パワレポ連動企画

イチオシアイテム解説 PCケース編
~主流はATXとMini-ITXへ~

【2015秋 自作PCパーツ超コレクション400(18)】

DOS/V POWER REPORT 2015年11月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年11月号」の総力特集「2015秋 自作PCパーツ 超コレクション400」を掲載する。

 第18回目では大きさで売れ筋が分かれつつあるPCケースを解説する。以前なら拡張性はATXケースがダントツであったが、Mini-ITX対応でも拡張性を高めたモデルが登場している。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年11月号は全国書店、ネット通販にて9月29日(火)に発売。ぜひともオススメしたいアイテムを一挙掲載する総力特集のほか、フリーOSと余ったパーツで簡単運用「無償のFreeNASで構築するファイルサーバー:ファーストステップ」、ゲーム実況もお手軽に「特選HDMIキャプチャカード&ユニット19」、そろそろ手に届く4Kや5K、ゲーム特化からお手軽フルHDまで紹介する「最新液晶ディスプレイ大集合!!」、GIGABYTEのZ170マザーボードでPC自作の手順をバッチリ解説「GIGABYTEマザーで作るSkylakeマシン組み立て講座」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は豪華二本立て!「完全保存版CPU&チップセットデータベース2004-2015」と「定番&新顔フリーソフト集」だ。


-イチオシアイテム解説 PCケース編 ~主流はATXとMini-ITXへ~-


内部構造の自由度に注目
PCケース編

2015秋のトレンド
・主流は大型のATXと小型のMini-ITXに
・内部構造を自由に変更できる製品が増加
・Mini-ITXでも拡張性を重視する傾向

PCケースの主流は組みやすいATXと小型のMini-ITXに

 内部が広くて初心者でも作業がしやすく、組み込めるパーツの選択肢が広いATX対応PCケースは、依然として多くのユーザーから支持を受けている。12,000~16,000円前後の売れ筋モデルでは、幅24cmクラスの簡易水冷型CPUクーラーや、長さ30cmクラスの大型ビデオカードを搭載できる拡張性の高い製品が多く、どれを選んでも満足度は高いレベルにある。

 もう一方の売れ筋は、Mini-ITX対応の小型PCケースだ。2014~2015年に目立った製品は、Thermaltake「Core V1」のようにサイズを大きめにしてCPUクーラーやビデオカードの選択肢を広げ、冷却拡張性を高めた製品だ。またMini-ITX対応PCケースは、そのサイズや構造に起因する組み込みにくさが難点の一つとなっているが、ディラック「Qbee 03」のように構造を改良することで、これを解決した製品も登場している。

 Mini-ITXのあおりを受け、新製品の数が減っているのがmicroATX対応PCケースだ。しかし内部を二つのエリアに分け、組み込みやすさや冷却効率を高めたAntec「P50」など、注目すべき新製品もいくつか登場している。

ATX対応PCケースとMini-ITX対応PCケースの違い

 ATX対応PCケースのDefine R5と、Mini-ITX対応PCケースのMETISで、拡張に関する主なスペックを比較した。

 数多くのドライブを搭載したいならATX対応PCケースだが、CPUクーラーやビデオカードの選択肢については、Mini-ITX対応PCケースも追い付きつつある

■ATX対応PCケース

Fractal Design
Define R5
バランス型の代表的なATX対応PCケースだ。最近のミドルタワーケースとしては平均的なサイズである
高さ18cmまでのCPUクーラーを搭載でき、シャドーベイユニットを外すことで44cmまでのビデオカードを搭載できる。またそうした大型パーツを組み込んでも内部には余裕がある

■Mini-ITX対応PCケース

RAIJINTEK
METIS
コンパクトなキューブタイプケースだ。こちらもMini-ITX対応PCケースとしては一般的なサイズである
大型のパーツやビデオカードを組み込むと、余裕はない状況。ただし高さ16cmまでのCPUクーラーや17c mまでのビデオカードを組み込めるなど、拡張性はかなり高い
【ATX 対応PC ケースとMini-ITX対応PC ケースの違い】

Define R5METIS
搭載できる3.5インチHDD最大8基最大1基
搭載できる2.5インチSSD最大10基最大2基
フロントUSB 3.0ポート2基2基
CPUクーラーの対応高さは18cmまで高さ16cm まで
ビデオカードの対応長さ31cmまで(ベイを外すと44cmまで)長さ17cmまで
電源の奥行き19cmまで(底面ファン未使用なら30cmまで)非公開だがビデオカードを使うなら実測値で14cmまでが適当
拡張スロット数7基2基
搭載可能なファンの数最大9基最大1基
水冷ラジエータの対応長さ42cmまで非対応

内部構造の自由度を高めたATX対応PCケースが登場

 3.5/2.5インチシャドーベイの一部を取り外し可能にして、より長いビデオカードを取り付けられるようにしたPCケースは今までも存在した。2015年はこれをさらに進め、5インチベイなど各種ベイを完全に取り外せるPCケースもいくつか登場している。Fractal Designの「Define R5」やCooler Masterの「MasterCase 5」などがその代表例だ。

 こうしたベイを取り外すことで、天板や前面のスペースを使って、大型ファンや長さ36~42cmの超大型水冷ラジエータを取り付けられるようになる。また前面の大型ファンの風が、ベイに遮られることがなくなり、ビデオカード周辺に新鮮な外気をたっぷりと供給できるようになる。

Cooler Master Technology
MasterCase 5
5インチベイや3.5/2.5インチシャドーベイ、2.5インチシャドーベイなどを取り外し、ある程度自由に再配置できる構造を採用するPCケースが増えている

ATX 対応PCケースではバランス型がさらに増加

 静音性と冷却を両立させたバランス型のPCケースでは、動作音を外に漏らさない密閉型の構造を採用している。

 しかし各所にファンマウンタも搭載しているため、冷却性能も強化しやすい。初心者など、どんなPCを作りたいかに迷っているユーザーにオススメしたい自由度の高いPCケースだ。

 最近はどのメーカーもこのタイプをラインナップしており、人気ランキングの常連になっている。

バランス型のPCケースでは、防音材を貼った側板や前面扉などを採用し、内部からの音漏れを防ぐ設計になっている
同時に天板や側板など各所にファンマウンタを搭載しており、ケースファンを増設して冷却性能を強化することも可能

Mini-ITX 対応PCケースでは拡張性の高いものが主流に

 小型のMini-ITX対応PCケースでは、大型のCPUクーラーやビデオカードを搭載できるように設計を工夫した製品が増えている。こうした製品では、12cm角以上の大型ファンを複数搭載できることが多く、冷却性能も高い。

 そのような製品は、一般的なMini-ITX対応小型PCケースに比べれば大きめだが、ATX対応のミドルタワーケースよりは確実に小さいので、置き場所には困らない。

NCASEの「M1」は、コンパクトなキューブタイプケースながら、長さ30.5cmまでのビデオカードを搭載できる
Core V1は前面パネルがメッシュ構造になっているほか、20cm径の大型ファンを搭載している

【問い合わせ先】

Fractal Design:03-5215-5650(アスク)/http://www.fractal-design.jp/
RAIJINTEK:info@itc-web.jp(アイティーシー)/http://www.raijintek.com/jp/
Cooler Master Technology:03-5215-5650(アスク)/http://www.coolermaster.co.jp/


[Text by 竹内亮介]


DOS/V POWER REPORT 2015年11月号は2015年9月29日(火)発売】

★総力特集「主役は出揃った!!今が買いの本誌イチオシアイテムがずらり 自作PCパーツ超コレクション400」
★特別企画「無償のFreeNASで構築するファイルサーバー:ファーストステップ」「特選HDMIキャプチャカード&ユニット19」「最新液晶ディスプレイ大集合!!」「GIGA-BYTEマザーで作る Skylakeマシン組み立て講座」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」

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(AKIBA PC Hotline!編集部)