パワレポ連動企画
必見!! 小型PC自作テクニック集
【必ず満足!小型PC自作最前線(12)】
(2015/5/13 17:03)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、今回より「2015年6月号」の総力特集「必ず満足!小型PC自作最前線」を掲載する。
これまではパーツ選びのポイントを解説してきた。今回からは実際の組み立てにあたってのテクニックを紹介する。サイズの小さいmicroATXやMini-ITXでは、組み立てにもATXを扱うのとは異なるセオリーとテクニックが必要となる。ここではそれらを解説していく。
本記事の終盤にてブータブルUSBメモリを作成し、OSのインストールを行う方法を紹介しているが、これについては以前紹介した「保存版 PC自作マニュアル 2015(13) Win 8.1インストール用ブータブルUSBメモリを作る 」に詳しい方法が記載されているので、そちらも合わせて参考にして欲しい。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(火)に発売。60ページを超えるボリュームでお届けする総力特集「必ず満足!小型PC自作最前線」のほか、同じUSB3.0対応製品なのに性能が違う!「買って得するUSB 3.0メモリはコレだ!」、登場したのは数年前だけど、あっという間に一大勢力となったアイテムを紹介!「簡易水冷クーラーカタログ」、やっぱり体が資本!最新パーツだけでなく自分の健康にも投資するべき!!「つらい目・肩・腰に効く! PC向けデスクチェアを新調せよ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は、「新しいPC作ったら、OSも新しいものを使いたい!」という新しいもの好きにお勧めする「今スグ使える!Windows 10 Technical Preview かんたん解読書」。Windows 10 Technical Previewインストール方法や、機能について大解説。「夏の正式リリースまで待てない!」というせっかちな読者の面々には見逃せない一冊だ。
- 必ず満足!小型PC自作最前線 -
必見!! 小型PC自作テクニック集
コレを知れば困らない
必見!! 小型PC自作テクニック集
小型PCの自作では、一般的な組み立てとは異なるセオリーとテクニックがある。ここでは、PCの自作に慣れた人でも陥りやすいトラブルとその対策を中心に、知っておきたいことを紹介する。
ケースをばらして下から組む込む
小型PC、とくにMini-ITXケースでは、その内部スペースの狭さゆえに、一般的なPC自作のセオリーが通じない場面がある。
その代表的なものの一つが、「ケースは完全にバラして作業する」ことだ。ATXや一般的なサイズのmicroATXのケースでは、両側面のパネルを外せば、パーツの組み込みで困ることはないが、Mini-ITXケースでは、マザーボードの設置からケーブルの接続まで、限られたスペースに手を入れて作業することになる。そのため、ケースは全部開けて作業をしたほうが、効率がよく、失敗も少ない。
もう一つが、「ケースの下側からパーツを組み込む」ことだ。Mini-ITXケースでは、パーツ同士の間が数ミリしかない、という場合もあるだけに、ケースの下側に来るパーツから固定していかないと、うまく収まらないことが多い。すべてのケースで当てはまるわけではないが、どのパーツから組み込む必要があるかは、マニュアルなどで事前にしっかり確認しておこう。
ケーブル類の接続はケースによって難易度が異なる
ケーブル接続は、マザーボード側に先に挿し込むのが基本。パーツを組み込んでからだと、マザーボードのコネクタ類が隠れてしまうことが多いためだ。スイッチ類はもちろん、Serial ATAのケーブルも先に付けておいたほうが作業しやすい。
ケーブル接続の難易度はケースによって大きく異なる。簡単なのは、側面と天板の両方が開くタイプ。どこからでも手を入れられるので、スムーズにケーブル類を接続できる。ケース選びでは、どこが開くかもポイントだ。
逆に厳しいのは、側面しか開かず、内部も狭いパターン。手を入れるのが難しいため、マザーボードをケースに入れる前にケーブルを接続するなど工夫が必要だ。コンパクトさを重視する場合は、配線の苦労は覚悟しておこう。
ショップの交換保証を活用する
Mini-ITXマザーボードとケースを使用した組み立てでは、CPUクーラー、ビデオカード、電源などの対応サイズを事前に確認していても、実際には組み込めない、なんとか組み込めてもパーツ同士が当たるといったことが起きやすい。そのため、購入時には不安が付き物だが、それを回避する「パーツ交換保証」サービスを行なっているショップが存在している。多くの場合は有料、交換は1回限りだが、リスク回避には非常に有効だ。交換の対象は、ショップで購入したパーツならどれでも、ということが多い。
ただし、保証期間や送料の負担などは、ショップによって異なる。パーツや付属品を破損、紛失した場合は対象外だ。
ツクモの交換保証は購入時に加入する(店舗、ネットショップとも対応)。加入料は価格が1万円未満のパーツで540円、それ以降は1万円ごとに540円ずつ加入料がアップする。高く感じるかもしれないが、組み込めないというトラブル以外にも、性能に不満があるといった内容でも交換が可能と保証対象が幅広い。保証期間は購入日より1カ月。
このほか、PC DEPOTやPCワンズなどでもパーツの交換サービスを展開している
ケーブルの取り回しには注意を払おう
PCの自作において、ケーブルがCPUクーラーやケースのファンに引っかかり、回転できずに温度上昇といったトラブルにつながるのは、よくある失敗例の一つだ。とくに冷却力を高めるために、複数のケースファンを備えているケースではなおさらだ。ケース内部のケーブルはエアフローを確保する意味でもキレイに整理することは重要だが、Mini-ITXケースでは、ファンと干渉していないか確認するクセをつけよう。
とくにストレージ用ベイが分離できるタイプは、ベイを戻すときにケーブルが引っ張られたり、押されたりしてケースファンに引っかかることが多い。
ケーブルをまとめる方法は、シンプルだが結束バンドや面ファスナーが有効だ。どちらも100円ショップで購入できる。細いケーブルはフレームに沿わせて結束バンドで固定、ATX24ピンの電源ケーブルなど太いものは面ファスナーで固定し、使っていないベイの隙間などにうまく逃がそう。ちょっとした工夫でケーブルは簡単にまとめられる。
延長ケーブルや分岐ケーブルを活用
Mini-ITXケースなど、内部スペースの狭い小型PCでは、ケーブルの接続に苦労する。とくに大型のCPUクーラーを使用するときは、手を入れるのが難しい。それを解決してくれるのが、延長ケーブルだ。なかでもCPUソケットの近くにあるATX/EPS12Vコネクタは、接続が難しくなりやすいので、延長ケーブルをあらかじめマザーボード側に挿し込んでおくと、組み立てが楽になる。
また、小型のマザーボードはファン用電源コネクタが少なく、複数のケースファンを備えるケースとの組み合わせでは、不足することがある。この問題は分岐ケーブルや変換ケーブルで解決しよう。手軽なのは、マザーボードのファン用電源コネクタを二つに分岐するケーブルだ。小型PCでは取り付け可能なストレージの数が少ないので、余りがちなSerial ATA電源コネクタをファン用電源コネクタに変換するケーブルを使うのもよい。
あえて短いケーブルを使うことでよぶんなケーブル長を減らすのもテクニックの一つだ。
小型PCこそソフトウェア制御のファンコントロールを使え!
小型PCは内部スペースの狭さからパーツが密集しやすい。その中で冷却力を確保するためにファンの回転数が高くなり、騒音は大きくなりがちだ。一方で、省電力化が進んだ最近のパーツは、負荷が小さい状態では、そこまで熱の処理を気にしなくてもよい。
となると静音化においてはファンコントロールの重要性が増してくる。そして、ぜひ活用したいのが、ソフトウェアで制御するマザーボードのファンコントロール機能だ。UEFIの設定画面やWindows上で動作する専用のユーティリティで制御できる。なかでもASUSTeKの「Fan Xpert 3」は強力だ。専用のユーティリティで「サイレント」や「標準」など、あらかじめ用意されているプリセットを選ぶだけで、温度に合わせて自動的にファンの回転数を制御する。ファンコントローラーを組みにくい小型PCこそ使いたい機能だ。
標準設定でも高負荷にならない限りは、ほとんどファンの音が聞こえないほど静かになる。サイレント設定ではより静かになるが、高負荷時のCPU温度はやや高め。3Dゲームのプレイなど、長時間負荷がかかる場合は標準設定のほうが安心だ。
OSインストール時の光学ドライブは……
小型PCのケースは光学ドライブを搭載できないことが多く、OSのイントールメディアがDVDの場合、困ってしまう。簡単な解決方法は、USB接続の外付け光学ドライブを用意することだが、もし内蔵型の光学ドライブを持っている場合は、OSのインストールのときだけケースの側面パネルを外し、むき出しの状態で接続するという手もある。見た目はあまりよくないが、OSをインストールするときだけなので問題はない。
Windowsインストール用のUSBメモリを作る方法もある。MicrosoftのWebサイトの「Windows 8.1用のインストールメディア作成ページ」からツールをダウンロードすることで作成が可能。作成したUSBメモリは、Windows 8/8.1 DPS版やWindows 8アップグレード版など、さまざまなバージョンのプロダクトキーで使用できるのが便利だ。
【問い合わせ先】
アイネックス:042-467-7676 / http://www.ainex.jp/
[Text by 芹澤正芳]
【DOS/V POWER REPORT 2015年6月号は2015年4月28日(火)発売】
★総力特集「必ず満足!小型PC自作最前線」
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