パワレポ連動企画

高性能・高効率が進む最新ビデオカード事情 ~ビデオカード再入門 その1~

【自作PC再入門(14)】

DOS/V POWER REPORT 2016年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年5月号」の総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」を掲載する。

 第14回目からはビデオカード再入門編がスタート。PCゲームを高解像度で楽しもうと思ったら、なるべく高性能な製品を用意したいところだ。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年5月号は全国書店、ネット通販にて3月29日(火)に発売。総力特集のほか、コストパフォーマンスに優れたCPUクーラー定番のブランドを比較「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」、ここの予算を抑えて別のパーツに回したいのが人情「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」、サービス内容を確認して用途に合ったものを選ぼう「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は2大小冊子。そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!!「即戦力・自作PC作例集」と便利な資料、豆知識、自作カレンダーなどをいつも手元に「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」だ。


-もう一度、PCをイチから作る。-
高性能・高効率が進む最新GPUが主役~ビデオカード再入門 その1~


5年前から中身が大きく変貌!
高性能・高効率が進む最新GPUが主役

ビデオカード再入門 1. ワットパフォーマンス重視に大きく傾注する現在のGPU市場

 GPUはほぼ毎年のように新世代のシリーズに置換されているが、ここ10年で勢力図は大きくNVIDIA優勢に傾いている。AMDは2012年に新アーキテクチャ「Graphics Core Next」(GCN)に移行。その後現在までに、2度のアーキテクチャ更新はあったものの大幅な進化は進んでいない。新メモリ「HBM」(High Bandwidth Memory)の採用というマイルストーン的実績はあったが、それでも情勢を覆すほどの勢いとはならなかった。

 これに対しGeForceはここ2年で大きく進化し、現在のGPU市場やPCゲーミングを盛り上げている。その原動力は、超ハイエンドからミドルレンジまでラインナップを揃えるGeForce 900シリーズにおけるワットパフォーマンスの大幅な向上だ。これにより、上位GPUへ買い換える際に電源の買い換え(=出力アップ)の必要性が低下し、省電力化で実現した準ファンレスクーラーによる静音性アップも期待できる。

2大ブランド現在のGPUラインナップ

【現行GPUのルーツは5~6年前に誕生】

 現行GPUにつながる過去製品は、DirectX 12の基本機能にも対応しているGeForce 400系、Radeon HD 7000系といった5、6年前に登場したシリーズ。

 最新のGPUでは、DirectX 12の各種機能への対応度がより高まり、省電力性能も大きく向上した。Windows 10環境下では現行GPUのほうがよりパワーを絞り出せて電力効率もよく、さらに将来性もあると言える。

GeForce 400番台はパワフルだったが……
ワットパフォーマンスは段違い!
「バトルフィールド3」とほぼ同時期に投入されたGTX 400番台。処理能力重視でワットパフォーマンスはかなり悪かった
GeForce 900番台は内部の微細構造の徹底的な改善を施した結果、ハイエンドでも超静音動作を可能にした歴史的GPUだ

ワットパフォーマンス付加機能用途で製品を選ぶ

 では、下にまとめたベンチマークテストの結果と、市場の動向を頭に入れつつ、ビデオカードの購入や買い換え、あるいは続投について考えてみよう。GeForce系では、前世代のミドルレンジ、GTX 660や760なら、ゲームの種類や画質設定しだいでは現役として使える。ハイエンドクラス(GTX 680や780 Ti)は性能的には十分だが、下取り価格が付く今のうちにワットパフォーマンスや静音性の高い現行製品に乗り換えたほうが総合的な満足度は高いだろう。

 一方のRadeonはHD 7000シリーズから基本設計がほとんど変わっていないため、同クラスへの買い換え(HD 7870→R7 370Xなど)はビデオメモリサイズ以外の性能が大きく変わらない。準ファンレスクーラーや動画再生支援などの付加機能のプラスαがある製品へのステップアップを心掛けたい。

 今年はOculus RiftやHTC ViveといったVRヘッドマウントディスプレイが登場する。VRゲーミングにはGTX 970以上、R9 290やR9 Nano以上といった上位GPUが必要とされる。VRデビューも考えているなら、最新かつ強力なビデオカードを用意しよう。

あなたのビデオカード(GPU)はまだ使える?

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)、AMD A10-7870K(3.7GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)、ASUSTeK A88XM-A(AMD A88X)
メモリ:Micron Crucial BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)、Corsair CMY16GX3M2A2133C11(PC
3-17000 DDR3 SDRAM 8GB×2)
SSD:Micron Crucial MX200 CT1000MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、1TB)
電源:Corsair RM650(650W、80PLUS Gold)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
アイドル時:OS起動10分後の値
高負荷時:3DMark v1.5.915のFire Strikeデモ実行中の同一シーンでの最大値
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年5月号は3月29日(火)発売】

★総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」
★特別企画「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」
★連載「最新自作計画 ~ガラスとLEDで“内部を見せる”マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!! 即戦力・自作PC作例集」「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-03-22-0940.php

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(AKIBA PC Hotline!編集部)