パワレポ連動企画
新顔Mini-ITXケース対決その1 ~Fractal Design編~
【PCパーツ無差別級対決(24)】
(2016/5/19 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年6月号」の総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」を掲載する。
第24回目からは拡張性を兼ね備えたMini-ITXケースの対決だ。拡張性とパーツ選択の自由度が高い分、Mini-ITXとしてはちょっと大きめなものもあるが、用途を絞ること無く小型PCを作ることが出来る点が魅力だ。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(木)に発売。総力特集のほか、ARMプロセッサを搭載した電子基板をノートPCへ!「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」、PCに足りない機能をガチャンと追加「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」」、使いやすさは健康にも影響する「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録小冊子は新旧のインターフェース規格を解説した「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」。懐かしいものから現在主流の規格、マザーボードには搭載されているのにデバイスが登場しないものまで一挙掲載だ。
-PCパーツ無差別級対決-
新顔Mini-ITXケース対決 part1 Fractal Design Define Nano S Window~PCケース編 その3~
第5部
PCケース編
必要性の薄れた5インチベイを省略することで「自由」を手に入れたATXケースと、圧倒的な拡張性で利用範囲を広げたMini-ITXケースに注目。
Part2 新顔Mini-ITXケース対決
Mini-ITXの枠を超えた拡張性と可能性
■ATXの王道をダウンサイジング Fractal Design Define Nano S Window
■小型の本流 NCASE M1 Version 5
■本格的に拡張するなら NZXT Manta
Mini-ITXと言えば、性能の低いサブマシンを作るためのフォームファクターと考えているユーザーはまだ多いだろう。
しかし、もうそんな古い考えは捨て去るべきだ。最新チップセットを搭載するMini-ITX対応マザーボードが数多く登場しているし、チップセット自体の機能が強化されたことで、拡張カードを複数装備する必要性も減った。PCケース自体の拡張性や機能性も向上している。
このセクションで取り上げた3製品は、いずれも大型CPUクーラーやビデオカードを組み込める上、パーツ選択の自由度が非常に高いMini-ITX対応PCケースだ。サイズが大きめのタイプは組み込み作業もしやすく、裏面配線を利用してケーブルを美しく整理することもできる。本格水冷システムを内蔵できるものもある。こうした小型ケースで、「本気のメインPC」を作ろう。
新顔Mini-ITXケース対決 その1
ド定番ATXケースのMini-ITX版が来た!
■Fractal Design
Define Nano S Window
実売価格:12,000円前後
Specification
●規格:Mini-ITX●タイプ:静音性重視●裏面配線:対応●カラー:ブラック●付属電源:なし●ベイ:3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×2●対応するCPUクーラーの高さ:最大160mm●標準搭載ファン:14cm角×1(前面)、12cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:14/12cm角×1(前面)、14/12cm角×2(天板)、12cm角×1(底面)●本体サイズ(W×D×H):203×412×344mm●重量:4.6kg
組み込みを便利にするギミックを満載 大型だからこそのメリットにも注目
防音材を貼った前面パネルや側板を採用し、密閉性の高い構造で静音性を重視するPCケースの代表格である「Define」シリーズのMini-ITX版とも言えるPCケースだ。
5インチベイを搭載しないため、前面パネルは扉ではない。そして大きく空いた前方のスペースを利用し、14cm角の大型ファンや、28cmクラスの水冷用ラジエータ、さらには本格水冷で利用するポンプやリザーブタンクなどを内蔵できる。
天板のファンマウンタは、1枚のプラスチックカバーで覆われている。PCケース内部のフックを外すことで開放でき、ここには2基の14/12cm角ファンや、24cmクラスの水冷ラジエータを組み込める。
マザーボード裏面のスペースは、マザーボード側が実測値で約2cm、前面側はややくぼんでおり約3cm確保している。このくぼんだスペースを使って、余った電源ケーブルを整理できる。面ファスナーで、ケーブルをまとめることもできる。こうした構造やケーブルをまとめるための工夫は、ベストセラーである「Define R5」によく似ている。
Mini-ITX対応PCケースとしてはやや大型なのは事実だが、その分組み込みやすく、初心者に向いている。またMini-ITXの枠を超えた高い拡張性は、上級者にとっても魅力的に映るはずだ。
回転数を調整すればアイドル時の動作音は極小
基本構造が静音性重視だけあって、ファンの回転数を調整すれば、アイドル時はかなり静かだ。筐体に耳を近付けても、ほとんど音は聞こえてこない。CPU温度は低いので安心感があるが、GPU温度は高い。組み立てたときに気になったが、電源ユニットとビデオカードの距離が近過ぎるためだろう。
【編集部の判定】
大型Mini-ITXケースにまた一つ有力な選択肢が登場した。Defineの系譜に連なるだけあって、標準状態での動作音は無音に近く、その上多彩なファンアレンジも楽しめる。
Defineシリーズのユーザーならずとも注目だ。
【検証環境】
CPU:Intel Core i5-6600K(3.5GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170I PRO GAMING(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial CT8G4DFD8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×2)
ビデオカード:MSI GeForce GTX 970 GAMING 4G(NVIDIA GeForce GTX 970)
SSD:Micron Crucial MX200 SSD CT500MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、500GB)
電源:Corsair RM550x(550W、ATX、80PLUS Gold)
CPUクーラー:サイズ 兜2(トップフロー、12cm角ファン)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
室温:21.1℃
アイドル時:OS起動10分後の値
高負荷時:OCCT 4.4.2 POWER SUPPLYテストを10分間動作させたときの最大値
各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.28で、CPUはCPU TemperaturesのPackage、GPUはGPU Temperaturesの値、ケースファンは「Fan Xpert 3」に接続してフル回転、および「標準」
【問い合わせ先】
Fractal Design:03-5215-5650(アスク)/http://www.fractal-design.jp/
[Text by 竹内亮介]
【DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】
★総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」
★特別企画「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」
★連載「最新自作計画 ~最新AMD CPUで作るお手頃メインPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-04-22-0000.php
【電子販売ショップ】