パワレポ連動企画

OSの在り方を変えるWindows 10 ~概要からインストールまで~

【即効! Windows 10×PC自作(1)】

DOS/V POWER REPORT 2015年9月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年9月号」の第一特集「新OSがあなたのマシンを変える 即効!Windows 10 × PC自作」を掲載する。なお、9月号は7月29日(水)発売予定だが、今回は一足早くお届けする。

 第一回目となる今回は、Windows 10の概要や、Insider Preview版でのインストールプロセスを紹介する。なお、本特集に使われているWindows 10の画像は、すべてWindows 10 Insider Preview ビルド10240のものとなっているので、あらかじめご了承いただきたい。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年9月号は全国書店、ネット通販にて7月29日(水)に発売予定。ついに発売されるWindows 10を解説した第一特集のほか、頻繁に買い換えるものではない電源ユニット、カタログや口コミだけでは分からない部分を徹底解析する第二特集「出力だけじゃない! 効率だけじゃない! 2年後に後悔しない電源」、二次元世界の嫁の写真(イラスト)もきれいに拡大!「“最新ハードによる”waifu2x活用講座」、容量も重要だけど、やっぱり品質にも気を遣いたい「安くなった高性能、高品質メモリを狙え! DDR4/DDR3メモリコレクション2015」、MVNOのお供に選べるスマホ「選べる自由とハイコスパをその手に! すぐ買えるSIMフリースマホ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は高音質、ハイレゾ対応、デザイン性、コストパフォーマンス、多彩なニーズに応えます!「サウンドデバイス大全2015」だ。


- OSの在り方を変えるWindows 10 ~概要からインストールまで~ -


待ちに待った最新版がついに登場
OSの“在り方”を変えるWindows 10

この夏はWindows 10が熱い!

 2015年7月29日、いよいよ「Windows 10」の正式版がリリースされる。2014年9月に最初のTechnical Previewが発表されてから約10カ月、首を長くして正式版を待っていたユーザーも多いだろう。

 スタートメニューの復活や新たなWebブラウザである「Edge」の搭載など、Windos 10の見どころは多い。Windows 8系のスタート画面を嫌ってWindows 7を使い続けているユーザーは多いが、提供開始からすでに5年以上が経過しており、現状にそぐわない面があるのも事実だ。そこからの乗り換えを考えたとき、Windows 10は魅力的な選択肢となっているのではないだろうか。

【Windows 7以降のバージョンアップの歴史】
2009年9月1日にボリュームライセンス契約者向けにWindows 7を公開。10月22日には一般向けの提供も開始される
2011年2月23日に、Microsoft Download CenterおよびWindows UpdateでWindows 7 SP1を公開
2012年8月16日にボリュームライセンス契約者向け、10月26日に一般ユーザー向けにWindows 8を提供開始
2013年10月17日、Windowsストアを通じてWindows 8.1の提供を開始
2014年10月1日、Windows 10の最初のプレビュー版をWindows 10 Technical Previewとしてリリース
2015年7月29日、Windows 10の正式版の提供を開始
Windows 7
Windows 8
発売から5年以上が経過した今でも、多くのユーザーに愛用されているWindows 7
タブレットでの利用を強く意識し、新たにスタート画面を採用したWindows 8
Windows 8.1
Windows 10
スタート画面に電源メニューを配置するなど、細かな修正が施されたWindwos 8.1
ユーザーインターフェイスからアプリにいたるまで、大きく進化したWindows 10

今ならWindows 10に乗り換えが無料

 Windows 7とハードウェア要件が変わらないこと、そしてWindows 7 SP1およびWindows 8.1 Updateから無料でアップグレードできることもWindows 10の大きな魅力だ。ただし発売から1年間という期限付きなので、早めに準備しておきたい。

 Windows 10のエディションは7種類で、個人ユーザー向けに販売されるのは「Home」と「Pro」の2種類。Windows 7 Home Basic/PremiumとWindows 8.1はWindows 10Home、Windows 7 Professional/UltimateとWindows 8.1 ProはWindows 10 Proへのアップグレードになる。従来と同様、Homeにはドメインへの参加ができないなどの制約があるが、パーソナルユースであれば困らないだろう。

デバイスの垣根を越えるWindows 10

 Windows 8におけるXbox OneやWindowsPhoneとのカーネルの統合、そしてPCとスマートホンで同じアプリが利用できる「ユニバーサルWindowsアプリ」の実現など、ここ数年のMicrosoftはプラットフォームの共通化に積極的に取り組んできた。その集大成と言えるのがWindows 10だ。ユニバーサルWindowsアプリの輪にXbox Oneや小型デバイスまで取り込み、どのデバイスでも同じアプリを利用可能にする環境を整えている。

Windows 10に集約
従来、取り組んできたPCとスマートホンの統合に加え、Windows 10はXbox OneやIoTデバイスまでも飲み込む

メジャーバージョンアップは10が最後

Windows Insider Program
Windows 10の開発において大きな役割を果たしたWindows Insider Programは、正式版リリース後も新機能テストのために継続する

 Windowsのサービス化もトピックだ。MicrosoftではWindows 10について「最後のメジャーバージョンアップ」になるとしており、今後は新たなバージョン番号を付与せず、Windows 10のままWindows Updateを使って無料で新機能を提供していくと言う。

 これによりバージョンアップにかかるコストや手間から解放されるほか、サポート終了の問題も解消できる。2014年4月、WindowsXPのサポートが終了したことは社会的にも注目を集めたが、Windows 10ならサポート期間を気にせずに使い続けられるわけだ。

 なおWindows Updateによる新機能の配信では、これまでのWindows 10の開発と同様、Windows Insider Programが使われる。新たなビルドはまずMicrosoft社員がテストし、その後Windows Insider Programの参加者に配信される。ここからのフィードバックを反映した後、一般ユーザーに公開する流れだ(企業向けにはその4カ月後に配信)。これも従来にはなかった新たな取り組みだ。

Windows Updateの流れ
新機能はWindows Insider Programに参加しているユーザーが試した後に一般ユーザーに公開、その後企業ユーザーに展開される

Windows 10のインストールプロセスを見る

原稿執筆時点ではまだ正式版がリリースされていないため、Insider Preview版での検証結果ではあるが、Windows 10のインストールプロセスを紹介しておきたい。

 従来のWindows 7 SP1やWindows 8 Updateからのバージョンアップでは、WindowsUpdate経由でWindows 10がインストールされるが、ISO形式のファイルをUSBメモリなどに展開してインストールする場合、Windows 7やWindows 8.1と同様のインストール画面が現われる。言語とプロダクトキーの入力、インストールの種類などを選択すると、ファイルのコピーや更新プログラムのインストールが行なわれるといった流れは、基本的にWindows 7やWindows 8系と大きな違いはない。

 Windows UpdateやISOファイルからのインストールが完了し、最初にWindows 10が起動する際にはOSのセットアッププロセスが始まり、Microsoftアカウントの入力を求められる(Windows 10 Proの場合、この前にドメインに参加するかどうかを尋ねられる)。このタイミングでMicrosoftアカウントを新規に作成できるほか、「この手順をスキップする」を選択すればローカルアカウントでWindows 10にログインするよう設定することも可能である。

 Windows 8.1と異なるのは、Microsoftアカウントでログインするように設定すると、PINコードの設定を求められる点だ。このステップが終わり、最後にプライバシー関連の設定を行なうか、あるいは簡単設定を使えばインストールが完了し、Windows 10のデスクトップが表示される。

1.言語を選ぶ

 Windows 7やWindows 8系とまったく変わらない、インストールプロセスの最初の画面

2.インストールの種類

 既存のWindows環境のアップグレードと、新規インストールの選択。これも以前と同じだ

3.アカウントを設定

 セットアッププロセスの中でアカウントを作成する。ローカルアカウントの作成も可能だ

4.PINのセットアップ

 Microsoftアカウントを使う場合、サインインで利用するPIN番号の設定が求められる

UEFIネイティブインストールで快適Windows 10環境を作る

UEFIモード
UEFIでインストールデバイスを選択している画面。UEFIネイティブならブートコードがなくても認識する

 Windows 10をインストールする際、PCがサポートしているのであればUEFIネイティブモードでインストールしたい。BIOS互換モードを使ったブートよりも起動処理が高速化される上、GPTでフォーマットした3TB(2.2TB)以上のHDDを起動ディスクとして使えるなどのメリットがあるためだ。

 PCやマザーボードによっては、UEFIではNTFSでフォーマットしたインストールメディアを認識できないケースがある。そのため、ダウンロードしたISO形式のファイルをUSBメモリに展開してインストールするといった際には、FAT32形式でフォーマットした上でISOファイルの中身をコピーする。BIOS互換モードではブートコードが書き込まれていないと、そのメディアで起動できなかったが、UEFIモードではブートコードが不要なため、単にファイルをコピーすればよい。

 なおWindows 10にはこれまでと同様に32bit版と64bit版があるが、特別な理由がなければ64bit版を選びたい。以前はハードウェアのドライバが64bit版に対応していないなど、64bitで不都合を感じることがあったのも事実だが、現在ではそうした問題も解消されている。さらにメモリ上の制約が解消されることを考えると、もはや積極的に32bit版を選択する理由はないだろう。


[Text by 川添貴生]


DOS/V POWER REPORT 2015年9月号は2015年7月29日(水)発売】

★第1特集「新OSがあなたのマシンを変える 即効!Windows 10 × PC自作」
★第2特集「出力だけじゃない! 効率だけじゃない! 曖昧な口コミでは分からないデータが一杯! 2年後に後悔しない電源」
★特別企画「二次元画像の美麗アプコンで超話題 “最新ハードによる”waifu2x活用講座」「安くなった高性能、高品質メモリを狙え! DDR4/DDR3メモリコレクション 2015」「選べる自由とハイコスパをその手に! すぐ買えるSIMフリースマホ」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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【関連書籍】
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(AKIBA PC Hotline!編集部)