パワレポ連動企画

イチオシアイテム解説 SSD編
~性能追求かコスト重視か~

【2015秋 自作PCパーツ超コレクション400(25)】

DOS/V POWER REPORT 2015年11月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年11月号」の総力特集「2015秋 自作PCパーツ 超コレクション400」を掲載する。

 第25回目では、NVMeの登場によりハイエンド製品の高速化が著しいSSDを紹介していく。性能とコストパフォーマンスのどちらを重視するかで選択肢が大きく異なるジャンルだ。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年11月号は全国書店、ネット通販にて9月29日(火)に発売。ぜひともオススメしたいアイテムを一挙掲載する総力特集のほか、フリーOSと余ったパーツで簡単運用「無償のFreeNASで構築するファイルサーバー:ファーストステップ」、ゲーム実況もお手軽に「特選HDMIキャプチャカード&ユニット19」、そろそろ手に届く4Kや5K、ゲーム特化からお手軽フルHDまで紹介する「最新液晶ディスプレイ大集合!!」、GIGABYTEのZ170マザーボードでPC自作の手順をバッチリ解説「GIGABYTEマザーで作るSkylakeマシン組み立て講座」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は豪華二本立て!「完全保存版CPU&チップセットデータベース2004-2015」と「定番&新顔フリーソフト集」だ。


-イチオシアイテム解説 SSD編 ~性能追求かコスト重視か~-


2,000MB/sオーバーの時代に突入
SSD編

2015秋のトレンド
・超高速のPCI Express SSDが登場
・ハイエンドクラスは高耐久で長期間保証
・低価格モデルにTLCメモリ搭載品が増加

SSDは速度、汎用性、耐久性が種類や製品で大きく異なる

NVMe対応PCI Express

 現在のSSDは、大きく三つのタイプに分類できる。

 一つ目が性能を追求したウルトラハイエンドクラスのPCI Express接続製品。二つ目が耐久性が高く保証期間も長いハイエンドクラスの製品。最後がコストパフォーマンスを追求したエントリークラスの製品である。後者二つはSerial ATA接続だ。

内部接続PCI ExpressのM.2

 コンシューマ向けとしては最速のPCI Express接続のSSDが、現在もっとも注目を集めている。制御仕様に従来のSerial ATA SSDと同じAHCIを採用した製品と、不揮発メモリに最適化された「NVMe」を採用した製品がある。いずれの製品もSerial ATA SSDを凌駕する性能を実現している点が特徴。

 とくに後者のNVMe SSDは、最大速度2,000MB/sを超える性能の製品が発売されている。Intel 9シリーズ以降のチップセットを搭載したマザーボードならOS起動もサポートされており、価格は高めだが、性能を追求したいユーザーにはオススメの製品だ。

2.5インチSerial ATA

 Serial ATAのSSDは、ハイエンドクラスとエントリークラスにおける性能差こそほとんどないが、耐久性や保証期間の長さなどで差別化が図られている。売れ筋なのは、1万3,000円前後で購入でき値頃感が強くなった250GBクラスの製品と、GB単価に優れる500GBクラスの製品である。

 とくに500GBクラスの製品は、同一シリーズ内でもっとも性能が高く、コストパフォーマンスにも優れている。Serial ATA SSDを購入するなら、500GBクラスの製品を購入するのがお得だ。

【種類別SSDの特徴】

2.5インチSerial ATANVMe対応PCI Express内部接続PCI ExpressのM.2
メリット●旧世代から最新世代まで幅広いPCに対応できる
●全体的にコストパフォーマンスが高い
●2,000MB/s 以上のリード速度
●ランダムライトも高速
●M.2スロットに挿すだけで使える
●Serial ATAモデルより高速
ウイークポイント●上位モデルは下位モデルとの性能差が小さい
●とくにリード速度はほぼ横並び
●古い環境ではOSが起動できないことがある
●価格が非常に高い
●PCI Express x4対応の製品はまだ少ない
●Serial ATAモデルに比べ価格は高め
【スペックはココをチェック!】
公称最高速度メーカーが公開しているSSDの最大データ転送速度。リードとライトごとに表記するのが一般的で、同じ製品でも容量によって大きく異なる場合があるので注意が必要だ
TBW(Tera Bytes Written)SSDの最大書き込み可能容量。数値が大きいほど耐久性が高い。メーカー保証は、この容量に達するまでか、保証期間に到達するまでのいずれかに設定されていることが一般的だ
コントローラSSDの性能を決定付ける重要な部品。ファームウェアによってSSDの性格付けを変更できる。ローエンドクラスの安価なコントローラは一部機能を削減するなどして低価格化を図っている
保証期間製品の保証期間。通常、ハイエンドモデルは5年、エントリークラスは3年となっているケースが多いが、メーカーによっては10年保証を行なっている場合もある
外部メモリ(バッファ)SSDにおいて必須のパーツではないが、外部メモリを搭載することで管理テーブルのアクセスを高速化できる。余剰領域は、バッファに利用されるのでないよりはあったほうがよい

主要SSD 15製品ベンチマーク

 ここでは、ドライブの最大性能を計測できるCrystalDiskMarkのシーケンシャル(Q32T1)の速度と4KBのランダム速度の結果から主要15製品の性能を見ていく。

 下のグラフから分かるように、今回テストした中で唯一のNVMe SSDであるIntel SSD 750がほかの製品を大きく引き離しトップになった。本製品は、シーケンシャルリードと4KiBのランダムライトの性能が突出して速く、シーケンシャルリードは2,377MB/s、ランダムライトは301.7MB/sという速度を記録している。

 次点は、KingstonのHyperX Predatorで、シーケンシャルリードは1,552MB/s、同ライトが1,020MB/s。HyperX Predatorのシーケンシャルライト速度は、SSD750と比較して大きな差はないが、シーケンシャルリードに関しては大差を付けられている。SSD 750はインターフェースに最大4,000MB/sのPCI Express 3.0 x4を採用しているが、HyperX Predatorは最大2,000MB/sのPCI Express 2.0 x4を採用している。インターフェースの転送速度の差が、そのまま最大速度の差となって現われたと考えてよいだろう。

 3番手グループは、Lite-OnのPlextorM6e BlackとCFD販売のM2EHLMEQだ。これらの製品は、いずれもPCI Express 2.0 x2接続であるため、Serial ATAの速度は超えているが、SSD 750やHyperX Predatorほど速いわけではない。

 一方、Serial ATAのSSDは、きれいに横並びという印象だ。細かく見ていくと、シーケンシャルライトや4KiBのランダムライトでバラつきはあるが、シーケンシャルリードに関しては、550MB/s前後でほぼ横一線になっている。また、シーケンシャルライトもバラつきがあるとは言っても、多くが500MB/s辺りで固まっており、際立った差があるわけではない。

 この結果を見る限り、Serial ATAのSSDは、どの製品も基本的な性能はほぼ同レベルと考えてよいだろう。

【検証環境】

CPU:Intel Core i5-6600K(3.5GHz)
マザーボード:MSI Z170A GAMING M5(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
システムSSD:Lite-On Plextor M6S SSD PX-256M6S(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
OS:Windows 10 64bit版


[Text by 北川達也(トレンド解説)/芹澤正芳(製品紹介)]


DOS/V POWER REPORT 2015年11月号は2015年9月29日(火)発売】

★総力特集「主役は出揃った!!今が買いの本誌イチオシアイテムがずらり 自作PCパーツ超コレクション400」
★特別企画「無償のFreeNASで構築するファイルサーバー:ファーストステップ」「特選HDMIキャプチャカード&ユニット19」「最新液晶ディスプレイ大集合!!」「GIGA-BYTEマザーで作る Skylakeマシン組み立て講座」
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(AKIBA PC Hotline!編集部)