【PCパーツ100選 2016(24)】CPUクーラー部門 その2

DOS/V POWER REPORT 2016年2月号

　こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年2月号」の総力特集「主要9ジャンル＋α　執筆陣の投票で選ばれた買いの製品はどれだ!? PCパーツ100選 2016」を掲載する。

　第24回目はCPUクーラー部門のエントリー製品を紹介する。タワー型のATXケースではあまり問題にならないが、コンパクトタイプやMini-ITXなどに組み込む場合はケースとの干渉に注意だ。特にCPUの上方にドライブベイや電源が被さるレイアウトは、思った以上に高さに制限があることが多い。

　本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年2月号は全国書店、ネット通販にて2015年12月26日(土)に発売。様々な分野のオススメパーツを決定する総力特集をはじめ、ラジエータを置くスペースが必要だけど、かわりにCPUソケット周辺はすっきりする簡易水冷の新製品を紹介！「ニューカマー3製品を徹底比較 本当に使える水冷クーラーはこれだ！」、ゲームで差が付くかもしれない高機能モデルが豊富！「話題作が豊富な今こそ揃えたい 鉄板ゲーミングデバイス 26」、すぐ隣だから30cmあれば十分なあなたや、上の階とつなげるので30mは欲しいというあなたに捧げる「あなたのマイナーニーズを狙い撃ち☆「短い」ケーブル＆「長い」ケーブル集めました」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY＋の本編「わがままDIY」も掲載だ。

　今号の付録は豪華二本立て！　あの素晴らしいパーツをもう一度「時代を作った名品が月替わりピンナップで！名パーツカレンダー 2016」と、これから自作を始める方には是非読んでいただきたい「パーツの役割や組み立て手順が分かる！保存版PC自作スタートブック2016」だ。

-PCパーツ100選 2016-
執筆陣の投票で選ばれた買いの製品はどれだ!?

高性能な薄型モデルとトップフロータイプが増加
CPUクーラー部門

　CPU冷却の要となるCPUクーラー。CPU付属のクーラーがあればPCの動作自体に問題はないが、その選択は冷却性能と静音性を大きく左右する。

　とくにミドルレンジまでの製品は価格が手頃とあって関心が高く、投票結果も納得の内容となった。

■CRYORIG
H5 ULTIMATE
実売価格：7,000円前後
各所にこだわりを見せるていねいな作りが魅力

サイドフロー / 14cm角×1 / バックプレート

　奥行きのある大型のヒートシンクに、大口径ファンの組み合わせ。

　同じH5シリーズには薄型ファンを採用したUNIVERSALもあるが、通常厚ファンを採用する本製品は、より高いTDPのCPUに対応している。OC環境にも有効だが、定格クロックで運用すれば優れた静音性を実現できる。

　振動を抑えるラバークリップによるファンの固定といった細かなこだわりも人気の秘密だろう。

Specification
●対応CPUソケット：LGA775/1150/1151/1155/1156/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+●ファン：14cm径×1（700 ～ 1,300rpm、PWM対応）●サイズ（W×D×H）：143×110.9×168.3mm ●重量：920g

■Thermaltake Technology
NiC L32
実売価格：4,000円前後
十分な性能だがライバルが強過ぎ？

サイドフロー / 14cm径×1 / バックプレート

　スリムなヒートシンクはメモリとの干渉が少なく、14cm径ファンは風量が多い。さらに価格も手頃と、十分魅力的なのに同価格帯の強力なライバルのせいで今一つ影が薄いのが惜しまれる。とはいえ過去の検証では冷却性能、静音性ともに優秀。

　ファンの回転数は、500 ～ 1,800rpmと、最小回転数が低めでアイドル時は静かな傾向ながら、最大回転数は高めなので高負荷時での冷却性能に安心感が持てる。

Specification
●対応CPUソケット：LGA775/1150/1151/1155/1156/1366/2011、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2●ファン：14cm径×1（500～1,800rpm、PWM対応）●サイズ（W×D×H）：150×40×160mm（ヒートシンク）●重量：620g

■サイズ
グランド鎌クロス3
実売価格：6,000円前後
干渉が少なく静音性もトップクラス

トップフロー / 14cm径×1 / バックプレート

　ヒートパイプをクロスさせたデザインにより、大型のヒートシンクを採用しつつもメモリとの干渉を抑えている。

　そして、本製品のもっとも支持される部分としては、静音性が挙げられるだろう。上部に搭載する14cm径ファンは回転数が400～1,300rpmと低く、アイドル時には耳を澄まさなければ聞こえないレベルを実現しており、きわめて優秀だ。

Specification
●対応CPUソケット：LGA775/1150/1155/1156/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+ ●14cm径×1（400 ～ 1,300rpm、PWM対応）●サイズ（W×D×H）：140×171×147mm●重量：790g

■Corsair Components
H110i GTX CW-9070020-WW
実売価格：20,000円前後
28cmクラスの大型ラジエータを採用

簡易水冷 / 14cm径×2 / バックプレート

　ミドルタワーのATXケースや大型Mini-ITXケースとの組み合わせにおいては、ほぼ最大サイズと言える28cmクラスの大型ラジエータが人気の秘密だろう。リアルタイムでの各種パラメータの監視が可能なCorsair Linkや、任意の色に設定可能なLEDを搭載する水冷ヘッドなど、ハイエンドユーザーの心を揺さぶる機能も魅力。

　チューブは柔軟性を確保しており、組み込みやすさにも配慮されている。

Specification
●対応CPUソケット：LGA1150/1151/1155/1156/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+●ファン：14cm角×2（最小回転数非公開～ 2,000rpm、PWM対応）●サイズ（W× D× H）：140×312×26mm（ラジエータ）、80×80×35mm（水冷ヘッド）●重量：約1,000g（ファン含まず）

■Cooler Master Technology
Hyper 612 Ver.2
実売価格：7,000円前後
カンタン組み立てが魅力

サイドフロー / 12cm径×1 / バックプレート

　冷却性能や静音性の高さのほか、取り付けやすさは特筆もの。

　クーラー固定クリップはネジが片側のみ、ファンも樹脂クリップで簡単に着脱。

Specification
●対応CPUソケット：LGA775/1150/1151/1155/1156/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+ ●ファン：12cm角×1（800～1,300rpm、PWM 対応）●サイズ（W×D×H）：102×139×160.4mm（ヒートシンク）●重量：886g

■Enermax Technology
ETS-T40Fit ETS-T40F-W
実売価格：7,000円前後
2基の白いファンを採用

サイドフロー / 12cm径×2 / バックプレート

　12cm角ファンを2基搭載することで冷却性能を強化している。

　白く統一されたデザインはPC内部のアクセントになる。

Specification
●対応CPUソケット：LGA775/1150/1151/1155/1156/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+●ファン：12cm角×2（800～1,500/1,800/2,200rpm、PWM対応）●サイズ（W×D×H）：126×95.8×161.7mm ●重量：460g

2015年8月号記事「自作ユーザー志向別冷却・静音チューンナップ指南」にて選定

■Listan
be quiet! Dark Rock PRO 3
実売価格：13,000円前後
抜群の冷却性能と静音性

サイドフロー / 13.5cm径×1、12cm角×1 / バックプレート

　冷却性能だけでなく、その静音性にも注目。

　径の異なる2基のファンを組み合わせ、トップレベルの静音性を実現。

Specification
●対応CPUソケット：LGA775/1150/1151/1155/1156/1366/2011/2011-v3、Socket754/939/940/AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+●ファン：13.5cm径（最小回転数非公開～ 1,400rpm、PWM）×1、12cm角（最小回転数非公開～ 1,700rpm×1、PWM）×1●サイズ（W×D×H）：137×150×163mm●重量：1,197g

2015年8月号記事「自作ユーザー志向別冷却・静音チューンナップ指南」にて選定

■Thermalright
Silver Arrow IB-E Extreme
実売価格：10,000円前後
ハイエンドクーラーの定番

サイドフロー / 14cm径×2 / バックプレート

　とりわけ大きなツインタワーに2基の赤い14cm径ファンの組み合わせが印象的な、空冷OC派の定番クーラー。

　価格もこなれており、狙い目。

Specification
●対応CPUソケット：LGA775/1150/1151/1155/1156/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+ ●ファン：14cm径×2（600～2,500rpm、PWM 対応）●サイズ（W×D×H）：154×103×165mm（ヒートシンク）●重量：1,090g

■サイズ
風魔
実売価格：7,000円前後
こだわりが詰まった大型モデル

サイドフロー / 12cm径×2 / バックプレート

　2基のヒートシンクと12cm角ファンを搭載しながら、高さ約15cmと低め。

　低回転ファンの採用など、同社のこだわりが随所に見られる。

Specification
●対応CPUソケット：LGA775/1150/1151/1155/1156/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+ ●ファン：12cm角×2（300～1,400rpm、PWM対応）●サイズ（W×D×H）：137×130×149mm●重量：920g

■CRYORIG
C7
実売価格：5,000円前後
小型ケースでもしっかり冷やす

トップフロー / 9cm径×1 / バックプレート

　47mmと薄く、リテールクーラーを使える環境であれば組み込めるのがポイント。

　CPUクーラーの高さに制限のあるケースで活用したい。

Specification
●対応CPUソケット：LGA1150/1151/1155/1156、Socket AM2/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+●ファン：9cm角×1（600～2,500rpm、PWM対応）●サイズ（W×D×H）：97×97×47mm ●重量：357g

[Text by 石川ひさよし]