パワレポ連動企画

ATX電源80PLUSグレード対決その1 ~Enhance編~

【PCパーツ無差別級対決(27)】

DOS/V POWER REPORT 2016年6月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年6月号」の総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」を掲載する。

 第27回目からは電源対決の幕開けだ。最初は異なるグレードの80PLUS電源3製品を例にとり、それぞれの個性を紹介していく。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(木)に発売。総力特集のほか、ARMプロセッサを搭載した電子基板をノートPCへ!「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」、PCに足りない機能をガチャンと追加「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」」、使いやすさは健康にも影響する「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録小冊子は新旧のインターフェース規格を解説した「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」。懐かしいものから現在主流の規格、マザーボードには搭載されているのにデバイスが登場しないものまで一挙掲載だ。


-PCパーツ無差別級対決-
ATX電源80PLUSグレード対決 part1 Enhance RAGE POWER TITANIUMプラグイン ATX-1850GB~電源編 その1~


第6部
電源編

 どれも似たように思うかもしれない。高いものほどよいと思うかもしれない。

 しかし、電源にはメーカーの工夫が満載。自作派なら、その違いが気になるはずだ。

Part1 ATX電源80PLUSグレード対決

この対決の見どころ 変換効率だけでなく電圧安定性などにも注目

■Titanium代表 Enhance RAGE POWER TITANIUMプラグイン ATX-1850GB

■Gold代表 Enermax Revolution-X'tⅡ ERX550AWT

■Bronze代表 Corsair CX Series Modular CX550M ATX Power Supply

 家庭用電源のAC(交流)をPC内部で利用できるDC(直流)に変換するのが電源ユニットの役目だ。変換の際、いかに熱として電力を逃がさないかが省エネのカギだが、その変換効率を判断する材料になるのが80PLUS認証だ。6段階あるグレードの中から今回は、最上位のTitanium、3番目のGold、5番目のBronzeを取得した製品をチョイスし、効率にとどまらず、電源ユニットとしての魅力を評価した。

 評価のポイントは多岐にわたる。たとえばケーブル一つ取っても、コネクタの種類と数、プラグイン式かどうか、ケーブルはフラットタイプかスリーブタイプかなど、チェックすべき点は多い。出力電圧の安定性や価格などもキーポイント。高効率なのに安い、効率はイマイチでも使いやすいなど、それぞれの電源の個性を見てほしい。

ATX電源80PLUSグレード対決 その1
Titanium+利便性+安定性 そして、この安さに驚け!

Enhance
RAGE POWER TITANIUM プラグイン ATX-1850GB

実売価格:15,000円前後

奥行き14cm

Specification
●規格:ATX●定格出力:500W ●ファン:12cm角×1(底面)●80PLUS認証:Titanium●ケーブル:セミプラグイン●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×1、Serial ATA ×6、ペリフェラル×2、PCI Express 6+2ピン×1、PCI Express 6ピン×1、FDD×1●保証期間:2年

システム全体の消費電力:アイドル時36.4W/高負荷時236W
動作音:アイドル時35.1dB/高負荷時35.5dB

電圧の安定性と優れた省エネ性能 便利で快適なTitanium認証電源

付属ケーブルを絞って低コスト化?
本体側にPCI Express用コネクタは二つあるがケーブルは1本、Serial ATA /ペリフェラル用のコネクタは四つあるがケーブルは3本なのでコネクタが余ることになる

 セミプラグイン方式に加えてメッシュケーブルを採用、奥行きを14cmに抑えたことで非常に良好な使い勝手を実現。内部の回路にも低コスト化の努力が見られ、まだ導入コストの高い80PLUS Titanium認証電源の中では価格と利便性のバランスのよさで抜きん出ている。加えてアイドル時で実測35.1dB、高負荷時で35.5dBと静かだ。

 消費電力はさすが80PLUS Titanium認証電源という少なさであり、高負荷時はBronzeクラスより20W近くも省電力。電圧グラフを見ても高負荷時の降下の幅が0.2V程度と小さく非常に安定しており、作りのよさを感じる。

 PCI Express補助電源コネクタが6+2ピンと6ピンなので、組み合わせるビデオカードには注意が必要。その点をクリアすればゲーミングPCに最適だ。 (石川ひさよし)

冷却は不安なし 基板裏を冷却するエアホールも
コストを抑えつつも1次側は日本メーカー製耐熱105℃コンデンサを採用。ヒートシンクも大きい。2次側には固体コンデンサも併用している
基準電圧はやや低めの11.8V~11.9V。ATX24ピンは負荷による変動がほとんどなく、EPS12VとPCI Expressも負荷時の降下の幅はわずか0.2V前後。検証に用いたGeForce GTX 970程度のビデオカードなら不安はない

【編集部の判定】

 Titanium認証電源は1万円を切る安価な製品もあるが、プラグイン式のケーブルを採用した本製品は、価格と仕様のバランスがよい。電圧安定性も良好で、省電力性はさすがTitaniumといったところ。万人にお勧めできる電源だ。

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)
マザーボード:ASUSTeK H97-PRO(Intel H97)
メモリ:Team Group TED316G1600C11DC-AS(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)
ビデオカード:ASUSTeK STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5(NVIDIA GeForce GTX 970)
SSD:Intel Solid-State Drive 330 SSDSC2CT240A3K5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
室温:19℃
暗騒音:33.9dB
アイドル時:ベンチマーク終了10分後の値
高負荷時:3DMarkを実行中の最大値
動作音測定距離:ファンから約15cm
電圧計測方法:三和電気計器 PC-20を3台使用し、各コネクタの電圧を計測
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO

【問い合わせ先】

Enhance:support@scythe.co.jp(サイズ)/http://www.enhance.com.tw/


[Text by 編集部 遠山健太郎、石川ひさよし]


DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】

★総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」
★特別企画「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」
★連載「最新自作計画 ~最新AMD CPUで作るお手頃メインPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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(AKIBA PC Hotline!編集部)