パワレポ連動企画
新世代ケースで作った低価格マシン
【見せるぜ!俺のメインマシン(4)】
(2015/3/9 12:05)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年4月号」の第一特集「見せるぜ!俺のメインマシン」を掲載する。
今回紹介するのはDOS/V POWER REPORT執筆陣が作成した「俺のメインマシン」の三台目。これまで紹介した万能型のメインマシンとは異なり、仕事に使用することを主目的とした低価格でシンプルな構成のPCだ。
自作PCは用途別にシンプルな構成で組むという制作者のポリシーに則った、動作の安定性やメンテナンス性に重点を置いた割り切りのいい構成は、似たようなPCの作成を考えている読者の面々には参考となるだろう。また、拡張の余地は十分にあるので、ここから用途に応じてパーツを追加していくのも手だ。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年4月号は全国書店、ネット通販にて絶賛発売中。特集記事は今回掲載している第一特集のほか、最近手が届く価格まで下がってきた4K対応製品や、高度な3Dゲーム対応製品など、ポストフルHDをにらむ液晶ディスプレイを解説した「新世代液晶ディスプレイ一斉テスト」や、5インチベイに光学ドライブ内蔵という考えはもう古いのか!?「外付け&スリムベイ内蔵光学ドライブ14」、ミドルレンジGPU期待の新製品を解説する 「ついに登場!! NVIDIA GeForce GTX 960」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は売れ筋から最新Titaniumモデルまで解説した「電源大図鑑37」。自作において、電源は絶対に軽視してはいけない。出力ワット数だけでなく、コネクタの数や寸法も要チェックだ。
- 見せるぜ!俺のメインマシン -
常用PCの最新型は一つじゃない!!
DOS/V POWER REPORT本誌執筆陣7名が競作(3)
新世代ケースで作った低価格マシン
第三弾担当:竹内亮介
PCケースやCPUクーラーのレビューを担当することが多い、小型PCケースのマニア。パーツのコストパフォーマンスにも敏感で、多少型落ち気味のパーツでも、オトク感があれば積極的に買う。
日々のメンテナンスを重視するので、どんな目的の構成であってもPCケースを最初に決める。
自作PCは、用途別にシンプルな構成で組み上げる。これが私の哲学である。複数の用途を1台にまとめると、アプリの管理や再インストールがめんどうになるからだ。当然、仕事場に置くメインPCもシンプルになる。
ただし利用時間はもっとも長くなるので、静かで安定動作することや、普段の清掃やメンテナンスが楽で、最善の性能を発揮し続けられることが重要になる。必要以上にコストをかける気はないものの、ここにはこだわりたい。一方で、行なう作業はWebブラウザでの情報収集や原稿執筆が中心なので、CPUなどのグレードは低くても大丈夫だ。
メンテナンスしやすいPCケースは長く付き合える相棒になる
低価格なPCケースの多くは、内部構造が古くさくて選びにくい。そのためピンと来るモデルをなかなか見付けられなかったのだが、秋葉原を取材中に偶然見付けたのが、この「S340 White」だ。
最大の特徴は、5インチベイを排除して、そのエリアを自由に使えるようにしていることだ。14/12cm角ファンを増設して冷却を強化してもよいし、大型のビデオカードを搭載してゲームPCにしてもよい。
内部が広いためメンテナンスも容易であり、低価格ながら長く付き合っていけそうなPCケースである
CPUパワーはCore i3でも十分、Quick Sync Videoが便利
Core i3シリーズは、2コア4スレッド実行に対応する低価格帯のCPUだが、一般的な用途には十分な性能を持ち合わせている。実際、Windows 8.1の利用でウィンドウを移動したり、スクロールや画面切り換えをしたりしても不満を感じる場面はない。フルHDの動画再生でもたつくこともない。
旅行先に持っていくタブレットで動画を見ることも多いのだが、それにはQuick SyncVideoによる動画エンコード支援機能が役に立つ。もっと安いPentiumシリーズでもQuick Sync Videoは利用できるが、実は処理時間が約2倍かかる。Core i3のQuick Sync Videoなら、Core i7のQuick Sync Videoとほぼ同じ時間で作業が終了する。
オーバークロックはしないのでスタンダードなH97マザーを選択
CPUはCore i3を定格で利用する。条件がこれだけなのであれば、Intel B85やH81をチップセットとして採用する本当のローエンドマザーがぴったりのようにも思える。
しかし個人的には、フルHD解像度の液晶ディスプレイを2台組み合わせたデスクトッH81搭載のマザーボードでは、デジタル2系統で液晶ディスプレイと接続できるモデルが少ない。
今回は、Intel H97を搭載するGIGABYTEの「GA-H97-D3H(rev 1.0)」を選択した。M.2スロットやSATA Expressポートを搭載しており、将来、高速なSSDにアップグレードしたくなっても対応できる。
大容量ファイルはサーバーへ
PCには直近のデータのみ保存
ストレージは、コストパフォーマンスに優れたMicronの「Crucial BX100 CT250BX100SSD1」を1台組み込んだ。HDDは組み込まず、SSDのみで運用する。
メインPCとして考えると、250GBはちょっともの足りないのでは?と感じるユーザーもいるかもしれない。しかし過去の膨大な仕事用ファイルは事務所に置いたサーバーで、そして直近のファイルはクラウドと同期して管理している。メインPCに大容量ファイルをそのまま保存しておく必要はないので、250GBでも十分なのだ。
動作音が気になるならファンをマザーボードに接続して調整
個人的には、これまで組んだ中で一、二を争うほどの美しい裏面配線の完成度に満足していた。しかし背面と天板のファンは、裏面の分岐ケーブル経由で電源ユニットに直結されており、ケースファンは常にフル回転。そのため動作音が少々気になる。
そこで、ケースファンのコネクタをマザーボードに接続し、Windows上のユーティリティで調整することにした。Intel 9シリーズを搭載するGA-H97-D3H(rev1.0)では、システム状態を確認できる「System Information Viewer」から、ファンごとに細かく動作モードを変更することが可能だ。
今回はもっとも一般的なプリセット「スタンダード」で2基のケースファンやCPUファンを制御してみた。すると、CPU温度は4℃上昇したが、動作音はかなり小さくなった。40cmも離れれば気にならなくなる。
竹内亮介が提案する活用&拡張プラン
テレビチューナーカードとHDDを増設、4チャンネル同時録画にチャレンジ
ローコストながら、なかなか使い勝手のよいPCに仕上がった今回のマシン。自作PCならではの拡張プランとして、テレビチューナーとHDDの増設をオススメしたい。
BDレコーダと液晶テレビでも同じことはできるが、自作PCには「拡張」の余地がある。ユーティリティが許す限り、という制限はあるものの、必要に応じて同時録画できるチューナー数を増やしたり、足りなくなった録画領域を増やしたりできるのは、自作PCならではだ。
ここではアイ・オー・データ機器のテレビチューナーカード「GV-MVP/XS3W」と、Western DigitalのHDD「WD Green WD 30EZRX-1TBP」を2台ずつ増設し、6TBの領域に4番組を同時録画できるAV PCに仕立ててみた。1枚目のテレビチューナーカードの導入時には、ドライバやユーティリティのインストールが必要だが、2枚目はカードをPCIExpressスロットに挿すだけでよい。
CPUがCore i3-4160なので、同時録画時のCPU負荷がちょっと不安だったが、実際に試してみると4番組の同時録画でも5%前後だ。ハードウェアエンコードなので、システムへの負荷は低いのだろう。
ビデオカードを追加してゲームPCに
内部が広くて自由度の高いPCケースなので、ビデオカードを追加してゲームPCとして使うのもよい。今回はほかのパーツとのバランスを取り、アッパーミドルの「GeForceGTX 960」を搭載するASUSTeKの「STRIXGTX960-DC2OC-2GD5」を増設した。
実際の結果を見れば一目瞭然だが、CPU内蔵GPUとは比較にならないほど描画性能が向上した。とくに描画の負荷が高い状況での性能は10倍にも達し、ゲームPCとしての適性が大きく向上する。また、ビデオカードを追加することで、次の場面に移動する際の待ち時間も短くなった。
CPUクーラーを追加してCPU温度を低く抑える
マザーボードのファンコントロール機能でケースファンを制御することで、かなり静かにPCを利用できるようにはなった。しかしCPU温度は70℃後半まで上昇しており、個人的にはもう少し低い温度で運用したくなる。そこでさらに、CPUクーラーをサイズの「虎徹」に換装して検証を行なった。
結果は下のグラフのとおりだが、CPU温度は心配する必要がまったくないレベルまで低下した。動作音に関しては、付属CPUクーラーのときは低回転で動作していても低い風切り音が気になったが、虎徹では内部からの音漏れはほぼなくなり、非常に静かだ。
【共通ベンチマーク条件】
OS:Windows 8.1 Pro 64bit版、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.1 POWER SUPPLYを10分間実行中の最大値、電力計:Electric Educatinal Devices Watts Up? PRO
【使用パーツ問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
GIGA-BYTE TECHNOLOGY:050-3786-9585(CFD販売)/ http://www.gigabyte.jp/
CFD販売:-/ http://www.cfd.co.jp/
Micron Technology:-/ http://www.crucial.com/
NZXT:Webサイトのフォームから(タイムリー:http://www.timely.ne.jp)/ http://www.nzxt.com/
サイズ:support@scythe.co.jp / http://www.scythe.co.jp/
アイ・オー・データ機器:0120-777-618 / http://www.iodata.jp/
Western Digital:0120-994-120 / http://www.wdc.com/jp/
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/ http://www.asus.com/jp/
【DOS/V POWER REPORT 2015年4月号は2015年2月28日(土)発売】
★第一特集「見せるぜ!俺のメインマシン」
★第二特集「新世代液晶ディスプレイ一斉テスト」
★特別企画「ついに登場!! NVIDIA GeForce GTX 960」「外付け&スリムベイ内蔵光学ドライブ14 選」「趣味系SNSにどっぷりハマる!」
★連載「最新自作計画」「POWER REPORT PLUS」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 特別付録小冊子「電源大図鑑37」(紙版のみ別途付録、電子版では本誌末尾に収録)
★ 電子版は割安な税別926円
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2014-12-26-1549.php
【電子販売ショップ】
- Impress Japan(PDFで購入可能)
- http://book.impress.co.jp/books/1114110114
- Amazon.co.jp (Kindle版)
- http://www.amazon.co.jp/dp/B00U0Z2TPY/impresswatch-14-22/
- Newsstand
- https://itunes.apple.com/jp/app/dos-v-power-report/id877524169?mt=8
- Google Play
- https://play.google.com/store/books/details?id=7b5YBgAAQBAJ
- 楽天kobo
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- 雑誌オンライン
- http://www.zasshi-online.com/Magazine/ProductDetail/?page=1&dcode=dosvpowerreport5150129
- 富士山マガジン
- http://www.fujisan.co.jp/product/1879/
- honto
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- マガストア
- http://www.magastore.jp/
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