パワレポ連動企画

GeForce GTX 980 Ti搭載ビデオカード頂上対決その2
~MSI/ZOTAC編~

【PCパーツ無差別級対決(15)】

DOS/V POWER REPORT 2016年6月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年6月号」の総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」を掲載する。

 第15回目ではGeForce GTX 980 Tiを搭載したMSIとZOTACの製品を解説する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(木)に発売。総力特集のほか、ARMプロセッサを搭載した電子基板をノートPCへ!「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」、PCに足りない機能をガチャンと追加「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」」、使いやすさは健康にも影響する「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録小冊子は新旧のインターフェース規格を解説した「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」。懐かしいものから現在主流の規格、マザーボードには搭載されているのにデバイスが登場しないものまで一挙掲載だ。


-PCパーツ無差別級対決-
GeForce GTX 980 Ti頂上対決 Part2 MSI GTX 980Ti GAMING 6G / ZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extreme(ZT-90505-10P)~ビデオカード編 その2~


第3部
ビデオカード編

 ビデオカードは、同じGPUでもクーラーや基板設計やOC設定のバランスが異なる。

 今回はベンチの数値だけではなく、さまざまな側面から対決させてみたい

Part1 GeForce GTX 980 Ti頂上対決

この対決の見どころ 性能と冷却力のバランス、クロックの推移

■作り込みがスゴイ ASUSTeK STRIX-GTX980TI-DC3OC-6GD5-GAMING

■薄型&ハイコスパ MSI GTX 980Ti GAMING 6G

■極限OC ZOTAC GeForce GTX 980 Ti AMP! Extreme(ZT-90505-10P)

 GeForce GTX 980 Tiは文句なしに現在最速のGPU(2016年4月 原稿執筆時)だ。スペック的にはTITAN Xという上位製品があるものの、冷却に制約(基本リファレンス仕様のみ流通)があるため、ビデオカードのレベルでは独自設計が可能なGTX 980 TiのOC版製品のほうが性能が出しやすい。

 だがGTX 980 Tiカードは発熱量が非常に大きく、OCした状態でもGPU Boostを最高効率で効かせたまま動かすには、しっかりとした冷却機構が必須。ここ数年は強力なクーラーを装備するマザーボード系メーカー製品が人気を集めているが、最近ではZOTACなどがそれらを上回る魅力を持つ製品をリリースしてきている。OCの安定度を確保するために各社がどこまでやるか? がGTX 980 Ti対決で一番の見どころと言える。加えて、温度や使い勝手などのトータルで判断してほしい。

GeForce GTX 980 Ti頂上対決 その2
結局これ買っちゃう!? コスパ最強のGTX 980 Ti

Micro-Star International
GTX 980Ti GAMING 6G

実売価格:87,000円前後

Specification
●GPU:NVIDIA GeForce GTX 980 Ti●コアクロック(ブーストクロック):1.178GHz(1.279GHz)※OC Mode 時●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 6GB(384bit)●メモリクロック:7.096GHz※OC Mode時●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI×1、DVI-D×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16●補助電源コネクタ:8ピン×2

最安クラスの製品でも設計・部材選択は超一流

小ぶりで多くの環境で使える
クーラーの厚みは2スロット、カード面積は277×140mmと、OC版のGTX 980 Tiカードにしては小ぶりな設計。クーラーが薄型なので一般的なZ170マザーでも冷却しやすい

 描画の重いゲームを高解像度&高画質で楽しみたい人はビデオメモリ4GBのGTX 980モデルよりも6GB搭載する「GTX 980Ti GAMING 6G」が向いている。大手メーカー製GTX 980 Tiカードで8万円台半ばで購入できるコストパフォーマンスの高さもポイント。

 強みは同社自慢の「Twin Frozr V」による高い静音性と冷却力だ。クーラーを2スロット厚に抑えているためZ170マザーなどでSLI構成にしてもカード間隔が十分空くため、余裕を持って設置できる。ただGPUコアのOC設定は高負荷時時1,354.2MHz(実測値)と、クーラーの薄さを反映してか多少控えめに設定されている。(加藤勝明)

MSIの冷却技術の集大成
ヒートパイプは直径8mmが4本とシンプルな設計できっちりとした冷却力を確保。安めの実売価格ながら、耐久性重視の部材選択をしている点も大きな魅力だ
3DMark
GPU温度とGPUクロックの推移

【編集部の判定】

 GTX 980 Ti搭載カードの売れ筋No.1はダテではない。よく冷え、かつ静かなクーラーと定評のあるTwin Frozr Vは薄型でもあり、環境を選ばず使うことができる。アイドル時はファンが停止するのもよい。

GeForce GTX 980 Ti頂上対決 その3
GPUパワーに飢えた男たちに贈る究極の1枚

ZOTAC International
GeForce GTX 980 Ti AMP! Extreme(ZT-90505-10P)

実売価格:120,000円前後

Specification
●GPU:NVIDIA GeForce GTX 980 Ti●コアクロック(ブーストクロック):1.253GHz(1.355GHz)●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 6GB(384bit)●メモリクロック:7.22GHz●インターフェース:DisplayPort×3、HDMI×1、DVI-D×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16●補助電源コネクタ:8ピン×2

空冷最速を狙える究極のGTX 980 Ti搭載カード

長さ32cm超の巨大クーラー
MSIやASUSeKと違い、ヒートパイプが横に走るタイプのヒートシンクを採用。パイプは全6本、フィン部分とはていねいにろう付けされているなど、手が込んでいる印象を受ける

 数あるOC版GTX 900シリーズの中でも、確かな冷却力に裏打ちされた強烈なOC設定をウリにした製品。そのまま使ってもTITAN Xをしのぐという強烈な性能だが、付属のOCツール「FireStorm」を使えばさらに強烈な設定が楽しめる。OCモードは「2D/3D/3D+」の3段階の簡易設定があり、ブーストクロックはおのおの1,385/1,405/1,425MHzに設定される。ツール未導入時は1,355MHzに抑えられているため、ツールでOCしてこそ真の性能が味わえる。3D+モードでゲームをしてもGPU温度は70℃以下という冷却力は頼もしい。

 実売価格は売れ筋のMSI製GTX 980 Tiカードを3万円以上も上回り、3スロットを占有するため使い手はかなり選ばれる。しかしGPUパワーを渇望するゲーマーには究極の1枚と言えるだろう。(加藤勝明)

軸付近にも風を送る構造
ファンの軸付近は気流がほとんど得られないため、各社ブレード形状に工夫をしているが、ZOTACは軸側を2枚歯状にして解決。もちろん低温時はファンが停止する準ファンレス仕様だ
3DMark
GPU温度とGPUクロックの推移

【編集部の判定】

 シングルビデオカードでは現状最速クラス。マルチGPUには向かないが、単体利用が前提と考えれば問題ない。3スロットの分、冷却性能も抜群で、ゲーミングPCの心臓としてなんとも頼りになる製品だ。

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
SSD:Micron Crucial MX200 CT1000MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、1TB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
GPU温度とGPUクロックの推移:ライズ・オブ・トゥームレイダーをプレイ状態のまま30分放置した際のGPU温度とGPUクロックの推移を「HWiNFO64 v5.21」で計測

【問い合わせ先】

Micro-Star International:web-jp@msi.com(エムエスアイコンピュータージャパン)/http://jp.msi.com/
ZOTAC International:03-5215-5650(アスク)/http://www.zotac.com/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】

★総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」
★特別企画「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」
★連載「最新自作計画 ~最新AMD CPUで作るお手頃メインPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-04-22-0000.php

【電子販売ショップ】

(AKIBA PC Hotline!編集部)