石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

『スイカゲーム』がついにPCで遊べる!同時発売の『スイカゲーム ぷらねっと』との2本バンドルで388円

 3年ほど前に突如話題になった落ちものパズルゲーム『スイカゲーム』、および派生タイトルの『スイカゲーム ぷらねっと』が、7月27日にSteamで配信を開始した。価格は各240円で、両作品のバンドル版は19%OFFの388円。

 『スイカゲーム』のPC版について、筆者は流行が見られた当時に調べている。既にコピー作品が山のようにあったが、本家Aladdin Xが出したものはまだ存在しなかった。

 その後、Nintendo SwitchやPlayStation 5、スマートフォン向けに、Aladdin Xによる公式版の提供が開始。さらに『スイカゲーム ぷらねっと』という新作も登場した。しかしPC版がなかなか登場せず、今回ようやく発売された。改めてどんなゲームなのか見ていこう。

フルーツを合体させて育てる落ちものパズル

『スイカゲーム』

 まずは『スイカゲーム』から。透明な四角い入れ物が用意されており、その中に上からフルーツを1つずつ落としていく。同じフルーツが接触すると合体して、1段階大きなフルーツに変化。これを繰り返し、より大きなフルーツを作るのが目的。最大のフルーツはスイカだ。

 フルーツは勝手に落ちてくるのではなく、ユーザーが好きなタイミングで、左右の移動をしてから好きな場所に落とせる。「テトリス」などの落ちものパズルゲームは、1つ置くと次が勝手に落ちてくる忙しさがあるが、本作は制限時間もなく、ゆっくり遊べる。ルールも極めてシンプルで、誰もが一目見れば理解できる内容だ。

上からただフルーツを落とすだけというシンプルな操作

 ゲームシステムはわかりやすいが、ゲームが簡単なわけではない。フルーツは上から落とすことしかできず、落ちた後のフルーツには触れない。同じフルーツにぶつけて合体させたいのに、他のフルーツが邪魔して当てられなかったり、微妙な位置のズレで当てられないことも多い。

 そうしてフルーツがどんどん溜まっていき、箱の上限までフルーツが達してしまうとゲームオーバー。最初はとても簡単なのだが、フルーツの合体が進むと1個1個のサイズが大きくなるうえ、種類が増えて合体させにくくなる。最後のスイカを作るのはかなり難しく、その絶妙なバランスもうまくできている。

フルーツが大きくなり、種類が増えると急に難しくなる

 また本作の面白いところは、フルーツの挙動に物理演算を採用していること。フルーツ同士が接触すると、その勢いによってお互いに弾かれる。フルーツ同士が接触している部分は、非常に摩擦係数が少ないようで、ツルツルというかヌルヌルというか、フルーツたちがゆっくりと動いたり回転したりする。その微妙な動きを待つのもゲームの攻略であり、映像が停止しない演出でユーザーを飽きさせない役割も果たしている。

 フルーツが合体する時には、一瞬弾けるような挙動が起こる。その際、接触していたフルーツの位置が悪いと、上に吹っ飛んでいくことがある。それが箱の外に飛び出した瞬間にゲームオーバーになるという、先の読めない理不尽さもある。

 シンプルなのに思い通りにいかないことが多く、スイカができそうでできないので、完成するまでやめられないほど夢中にさせる魅力がある。単純なゲームに見えて、絶妙なゲームデザインがなされているなと感じる。

フルーツがちょっとでもはみ出したら終了。思わぬところではじけ飛ぶ理不尽さも笑える

360度どこからでもフルーツを落とせる派生タイトル

『スイカゲーム ぷらねっと』

 もう1つの『スイカゲーム ぷらねっと』も、フルーツを合体させてスイカまで育てるという目的は同じ。ただしフィールドが丸い水の球のような形状になっており、360度どこからでもフルーツを落とせる。

 球の中心に向かって重力があり、落としたフルーツは中心に寄っていく。ただ、決まった方向ばかりフルーツを置いていると、そこだけフルーツが積み上がって、星の外に出てしまう。フルーツが星の外に出た状態で一定時間が経過すると、ゲームオーバーとなる。『スイカゲーム』は少しでもはみ出ると即終了だったことを思えば良心的にはなった。

フィールドが丸くなり、どこからでもフルーツを落とせる。球の形状から少し出た部分は、球が膨らんで少しはカバーしてくれる

 こちらも大きなフルーツを作っていく難しさは変わらない。うまく同じフルーツが合体するように場所を考えないといけないのは同じだが、上から下への一方向ではなく、360度どこからでも動かせるので、意外な角度からフルーツを差し込めたりして戦略性が高まったように感じる。

球のどこかからはみ出すぎると、ゲームオーバーのカウントダウンが始まる

 『スイカゲーム』はもともとAladdin Xのプロジェクターに搭載されたミニゲームで、それを他のゲームプラットフォームに移植したものだった。『スイカゲーム ぷらねっと』は最初から家庭用ゲーム機に向けて開発されたものなので、ちょっと凝った演出やストーリーも導入されている。

前作にはなかった舞台設定も追加された

 ゲームの要素としては、一定量のフルーツを合体(ゲーム内容的にはシンカと呼ばれる)すると、「超シンカタイム」が始まる。この状態で合体させるとスコアボーナスが得られ、連続して合体させ続けることで「超シンカタイム」を延長できる。素早い操作でより高いスコアを狙うというアクション性も導入されたわけだ。なおスコアボーナス以外のメリットやデメリットはないので、気にせずのんびりプレイしても構わない。

「超シンカタイム」でスコア稼ぎができる。ただし焦ってミスしないよう注意

マウス非対応なのが惜しい

 どちらも2Dグラフィックスなので、PCの要求スペックはかなり低い。Windows 11が動作するPCならば、ほぼ問題なく遊べるだろう。

 操作はゲームパッドとキーボードには対応しているが、マウス操作には非対応。どちらもマウスカーソルを使った操作ができる方が遊びやすそうなのだが、家庭用ゲーム機版をベースに移植したようで、マウス操作が含まれていないようだ。レビューを見ると「マウスに対応して欲しい」という声であふれている。さもありなん。

 またSwitch版では有料の追加コンテンツとして提供されている対戦モードは、今のところ用意されておらず、発表もされていない。Steam版はシングルプレイのみとなっている。

 価格はSwitch版と同じだが、2タイトルのバンドル版があるのですこしお得。家庭用ゲーム機ではなくPCで遊びたいという方には、気軽に買えていいのではないかと思う。実際、今遊んでもやっぱり手軽で面白く、軽く時間が溶けていく感覚がある。

世界ランキングも用意されている。1つでも上の順位を目指そう……と夢中になり過ぎないようご注意を
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜で連載『石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』』(AKIBA PC Hotline!に移動)、『使ってわかるCopilot+ PC』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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 PCゲームに関する話題をコラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。