パワレポ連動企画
最新SSDのキホン
【SSDの買い方指南(4)】
(2014/9/8 12:05)
このコーナーでは、こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の最新号と連動、同誌10月号の特集記事「損しないSSDの買い方」をほぼまるごと掲載する。
第四回目の今回は、最新SSDの基本を紹介する。
なお、この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 10月号は絶賛発売中。10月号では今回の特集のほか、売れ筋電源12モデルを比較・検証する「電源オールスターバトル」や、ドライブベイ用お役立ちアイテム 20選、髙橋敏也の改造バカ一台など、多数の記事が載っている。また、最新&定番のビデオカードを掲載した「最新&定番ビデオカード 140」が小冊子として付いてくるなど、盛りだくさんの内容だ。
- DOS/V POWER REPORT 2014年10月号 Special Edition -
知ってる? 知らない!? 最新SSDのキホン
SSDのデータ転送方式はSerial ATAが主力だが、今年に入ってより高速なPCI Expressに対応する製品が登場した。また、その形状もさまざま。ここで整理しておこう。
多様化するインターフェース規格、機器形状とデータ転送方式に注意
現在のSSDは、2.5インチ形状でSerial ATA対応の製品が主流だが、新しい規格が登場したことで多様化が進み複雑化している。混乱しがちな状況だが、「データ転送方式」、「接続方法」、「機器の形状」の3項目に分けて考えると理解しやすい。
まず、Intel 9シリーズチップセット搭載マザーで搭載例が多い「M.2」について説明しよう。M.2は、基板をスロットに直接接続して利用するカードデバイスの規格だ。Serial ATA接続専用の「mSATA」に代わるものとして策定された。データ転送方式には、Serial ATAまたはPCI Express(2.0/3.0 x2/x4接続)などを利用できる。また、複数の信号が結線されているM.2スロットでは、接続する機器に応じてデータ転送方式を自動的に切り換える機能も搭載する。
「SATA Express」は、接続方法にケーブル接続を採用した規格である。機器の形状は、2.5/3.5インチ形状で、データ転送方式は、Serial ATAまたはPCI Express(2.0/3.0 x2接続)のいずれかが利用できる。SATA Expressも、M.2同様に、接続機器の種類でデータ転送方式を自動切り換えする。
なお、NANDメモリのコントローラをPCI Express経由でCPUとダイレクトに接続するタイプのSSDは、「PCI Expressネイティブ接続のSSD」と呼ばれ、機器の制御仕様には、以前からある「AHCI」と新規格の「NVM Express」(NVMe)の両方を利用できる。NVMeは、NANDメモリなどの不揮発メモリを採用したストレージに最適化された機器の制御仕様である。NVMe対応のSSDは、現在のところサーバー向けのみ存在するが、今後はコンシューマ向けにも展開される予定だ。
【NVMeに対応できる接続方式】
NVMeは、PCI Expressネイティブ接続の機器なら形状を問わず利用可能な、機器の制御仕様である。M.2やSATA Express、PCI Expressスロットにダイレクトで接続するHHHL(Half-Height Half-Length)形状の機器などで利用できる。
Serial ATA対応のSSD
広く普及している現在のSSDの主流
Serial ATAは、現在主流のストレージ接続専用のインターフェースである。最新はSerial ATA 3.2で、最大のデータ転送速度は600MB/s。最新世代のSSDの速度は、すでにこの限界に達しており、これ以上の高速化の足かせとなっている。しかし、もっとも広く普及しており、Serial ATAコネクタを搭載していないマザーはほぼ存在しない。このため、汎用性が高いことが最大のメリットだ。
Serial ATA接続のSSDは、2.5インチ形状で厚さ7mmの筐体を採用した製品が現在の主流。最新世代のSSDでは、速度向上に伴って高負荷時の発熱も増加している。このため、筐体に熱を逃がすことで熱対策を行なっている場合もある。
【Serial ATA対応SSDのメリット】
1.どんなPCでも利用できる汎用性の高さが魅力
2.製品の種類が豊富で価格もこなれている
mSATA対応のSSD
M.2対応のSSD
次世代のスタンダード!? 対応マザーは今後も増加
M.2は、Serial ATA接続とPCI Express接続の両方をサポートする、スティック型のSSDの規格だ。Intel 9シリーズチップセットからサポートされ、多くの対応マザーに標準搭載されている。また、M.2対応のSSDは、Serial ATA 3.0接続の製品とPCI Express接続の製品の2種類が発売されている。
マザーに搭載されているM.2スロットは通常一つのみで、PCI Express 2.0 x2接続とSerial ATA 3.0接続の両方をサポートしている。M.2のPCI Expressの信号は、チップセット側に接続され、PCI Express 2.0 x2までのサポートであることが一般的。Serial ATAの信号は、SATA Express用のコネクタと共有し、排他使用のものが多い。この点に注意する必要がある。
ASRock製マザーボードの一部では、PCI Express 3.0 x4接続でSerial ATA接続をサポートしない、「Ultra M.2」と呼ばれるスロットを搭載している。これは、M.2スロットにCPU側のPCI Expressインターフェースを接続することで実現している。
【M.2対応SSDのメリット】
1.PCI Exrpess接続でSerial ATA超えの性能
2.将来性があり、今後対応SSDの増加が見込める
【M.2方式SSDの選び方で気を付けたいこと】
1.SSD側にOption ROMを搭載しているか?
2.マザー側がPCI Expressからのブートに対応しているか?
PCI Express接続のM.2 SSDには、Option ROM搭載製品と非搭載の製品がある。搭載品は、基本的にどの環境でもOS起動を行なえるが、非搭載品は、対応マザーボード以外ではOS起動を行なえない。編集部では、Option ROM非搭載タイプの「Samsung Electronics XP941 MZHPU512JCGL」を使って、ASRock Z97 Extreme6、MSI Z97 Gaming7、ASUSTeK Z97 PROでの、Windows 8.1の起動を確認している。
PCI Express 対応のSSD
内部RAIDによってSerial ATAの限界を突破
PCI Expressスロットに直接接続して利用するSSD。現状では、基板上に専用のコントローラまたはRAIDコントローラと複数のSerial ATA接続のSSDを搭載し、それをRAID 0構成で利用することで性能を高めた製品が主流。
M.2のPCI Express接続のSSDとは異なる方式で、イメージはマザーボード搭載のRAID機能を利用して高速化するのに近い。
【PCI Express 対応SSDのメリット】
1.Serial ATA接続のSSDを超える高性能を提供
2.OS起動用にも利用可能
【NVMeデバイスをテストしてみた!】
編集部では、Intelが出荷を開始したNVMe対応SSD「Solid-State Drive DC P3700」を試用する機会を得た。性能やOS起動のチェックを行なったので、結果をレポートする。
まず、Windows 8.1の標準ドライバでDCP3700は認識されたが、OS起動を行なうことはできなかった。Intelの公式資料によるとDC P3700は、「UEFI 2.3.1」以降でOS起動に対応するとされている。今回のマザーはUEFI 2.3であり、これが原因だろう。
また、最大性能は、シーケンシャルリード1,400MB/sオーバー、ライトが1,090MB/sをマークし、NVMe接続の実力を感じさせるものだった。
[Text by 北川達也]
【DOS/V POWER REPORT 10月号は8月29日(金)発売】
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