パワレポ連動企画

SSDの最新トレンド ~SSD&HDD再入門 その1~

【自作PC再入門(19)】

DOS/V POWER REPORT 2016年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年5月号」の総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」を掲載する。

 第19回目からはストレージについて現在のトレンドを解説する。まずは低価格化が著しいSSDから説明しよう。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年5月号は全国書店、ネット通販にて3月29日(火)に発売。総力特集のほか、コストパフォーマンスに優れたCPUクーラー定番のブランドを比較「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」、ここの予算を抑えて別のパーツに回したいのが人情「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」、サービス内容を確認して用途に合ったものを選ぼう「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は2大小冊子。そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!!「即戦力・自作PC作例集」と便利な資料、豆知識、自作カレンダーなどをいつも手元に「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」だ。


-もう一度、PCをイチから作る。-
低価格&大容量化と高速化が進むSSD~SSD&HDD再入門 その1~


M.2の普及がターニングポイント
低価格&大容量化と高速化が進むSSD

SSD&HDD再入門 1. 年々低価格化が進行するSSD 2TBモデルも登場

 SSDは、登場以来、着実に低価格化と大容量化を進めてきた。人気に火が付き出した5年前のSSDの価格は、当時主流の120GBモデルで3万円を超えていた。しかし、現在は250GBモデルが1万円強、500GBモデルも2万円強で購入できる。

 大容量化も進んでいる。黎明期は、256GBが最大容量のSSDが多かったが、現在では1TBモデルが普通に用意され、2TBモデルも増えてきた。

 また、初期のSSDは、Serial ATA 2.5接続で最大速度が150MB/sだった。現在では、PCI Express接続の製品も登場し、最大速度は初期の20倍、3,000MB/s近くにおよぶ。SSDの形状もM.2や拡張カードタイプなど多岐にわたっている。

最新パーツ旧パーツとココが違う!

 最新のSSDと5年前のSSDの最大の違いは性能にある。5年前のSSDは、Serial ATA 3.0対応製品が登場したばかりで、最大速度400MB/s程度の製品が主流だった。しかし、最新のSerial ATA 3.0対応SSDは、最大速度500MB/s強の製品ばかりで、製品間の差がほぼない。

 また、旧製品は120GB以上のモデルなら記録速度に差がなかった。これに対して最新のSSDは、500GB以上のモデルが記録速度がもっとも速く、容量が小さいほど遅くなる。

6年前 2010年
現在 2016年
Micron Technology
Crucial RealSSD C300

初のSerial ATA 3.0対応製品として一世を風靡
Micron Technology
Crucial MX200

最大速度は旧製品の約1.5倍に向上
型番Crucial RealSSD C300Crucial MX200
公称最高速度(リード/ライト)355MB/s / 215MB/s555MB/s / 500MB/s
容量ラインナップ64GB/128GB/256GB250GB/500GB/1TB
TBW72TB(全モデル)160TB(500GB)

Serial ATA SSDは耐久性や保証で選ぶ

 最新のSerial ATA接続のSSDは、インターフェースの限界まで速度を向上させており、どの製品を購入しても大きな速度差はない。このため、Serial ATA接続のSSDを購入するときは、容量単価や耐久性、保証期間の長さなどによって選択するとよい。

 通常、価格の高いハイエンドクラスの製品は、耐久性の高さを示す総書き込み容量(TBW:Tera byte written)が70TB以上に設定されているが、エントリークラスの製品は40TB前後の製品が多い。保証期間は、ハイエンドクラスで5年以上、エントリークラスは3年というものが多い。

製品グレードの違いによるSeriarl ATA SSDの速度比較
480GB~1TBモデルの保証期間とGB単価

【検証環境】

CPU:Intel Core i5-6600K(3.5GHz)
マザーボード:ASRock Fatal1ty Z170 Professional Gaming i7(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
システムSSD:CFD 販売 CSSD-S6T256NHG6Q[M.2(PCI Express 2.0 x2)、MLC、256GB]
OS:Windows 10 64bit版

M.2 SSDは規格が混在。速度ならPCI Express接続

M.2のSSDは、見た目がほぼ同じなのでSerial ATA接続かPCI Express接続か判別できない場合が多い。購入時には注意しよう

 現在主流のSSDは、3種類の形状に分類できる。

 一つ目は従来からの2.5インチ形状でSerial ATA接続のSSD。

 二つ目はここ2年ほどで普及が進んできたスティック形状のM.2だ。マザーボード上のスロットに挿すだけで使えると手軽だが、内部接続方式の違いでSerial ATAとPCI Express接続に分かれる。Serial ATA接続のM.2 SSDは、2.5インチSerial ATA接続のSSDと性能差はほとんどないが若干価格が高い。PCI Express接続の製品は、制御仕様の違いでさらにNVMe対応製品とAHCI対応に分かれる。いずれもSerial ATA接続よりも性能が高い点が特徴で、とくにNVMe対応製品は、最大速度3,000MB/s弱を実現し、現状でもっとも高性能だ。

 三つ目は、拡張カードタイプのSSDで、PCI Express接続のNVMe対応製品が登場している。性能的にはM.2のNVMe対応製品と同等だが、放熱性に優れている。ただし、NVMe対応製品は非常に高価で、同容量のSerial ATA接続のSSDの約3倍の価格になる。

接続方式の違いによるM.2 SSDの速度比較

【容量か速度か?】

 大容量のSerial ATA SSDと超高速のNVMe対応SSDでは、どちらを買うか迷うところ。日常用途やゲームではNVMeの速度を体感しにくいので、価格と容量を重視してSerial ATA SSDがオススメ。

 NVMeは動画編集などストレージを酷使するクリエイティブ系のソフトでは効果が見込める。

【Serial ATA SSDのRAIDでNVMe対応SSDに迫れるか】

 圧倒的な性能を誇るNVMe対応のSSD。500GBで5万円強、250GBでも3万円前後という価格の高さはネックになるものの、その速度はSerial ATA接続のSSDをRAID 0構成にしても追い付けない。RAID 0との比較では、シーケンシャルリードでは2.5倍以上、シーケンシャルライトも1.5倍以上の値を出した。速度を重視するならば、現在はNVMe対応のSSDを選ぶのがベストだ。その一方でこの速度差は、今のOSやアプリケーションでは体感しにくい。

 コスト面で見ると、250GBを1万2,000円前後で購入可能なSerial ATA接続のSSDなら、RAID 0構成にしても2万4,000円前後。それで1,000MB/s超えを実現できるのであれば、コストパフォーマンスは悪くない。ただし、RAID 0は構成しているドライブのうち1台が故障するとすべてのデータが読み出せなくなるリスクがある。M.2タイプならNVMeは挿すだけで使えるなど、運用のしやすさでも有利だ。

SATA SSD×2のRAID 0とM.2 NVMe SSDの速度比較

あなたのSSDはまだ使える?

[Text by 北川達也]


DOS/V POWER REPORT 2016年5月号は3月29日(火)発売】

★総力特集「10年前、5年前とはもはや別物! もう一度、PCをイチから作る。」
★特別企画「超ハイコスパブランド品のデスマッチ! サイズ製CPUクーラー最強位決定戦」「このご時世、ここでコストを抑えたい アンダー1万円で探すお買い得電源」「“どれでも一緒”は損します フォトストレージ、どれ使ってる?」
★連載「最新自作計画 ~ガラスとLEDで“内部を見せる”マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「そのままでも、アレンジしても大満足!最新パーツはこう組み合わせろ!! 即戦力・自作PC作例集」「自作手帳2016 Googleカレンダー対応版」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

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(AKIBA PC Hotline!編集部)