パワレポ連動企画

価格帯別マザーボード対決その2
~ミドルレンジZ170マザー/高機能H170マザー代表編~

【PCパーツ無差別級対決(7)】

DOS/V POWER REPORT 2016年6月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年6月号」の総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」を掲載する。

 第7回目ではミドルレンジのZ170搭載マザーボードと、H170搭載マザーボードの高機能モデルの機能を比較する。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(木)に発売。総力特集のほか、ARMプロセッサを搭載した電子基板をノートPCへ!「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」、PCに足りない機能をガチャンと追加「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」」、使いやすさは健康にも影響する「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録小冊子は新旧のインターフェース規格を解説した「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」。懐かしいものから現在主流の規格、マザーボードには搭載されているのにデバイスが登場しないものまで一挙掲載だ。


-PCパーツ無差別級対決-
高級&ミドルレンジZ170 / 高機能H170対決 Part2 ASUS Z170-PRO / GIGABYTE GA-H170-D3HP(rev.1.0)~マザーボード編 その2~


第2部
マザーボード編

 マザーボード編では、グレードの違うZ170とH170マザー対決、主要4メーカーの小型マザーボード対決、ゲーミングマザーボード対決を決行。もっともあなたのメガネにかなうものはどれだろうか。

Part1 高級&ミドルレンジZ170 /高機能H170対決

この対決の見どころ 価格が大きく違う3者の違いはどこにあるのか?

■ハイエンドZ170マザー代表 MSI Z170A XPOWER GAMING TITANIUM EDITION

■ミドルレンジZ170マザー代表 ASUSTeK Z170-PRO

■高機能H170マザー代表 GIGA-BYTE GA-H170-D3HP(rev. 1.0)

 LGA1151向けに用意されたチップセットであるZ170とH170だが、ハイエンドZ170マザーの価格はH170マザーの優に3倍を超える。その価格の違いは何によるものなのか?そのメリットは価格に見合ったものなのか?そうした疑問に答えるのがこの対決だ。

 代表的な製品をピックアップ、直接対決させてみた。

高級&ミドルレンジZ170 /高機能H170対決 その2
王道中の王道 ASUSTeKの主力モデルを見よ!

ASUSTeK Computer
Z170-PRO

実売価格:25,000円前後

Specification
●フォームファクター:ATX●CPUソケット:LGA1151●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●チップセット:Intel Z170●メモリスロット:PC4-30900 DDR4 SDRAM×4(最大64GB)●ディスプレイ:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-D×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCIE 3.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×4●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0 x4またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.1(Type-A)×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0×6、USB 2.0×6●LAN:1000BASE-T×1
※PCI-E= PCI Express、SATA=Serial ATA、USBポートの数はピンヘッダ含む、USBコネクタ形状を明記していないものはType-Aまたはピンヘッダ、SATA Express×1はSerial ATA×2としても使用可能

Z170マザーの魅力を堪能できる1枚

 限られた予算は優先的にCPUやビデオカードといった性能に直結するパーツに回したい。ただ、マザーボードの機能や品質に妥協はしたくない、と考える自作派は多い。そして上位CPUと組み合わせるマザーの予算感としてよく挙げられるのが2万円~2万5,000円というレンジ。それだけにこのレンジにはメーカー各社が中核モデルを投入してしのぎを削っており、製品のコストパフォーマンスは全体的に高い。はっきり言えば、“間違いのない価格帯”なのだ。

 その中でもオススメしたいのがこのZ170-PRO。最新機能は漏れなく備えゲーミング用途も意識してサウンドとLANなどの機能も充実。ASUSTeK製だけにユーティリティの完成度も確か。OCにも十分対応できマルチGPUは、2-way SLIおよび3-way CrossFireXをサポート、Z170マザーに求められる機能を十分に堪能することができる1枚だ。(滝 伸次)

OCも十分楽しめる高品質ハードウェア
電源回路はデジタル制御の8+2フェーズ構成(推定)。Core i7-6700K(4GHz)のOCを試したところ、空冷で4.7GHzを達成、ベンチも完走できた。4.7GHzで常用するとなるとさすがに耐久性の面で不安を感じるが、OC耐性はある程度高いと見てよいだろう
最新トレンド機能を余さず装備
USB 3.1(Type-C)ポートやPCI Express 3.0 x4対応のM.2スロットなどのトレンド機能を一通りサポートする
Intel製のUSB 3.1コントローラを搭載
音質重視のサウンド機能
USB 3.1コントローラにはIntel製の「DSL6540」が採用されている。DSL6540は本来Thunderbolt 3コントローラであるが、ASUSTeKによると、認証の問題などがあるため、Thunderbolt 3に対応させる予定はないとのことだ
オーディオコーデックはS/N 115dBのRealtekALC1150。ノイズ対策、オーディオ用コンデンサの採用などで高音質を実現している

【編集部の判定】

 Z170マザーを選択する理由として、使いたくなったときにOCやマルチGPU機能が使えないのはイヤだからということも多いはず。

 Z170の機能や新インターフェースをまんべんなく利用可能な本製品はそんなニーズにマッチする。

高級&ミドルレンジZ170 /高機能H170対決 その3
「分かっている」非OC派必見 このH170マザーがマシンを格上げする

GIGA-BYTE TECHNOLOGY
GA-H170-D3HP(rev. 1.0)

実売価格:15,000円前後

Specification
●フォームファクター:ATX●CPUソケット:LGA1151●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●チップセット:Intel H170●メモリスロット:PC4-17000 DDR4 SDRAM×4(最大64GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCIE 3.0 x16×1、PCI-E 3.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 3.0 x1×2、PCI×3●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0 x4またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×2、SATA 3.0×2、USB 3.1(Type-A)×1、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0×7、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1
※PCI-E= PCI Express、SATA=Serial ATA、USBポートの数はピンヘッダ含む、USBコネクタ形状を明記していないものはType-Aまたはピンヘッダ、SATA Express×1はSerial ATA×2としても使用可能

OC機能以外はZ170マザーに劣らない豪華仕様が魅力

 OCやマルチGPUを利用しないのであれば本質的にはZ170チップセットは必要なく、H170で十分だ。PCパーツが値上がり傾向にある中で、こうした考えが浸透した結果、機能が充実したH170マザーが増えている。GA-H170-D3HPもその一つ。USB 3.1ポートを2基、PCI Express 3.0 x4対応のM.2スロットを1基搭載、最新トレンド機能をきっちり押さえている上、オーディオコーデックにS/N 115dBのRealtek ALC1150、LANコントローラにIntel I219-Vを採用しているなど、ミドルレンジクラスのZ170マザー並みの機能を持つ。

 さすがに電源回路はOCを意識したZ170マザーと比べると見劣りするが、定格動作であれば十分な仕様で、安定性、耐久性に不安はない。価格は同等機能を持つZ170マザーと比べると1万円ほど安い。OCに関心がないユーザーにとってどちらが答えなのか言うまでもないだろう。(滝 伸次)

【高機能H170マザーの中でもハイコスパが光る】
機能GIGA-BYTE GA-H170-D3HP(rev. 1.0)ASRock H170 Pro4/Hyper
拡張スロットPCI Express 3.0 x16×1、PCI Express 3.0 x4(x16形状)×1、PCI Express 3.0 x1×2、PCI×3PCI Express 3.0 x16×1、PCI Express 3.0 x4(x16形状)×1、PCI Express 3.0 x1×3
M.2スロット1(Socket 3、PCI Express 3.0 x4またはSerial ATA 3.0接続)1(Socket 3、PCI Express 3.0 x4またはSerial ATA 3.0接続)
SATA Expressポート21
Serial ATAポートSerial ATA 3.0×2Serial ATA 3.0×4
USB 3.1ポートType-A ×1(バックパネル)、Type-C×1(バックパネル)
USB 3.0ポート7(バックパネル:3、ピンヘッダ:4)8(バックパネル:6、ピンヘッダ:2)
有線LANIntel I219-V(1000BASE-T)Intel I219-V(1000BASE-T)
サウンドRealtek ALC1150Realtek ALC892
実売価格15,000円前後15,000円前後

H170マザーとしては機能が充実しているのが特徴。価格が近いASRockのH170マザー「H170 Pro4/Hyper」と比べると、USB 3.1をサポートしている上に、サウンドコーデックも上位版のRealtekALC1150が採用されているなどの利点がある

USB 3.1ポートを2基装備
USB 3.1コントローラとしてIntelの「DSL6540」を搭載。2基のUSB 3.1ポート(Type-A×1、Type-C×1)をバックパネルに装備している
PCI Express 3.0 x4対応のM.2スロットを搭載
付属ユーティリティも充実
PCI Express 3.0 x4対応のM.2スロットを装備しており、Samsung 950PROなどの高速SSDの性能を余すことなく発揮させることができる
Z170を搭載した上位モデル同様、Windows上からU E F Iの更新を行なえる「@ BIOS」、内蔵G P UのO Cなどを行なえる「Easy Tune」、Fast Bootの設定を行なう「Fast Boot」などの独自ユーティリティが統合されたAPPCENTERが付属する

【編集部の判定】

 必要とされる機能に絞って実装したH170マザーボードのコストパフォーマンスはZ170をはるかにしのぐ。

 とくに機能が充実している本製品は、Z170に絞って探しているというユーザーも検討の価値があるスグレモノだ。

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4 ※2枚のみ使用)
グラフィックス機能:Intel Core i7-6700K 内蔵(Intel HD Graphics530)
SSD:Micron Crucial m4 CT128M4SSD2(Serial ATA 3.0、MLC、128GB)
CPUクーラー:CRYORIG R1 Universal
OS:Windows 10 Pro 64bit版

【問い合わせ先】

ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/http://www.asus.com/jp/
GIGA-BYTE TECHNOLOGY:03-3350-5418(旭エレクトロニクス)/http://www.gigabyte.jp/


[Text by 滝 伸次]


DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】

★総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」
★特別企画「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」
★連載「最新自作計画 ~最新AMD CPUで作るお手頃メインPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-04-22-0000.php

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(AKIBA PC Hotline!編集部)