パワレポ連動企画
Devil's Canyon & Pentium 20周年モデル 徹底紹介
(2014/6/26 12:05)
このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌8月号の特集記事「Devil's Canyon & Pentium Anniversary EditionでOCを遊ぶ」をほぼまるごと掲載する。
今号では、本日発売されたDevil's Canyonこと「Core i7-4790K/4690K」と、7月3日に発売が予定されているPentiumの20周年記念モデル「Pentium G3258」を徹底的に紹介する。
第一回目の今回は両者の特徴を紹介する。仕様の解説から始まり、定格クロックでベンチマークテストを実施した結果を掲載している。
なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 8月号は6月28日(土)に発売予定。8月号では今特集のほか、パワレポ執筆陣が推薦する「この夏買いたい8大PCパーツベストレセクション300」やBay Trail-D/Kabini対応Socマザーボード大図鑑、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、CPUクーラー&ケースファン大全が付録として付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。
- DOS/V POWER REPORT 2014年8月号 Special Edition -
ハイエンド自作の本命と現代版Celeron 300Aが登場!
Devil's Canyon&Pentium Anniversary EditionでOCを遊ぶ
この春登場したHaswell Refreshこと第4世代CoreシリーズにはOC対応モデルが存在していなかった。その穴を埋める期待の新製品が登場した。コードネーム“Devil's Canyon(デビルズキャニオン)”こと、Core i7-4790K、Core i5-4690K。
これらは、倍率ロックが解除されている上に、CPUコアとヒートスプレッダの間で熱を伝導するTIM(Thermal Interface Materials)などにも改良が加えられており、よりOC耐性が向上していると言う。また、Pentiumブランド誕生20周年を記念して発売される“Pentium Anniversary Edition”ことPentium G3258は、低価格ながらもOCを楽しめるモデルとして期待が大きい。
今回は、これら新製品のOC耐性を冷却パーツとの相性も含めつつ検証し、新しいOCの楽しみ方を提案する。
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倍率ロックフリー+α特典満載のスペシャルモデル
2014年6月3日、Intelからコードネーム“Devil's Canyon”および“Pentium 20th Anniversary Edition”の新CPUが発表された。前者は2モデルあり、正式名称はそれぞれ「Corei7-4790K」、「Core i5-4690K」。後者は「Pentium G3258」として発売される。これらはいずれもCPU倍率の上限ロックが解除された倍率ロックフリーモデルだ。
倍率ロックフリーモデルのメリットは、CPU倍率の上方変更によるオーバークロック(OC)ができることにある。事実上、IntelがOCを容認しているCPUであり、OC向けCPUと言っても差し支えないだろう。
また、Core i7-4790KとCore i5-4690Kには、これまでの倍率ロックフリーモデルにはない注目点が二つある。一つは、CPUのダイとヒートスプレッダの間にあるTIM(Thermal Interface Material)の改良だ。新たに「NGPTIM(Next-Generation Polymer TIM)」と呼ばれる熱伝導率の高い素材を採用し、放熱性能を改善している。
Ivy Bridge以降のCPUはTIMの熱伝導率があまりよくなく、ここが冷却のボトルネックとなり、空冷や水冷では高い動作周波数のOCがしにくいことで知られていた。ヒートスプレッダを強制的にはがす「殻割り」を行ない、熱伝導率の高いグリスを塗り直すユーザーもいるが、失敗のリスクも大きい。OCのハードルが上がってしまっていただけに、TIMの改良は朗報だ。さらには、パッケージ裏面のキャパシタを増やし、ダイに対する電流供給の安定化を図っている。こちらもまたOCに有利な変更であり、殻割りなしでこれまでのHaswell以上に高い動作周波数でのOC動作(OC耐性)が期待できる。
さらにCore i7-4790Kは、標準で4GHz、Turbo Boost時最大で4.4GHz動作と、従来の最上位モデルであるCore i7-4790から定格での最速を更新。しかもそれぞれ400MHzと大幅に周波数が向上している。
一方、Pentium G3258は、Pentiumブランドの20周年を記念したモデルだ。初代Pentiumと言えば、1993年に発売され、Intelが躍進する原動力となったレジェンドCPUである。ほかのPentiumブランドのモデルと同様の低価格はそのままに、倍率変更によるOCができる点が大きなメリットだ。最近のIntelCPUには低価格なOCモデルがなかっただけに、「遊べるCPU」として大いに注目だ。
インパクトのあるパフォーマンス、Core i7-4790Kは定格でも魅力
新たに加わったCore i7-4790KとCore i5-4690K、Pentium G3258の、定格動作周波数でのパフォーマンスを見てみよう。
注目はCore i7-4790から400MHz周波数が向上したCore i7-4790Kだ。Core i7-4790に対しては、CINEBENCHのCPUで約10.2%、同CPU(シングルコア)で約8.8%、PCMark 8で約2.2%上回っている。Core i7-4770Kからは、CINEBENCH R15のCPUで約13.1%のスコアアップと、定格でも十分インパクトのあるパフォーマンスをマークしており、ハイエンド志向の定格派ユーザーにとっても、魅力の大きいプレミアムモデルと言える。
一方Core i5-4690Kは、Core i5-4690とほぼ同じスコアだ。動作周波数含めて倍率ロックフリー以外の仕様は共通なので当然と言えば当然である。Pentium G3258も定格ではとくに見どころがない。Core i3-4360を基準とすると、CINEBENCH R15のCPUでは約64.6%、CPU(シングルコア)で約84.9%、PCMark 8で約86.1%と凡庸だ。
【まとめ】
・Core i7-4790Kは定格でも高速なプレミアムモデル
・残る2モデルは、定格動作では目立つ特徴がない
【検証環境】
マザーボード:ASUSTeK Z97-DELUXE(NFC& WLC)(Intel Z97)、メモリ:サンマックス・テクノロジーズ SMD-16G28CVLP-16K-Q(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB ×4 ※2枚のみ使用)、内蔵グラフィックス機能:各CPUに内蔵、SSD:OCZ Storage Solutions Vector 150 VTR150-25SAT3-240G(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、電源:Enermax Technology REVOLUTION87+ ERV750AWT-G(750W、80PLUS Gold)、OS:Windows 8.1 Pro 64bit 版
[Text by 鈴木雅暢]
【DOS/V POWER REPORT 8月号は6月28日(土)発売】
★巻頭特集「Devil's Canyon & Pentium Anniversary EditionでOCを遊ぶ」はもちろん、パワレポ執筆陣が推薦する「この夏買いたい8大PCパーツベストレセクション300」やBay Trail-D/Kabini対応Socマザーボード大図鑑、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事を掲載
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