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最新マザーボード選びの基礎知識
【マザーボード100選 2016(1)】
(2015/11/27 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年1月号」の総力特集「価格帯別・最強マザーをここに決定 マザーボード100選 2016」を掲載する。なお、2016年1月号は11月28日(土)発売だが、今回は一足早くお届けする。
新CPUとチップセットの登場で一気に代替わりしたマザーボード。今号の総力特集では読者とライター陣、編集部の投票により部門別にお薦め製品を決定した。第1回目では、ランキングを発表する前に押さえておきたいマザーボードのトレンドを解説する。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年1月号は全国書店、ネット通販にて11月28日(土)に発売。人気と実用性を兼ね備えたお薦めマザーボードを決定する総力特集をはじめ、ASUSのプロ向け資料を限定公開!読み方も解説したダウンロード特典「ASUSTeKレビュアーズガイド マザーボード&ビデオカード編 英語版」、ネット配信の嵐が日本上陸!サービス内容や使いやすさも比較した「ネット配信端末が地上波を駆逐する? Fire TV vs. 第4世代Apple TV」、いつの間にやら豊富なラインナップ「こんなにあるって知ってました!? Amazonベーシック特選品」、スマホ使いなら持っていると便利、マジお勧め「容量・サイズ・機能で選べる 最新モバイルバッテリ28選」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は「ドカンと大レビュー!マザーボード&ベアボーン超図鑑 2016」。……えっ、この厚みで付録なんですか!?
-マザーボード100選 2016-
価格帯別・最強マザーをここに決定
最新マザーボード選びの基礎知識
本特集では現行のマザーボードから注目の100枚を選び、その中から本誌執筆陣、編集者の投票によってお勧めの製品を決定する。製品を見ていく前に、押さえておきたい基本的なポイントを確認しよう。
その1CPUソケットで使えるCPUが決まる
マザーボードの分類単位として、もっとも基本的なものがCPUソケットだ。この仕様によって使えるCPUとチップセットがまず決まる。CPU自体もマザーボードも性能、機能含めて技術的な特徴が製品ごとに異なるため、その特徴を把握するのがマザーボード選びの第一歩と言える。なお、CPUソケットを中心とした基本システムを「プラットフォーム」と呼ぶ。
現行マザーボードで使われている主なプラットフォームの特徴は以下にまとめた。2015年はIntelの主力のプラットフォームが、LGA1150からLGA1151へと変わり、CPU、チップセットともに機能が拡張された。CPU、マザーボードの選択肢も多く、このLGA1151を軸に考えるのが基本だ。
LGA2011-v3は特別に高性能、多機能が必要だというユーザーのためのプラットフォームだ。CPU、マザーボードとも高価格帯のみで展開されており、冷却なども意識する必要がある。
AMD CPUを有効に活かせるシステム構成は限定されるが、内蔵GPUシステム前提で導入コストを低く抑えたいならば選択肢に入れてもよいだろう。
【CPUソケットとCPUの組み合わせ】
Intelが最上位に位置付けるプラットフォーム。8コアや6コアのCPUが使える点と、マルチGPUやRAIDなどにも余裕で対応できるバス帯域の広さが特徴。CPU、マザーボードともに高価で、フルに性能を発揮るためにはメモリが最低4枚必要になる。消費電力も大きめ。
Intelの主力プラットフォームであり、現在の自作市場の中心的存在。CPU、マザーボードとも、高性能なハイエンドからコストパフォーマンスに優れるローエンドの製品まで幅広い選択肢が用意されている。新世代のため機能的にはもっとも洗練されている。
AMDのCPUは、CPU、マザーボードとも低価格で内蔵GPU性能が高いという特徴がある。一方、純粋なCPU性能や省電力性は今一つで、マザーボード(チップセット)の機能はIntel系と比べると2世代くら古い。用途を限定すれば価格を大きく超える価値を発揮するが、知識がある中級者以上向けだ。
その2チップセットが違うと拡張性も違う
同じプラットフォームでもチップセットによって機能や拡張性が異なる。とくに主力のLGA1151は幅広いユーザーを対象にしており、チップセットの選択肢も多い。チップセットの種類や位置付け、そして機能をある程度把握しておくと、マザーボード選びはずいぶんスムーズになる。
LGA1511対応チップセットの種類と主な機能の違いは下の表にまとめた。Z170はハイエンドクラスで、KシリーズCPUの倍率変更機能と、CPUから出ているPCI Express 3.0 x16のレーンを2系統のx8などに分割できる機能がH170に対する優位点だ。逆にSBA(Small Business Advantage、USBポート制限など簡易的なセキュリティ機能)に対応しないが、コンシューマ環境ではあまり利用されることはない。
H110チップセットは最新世代でありながらPCI Express 3.0への対応が見送られており、B150との差が大きい点に注意したい。
Z170 | H170 | B150 | H110 | |
CPUとチップセット間の帯域 | 4GB/s | 4GB/s | 4GB/s | 2GB/s |
KシリーズCPUの倍率変更 | ○ | × | × | × |
CPUのPCI Expressレーンの分割 | ○ | × | × | × |
ビジネス向け機能SBAのサポート | × | ○ | ○ | × |
PCI Expressのリビジョンとレーン数 | 3.0×20レーン | 3.0×16レーン | 3.0×8レーン | 2.0×6レーン |
USB 3.0ポート数 | 最大10 | 最大8 | 最大6 | 最大4 |
Serial ATA 3.0ポート数 | 最大6 | 最大6 | 最大6 | 最大4 |
その3インターフェースの種類と速度の違い
拡張スロット
x1スロットもPCI Express 3.0が標準に
PCI Expressは世代(3.0と2.0)とレーン数(x16、x1など)で速度が変わる。2.0は1レーンあたり0.5GB/s、3.0は約1GB/sで、レーン数の増減で速度が調整できる。ビデオカード用のPCI Express 3.0 x16は、16レーンで16GB/s。Z170世代ではチップセットがPCI Express 3.0に対応したことからx1スロットも3.0対応が標準になった。
かつての標準、PCIスロットを搭載する製品もある。
ストレージインターフェース
Serial ATA 3.0の後継はM.2が本命
SSDが高速化してSerial ATA 3.0では帯域(600MB/s)が不足してきたため、内部接続にPCI Expressを使うM.2スロットが実装されている。PCI Express 3.0に対応したZ170世代からは、M.2スロットも前世代で一般的だった2.0 x2対応から3.0 x4対応の高速タイプになった。
Serial ATA 3.0の上位規格であるSATA ExpressはSSDの採用例がないが、Serial ATA 3.0ポートとしても使える。
USB
USB 3.1がほぼ標準装備に
USB 3.0に比べて約2.4倍の性能を持つUSB 3.1が登場。チップセットには統合されていないが、ミドルレンジ以上ではほぼ標準装備に。また、その多くは新しいType-Cコネクタも搭載する。Type-Cは上下の別なく挿抜できることに加えて、今後多くのデバイスで採用されることが確実視されている。
USB 3.1の上位互換でもあるThunderbolt 3(最大4,800MB/s)に対応する製品もある。
メモリ
DDR3からDDR4へ
長い間DDR3のまま徐々に高速化していたが、LGA1151はDDR4-2133とDDR3L-1600の両対応となった。ミドルレンジ以上のLGA1151マザーボードはほとんどがDDR4ソケットを搭載するが、DDR3/DDR3LとDDR4両方のソケットを持つマザーも存在する。
LGA2011-v3は4組のメモリに同時アクセスするクアッドチャンネルに対応し、68GB/sと広帯域だ。
[Text by 鈴木雅暢]
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