い形状のSSD。PCI Express x1スロットの後ろ側にあるM.2スロットに装着する
【OSの起動時間では大きな差が出なかった】
最大10Gbpsという、Serial ATA 3.0の限界を超える速度を誇るM.2対応SSD。実際のベンチマークテストでも700MB/s超という高速性を発揮したが、OS起動速度については大きな差は出なかった

 Serial ATA 3.0の帯域は6Gbpsで、SSDの進化を妨げる要因だった。しかしM.2スロットでは標準的なPCI Express 2.0 x2接続の場合、約10Gbpsの帯域を確保。最新のM.2対応SSD「Plextor M6e」と組み合わせることで、Serial ATA 3.0環境以上の性能を発揮する。

 体感でも一つ一つの操作にキビキビと反応し、操作感は良好だ。ただしOSの起動速度は、2.5インチSSDと比べても大きな違いは見られなかった。

ポイント2:さらに強力になったFAN Xpert 3

【さらに細かい設定を行なえるFAN Xpert 3】
独自のファンコントロールツールも大きく進化し、「FAN Xpert 3」となった。その中で新たに追加された機能「Extreme Quiet」に注目
【Extreme Quietで最低回転数を引き下げられる】
「Extreme Quiet」をONにすることで、ファンの最低回転数をメーカー設定の下限値からさらに引き下げることができる。上限の回転数は変わらないので、冷却性能も犠牲にならない

 ASUSTeK独自のファンコントロールツールの最新版「FAN Xpert 3」が付属。新たにPWM対応のCPUファンの回転数を、メーカー設定の下限値よりも引き下げる「Extreme Quiet」機能が追加された。CPU付属リテールクーラーで試したところ、最低回転数が400rpm前後から242rpmまで低下した。

 ただし、実際に動作音を計測してみると、機能の有効/無効で大きな違いはなかった。これはケース標準搭載のファンの動作音に引きずられているせいだ。

動作音
CPU温度

【検証内容】

OS:Windows 8.1 Pro 64bit 版、室温:23℃、暗騒音:28dB、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.0のPOWER SUPPLY 実行中の最大値、CPU 温度:HWMonitor 1.24のCPU Temperatures のPackage の値、電力計:Electronic Educational Devices Watts up? PRO

[Text by 竹内亮介]



DOS/V POWER REPORT 7月号は5月29日発売】

★第1特集「Haswell Refresh&Intel 9シリーズマザーボードを攻略せよ!」はもちろん、第2特集「Windows 8.1 Updateの正しい出会い方」や髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事を掲載

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 紙版は小冊子「PC自作Q&A事典2014」と「GIGABYTE POWER REPORT」付き

★ 電子版は割安な税別926円、一部ショップでは税別700円の期間限定セール中
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(AKIBA PC Hotline!編集部)