パワレポ連動企画

【PCパーツ100選 2016(9)】ビデオカード部門 その1

〜この部門の注目点とレコメンド発表〜

DOS/V POWER REPORT 2016年2月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年2月号」の総力特集「主要9ジャンル+α 執筆陣の投票で選ばれた買いの製品はどれだ!? PCパーツ100選 2016」を掲載する。

 第9回目からはビデオカード部門の解説と、リコメンド受賞製品を紹介していく。ゲームを高画質、高解像度で楽しむには必須のパーツだ。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年2月号は全国書店、ネット通販にて2015年12月26日(土)に発売。様々な分野のオススメパーツを決定する総力特集をはじめ、ラジエータを置くスペースが必要だけど、かわりにCPUソケット周辺はすっきりする簡易水冷の新製品を紹介!「ニューカマー3製品を徹底比較 本当に使える水冷クーラーはこれだ!」、ゲームで差が付くかもしれない高機能モデルが豊富!「話題作が豊富な今こそ揃えたい 鉄板ゲーミングデバイス 26」、すぐ隣だから30cmあれば十分なあなたや、上の階とつなげるので30mは欲しいというあなたに捧げる「あなたのマイナーニーズを狙い撃ち☆「短い」ケーブル&「長い」ケーブル集めました」など、特別企画も満載。人気の連載記事、橋敏也氏による「橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の付録は豪華二本立て! あの素晴らしいパーツをもう一度「時代を作った名品が月替わりピンナップで!名パーツカレンダー 2016」と、これから自作を始める方には是非読んでいただきたい「パーツの役割や組み立て手順が分かる!保存版PC自作スタートブック2016」だ。


-PCパーツ100選 2016-
執筆陣の投票で選ばれた買いの製品はどれだ!?


新アーキテクチャ続々の1年、コスパ向上にも注目!
ビデオカード部門

 2015年は例年以上にGPUが注目された年だった。AMD、NVIDIA両陣営ともにラインナップに大きな変革があり、買い換えの好機は今も続いている。

 また、大型ゲームタイトルが多数登場する中で「フォールアウト4」では推奨GPUがGTX 780以上と、現行アッパーミドル以上のGPUが欲しくなるケースも出てきている。ここではそんなビデオカード市場の動勢をまとめてみたい。

NVIDIAの着実な攻勢にAMDは新メモリで反撃

 2015年半ばまでは“第2世代Maxwellの無双状態”以外の表現が見付からない。GTX 960でミドルレンジに確固たる地位を築き上げ、続くTITAN X→GTX 980 Tiで性能トップを独占、最後にGTX 950というミドルレンジでGPU市場を占有する、という状況だった。

 AMDの反撃は、2015年7月のR9 FuryX、9月のR9 Nanoの投入だ。HBM初搭載で省電力化に一定の成功を収め、R9Nanoは非常にコンパクトな高性能空冷カードとして話題を呼んだ。ただ、Fury/Nano搭載カードは、当初から流通量が少なく割高だったため、「AMDファンのためのGPU」から脱却できなかったのが残念なところだ。市場全体で見ればNVIDIA系の製品がワットパフォーマンスのよさや機能面で引き続きAMD系を圧倒している。

 2016年は、NVIDIAも次世代GPU“Pascal”よりHBMへの移行が始まると見られる。さらに「Oculus Rift」などのVRデバイスが発売されれば、ハイパワーGPUが必要になるシーンが増えるはずだ。DirectX 12対応ゲームの展望はまだ見えてこないが、今後はCPU性能などの面で一層GPUパワーを引き出せるパーツ構成が求められるだろう。

topic 1 ビデオメモリ大容量化と新メモリの登場がポイント

次世代ビデオメモリ登場
AMDは超広帯域のHBMを初投入。しかし容量が4GBと少なく、4K+超高画質設定にはもの足りない

 4Kゲーミングの盛り上がりでクローズアップされたビデオメモリ容量と帯域の問題。最近の重量級ゲームは高画質&高解像度設定ではビデオメモリが不足してくる。ミドルレンジでは4GB、ハイエンドでは6 〜 8GBの製品が増加中だ。

 今後はより広帯域&大容量のビデオメモリがカギとなるだろう。

topic 2 ミドルレンジが拡充 ただし円安の影響も

 GTX 960/950は性能向上と消費電力削減を同時に達成したことで高い評価を受けた。「ウィッチャー3」や「フォールアウト4」といった重量級ゲームではやや画質を下げる必要はあるものの、フルHD&中?高画質設定でちょうどよい性能だ。残念なのは、8月に登場したGTX 950が円安の影響も受け、やや割高感のある価格設定なってしまったこと。

 AMDは、Radeon 300シリーズのミドルレンジを一新したが、基本設計据え置きで新鮮味は薄い。

両社ともミドルレンジに新製品投入
新ミドルレンジチップ、GTX 950。性能的にはGTX 750 TiとGTX 960の中間に位置するが、価格はGTX 960寄りになっているのが惜しい
GTX 960対抗製品として2015年終盤に登場したR9 380X。ワットパフォーマンスがかなり向上した点は評価したい
ビデオカードの価格・性能分布図
主なビデオカードの性能と消費電力の比較

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
SSD:Micron Crucial MX200 CT1000MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、1TB)
電源:Corsair RM650(650W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit 版
アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:3DMark v1.5.915のFire Strikeデモ実行中の同一シーンでの最大値

ビデオカード部門の投票結果

 執筆陣による投票では、GTX 980 Ti搭載製品をはじめとするハイエンド製品と「GTX960 GAMING 4G」、「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」などのお買い得感のあるミドルレンジ製品が上位に食い込んだ。ウルトラハイエンドクラスの製品を見ると、Web票は水冷前提の製品に関心が集まり、執筆陣は空冷ハイエンドを推す票が多い、といった志向の違いが出た点も興味深い。

 また、Web投票においては「GTX970-DCMOC-4GD5」や「R9 NANO 4G HBM PCI-E HDMI/TRIPLEDP」などに人気が集まってきているのも注目したいところ。小型フォームファクターでもゲームが楽しめる高性能を、という“自作erの夢”を刺激するおもしろさが受けているのだろう。

・鈴木雅暢はこう見た!
 性能的にはGTX 970がもっともコスパが高い。2014年製品の「STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5」などもオススメ。

・芹澤正芳はこう見た!
 GTX 960は「フルHDまでなら安心」という印象を与えられたのが大きい。R9 390Xは価格が下がれば魅力的な存在。

ビデオカード部門 レコメンド受賞製品

Micro-Star International
GTX 980Ti GAMING 6G

実売価格:86,000円前後
4Kゲーミング環境構築にも最適な1枚

GTX 980 Ti GDDR5 / 6GB / 8ピン×2 / OC
電源や基板は頑強な作り
VRM部に一直線に並んだ10フェーズ分の電源回路が印象的。おなじみMILスペック準拠なので耐久性も手抜きは一切ナシだ。基板裏面はバックプレートで補強済み

 2015年6月に登場したGeForce GTX 980 Tiは、GTX 900シリーズのフラグシップモデル。実売10万円を軽く超える現行GeForceシリーズの最高峰、TITAN Xの廉価版と位置付けられる製品だが、TITAN Xは独自クーラー版がほとんど存在しないのに対し、GTX 980 Tiは独自クーラーを備えたOCモデルが主力で、魅力的な製品が多数登場している。

 なかでもこの「GTX 980Ti GAMING 6G」がゴールドレコメンドに輝いた理由は、MSI自慢の準ファンレスクーラー「Twin Frozr V」の有用性、隙のないていねいな設計、そして何よりもOC版GTX 980 Tiとしては破格とも言える実売価格の安さだ。超OC設定のGTX 980のプレミアムモデルが実売8万円前後という点を考えると、本製品の9万円弱という実売価格はまさに破格。CUDAコア数の増加(2,048基→2,816基)のほかに、ビデオメモリが4GBから6GBに増量、さらにメモリ帯域も384bitと足回りも太い。このため重量級ゲーム、とくにビデオメモリ消費量の多いWQHD?4K環境においてはGTX 980よりも格段によいパフォーマンスが叩き出せる。

 さらにおもしろい要素として、同社のサイトから入手できるツール「Gaming App」を使えばOCしない静音モードやパフォーマンス全開動作のゲーミングモードの切り換えのほか、カード上面のドラゴンロゴの点滅パターンも制御可能になる。コアゲーマーを自認するなら買って損なしの1枚だ。

GTX 980Ti GAMING 6GのGPU-Z

Specification
●コアクロック(ブーストクロック):1.178GHz(1.279GHz)※ OCモード時●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 6GB(384bit)●メモリクロック:7.1GHz ※OCモード時●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI ×1、DVI-I×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16

前述の検証環境で、「ウィッチャー3 ワイルドハント」フィールド上の一定コース移動時を「Fraps」で計測した値を比較

【編集長から】

 高品質ビデオカードメーカーの2強と言えばMSIとASUSTeK。多くのセグメントで競合製品を展開しており購入者は迷うところです。しかし、GeForce GTX 980 Ti搭載カードにおいては本製品でMSIがほかをリードしました。

 間違いなく買って損のない選択です。


ASUSTeK Computer
STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5

実売価格:28,000円前後
ミドルレンジクラス定番中の定番

GTX 960 / GDDR5 2GB / 6ピン×1 / OC

 2015年にデビューしたGeForce系のGPUでもっとも注目されたのは間違いなくGTX 960だろう。TDP120Wという低消費電力設計(GTX 760は170W)に加え、狭いメモリ帯域でも性能を出せるメモリ圧縮機能やHDMI 2.0の実装で話題を呼んだ。そして本製品はブーストクロック1,228MHzのOC版ながら補助電源が6ピン1系統という電源ユニットに優しい設計であること、準ファンレス仕様の高性能クーラー装備という要素が合わさって高い人気を獲得した。

 ASUSTeKブランドの力という側面もあるが、細部にいたるまで隙のない製品作りがシルバーレコメンドの理由と言える。

STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5のGPU-Z

Specification
●コアクロック(ブーストクロック):1.228GHz(1.291GHz)●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 2GB(128bit)●メモリクロック:7.2GHz●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI×1、DVI-I×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16

【選定のポイント】

●しっかり冷えて静かな高性能クーラー搭載
●OC版なのに補助電源は6ピン×1構成


ZOTAC International
GeForce GTX 980 Ti AMP! Extreme(ZT-90505-10P)

実売価格:120,000円前後
ブースト時1,355MHzの超OCモデル

GTX 980 Ti / GDDR5 6GB / 8ピン×2 / OC

 ゴールドレコメンドに輝いた「GTX 980Ti GAMING 6G」に比べるとコストパフォーマンスは劣るが、ブーストクロック1,355MHz(カタログ値)というクロック設定は空冷/簡易水冷含めてもダントツ。さらに軸付近に発生する無風空間を極小化する「EKO」ファンを3基搭載することで大型ヒートシンクを効率よく利用できるのも特徴。これによりゲーム中のGPU温度は60℃〜70℃と低く、長時間安定して使える。

 カード長は32.8cm、3スロット占有という超大型カードであるためPCケースを選ぶが、実際にゲームを遊ぶ上ではリファレンス仕様のTITAN Xよりも性能を出せる究極の1枚だ。

GeForce GTX 980 Ti AMP! Extreme(ZT-90505-10P)のGPU-Z

Specification
●コアクロック(ブーストクロック):1.253GHz(1.355GHz)●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 6GB(384bit)●メモリクロック:7.22GHz●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI×1、DVI-I×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16

【選定のポイント】

●空冷でブースト1,355MHz設定はスゴい!
●超OC設定に見合う激冷えクーラーを装備


【問い合わせ先】

Micro-Star International:web-jp@msi.com(エムエスアイコンピュータージャパン)/ http://jp.msi.com/
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/ http://www.asus.com/jp/
ZOTAC International:03-5215-5650(アスク)/ http://www.zotac.com/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年2月号は2015年12月26日(土)発売】

★総力特集「主要9ジャンル+α 執筆陣の投票で選ばれた買いの製品はどれだ!? PCパーツ100選 2016」
★特別企画「ニューカマー3製品を徹底比較 本当に使える水冷クーラーはこれだ!」「話題作が豊富な今こそ揃えたい 鉄板ゲーミングデバイス 26」「あなたのマイナーニーズを狙い撃ち☆ 「短い」ケーブル&「長い」ケーブル集めました」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「時代を作った名品が月替わりピンナップで!名パーツカレンダー 2016」「パーツの役割や組み立て手順が分かる! 保存版PC 自作スタートブック 2016」(紙版のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

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(AKIBA PC Hotline!編集部)