パワレポ連動企画
ATX電源80PLUSグレード対決その2 ~Enermax/Corsair編~
【PCパーツ無差別級対決(28)】
(2016/5/24 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年6月号」の総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」を掲載する。
第28回目では前回のTitanium電源に続き、80PLUS GOLDとBronzeから製品を紹介する。80PLUSのグレード違いにより同じ構成でも消費電力に差がでる。特に容量が大きくなるとその差も広がるため、大容量電源を購入する際はなるべく高効率のモデルを選択しよう。
本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(木)に発売。総力特集のほか、ARMプロセッサを搭載した電子基板をノートPCへ!「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」、PCに足りない機能をガチャンと追加「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」」、使いやすさは健康にも影響する「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録小冊子は新旧のインターフェース規格を解説した「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」。懐かしいものから現在主流の規格、マザーボードには搭載されているのにデバイスが登場しないものまで一挙掲載だ。
-PCパーツ無差別級対決-
ATX電源80PLUSグレード対決 part2 Enermax Revolution-X'tⅡ ERX550AWT / Corsair CX Series Modular CX550M ATX Power Supply~電源編 その2~
第6部
電源編
どれも似たように思うかもしれない。高いものほどよいと思うかもしれない。
しかし、電源にはメーカーの工夫が満載。自作派なら、その違いが気になるはずだ。
Part1 ATX電源80PLUSグレード対決
この対決の見どころ 変換効率だけでなく電圧安定性などにも注目
■Titanium代表 Enhance RAGE POWER TITANIUMプラグイン ATX-1850GB
■Gold代表 Enermax Revolution-X'tⅡ ERX550AWT
■Bronze代表 Corsair CX Series Modular CX550M ATX Power Supply
家庭用電源のAC(交流)をPC内部で利用できるDC(直流)に変換するのが電源ユニットの役目だ。変換の際、いかに熱として電力を逃がさないかが省エネのカギだが、その変換効率を判断する材料になるのが80PLUS認証だ。6段階あるグレードの中から今回は、最上位のTitanium、3番目のGold、5番目のBronzeを取得した製品をチョイスし、効率にとどまらず、電源ユニットとしての魅力を評価した。
評価のポイントは多岐にわたる。たとえばケーブル一つ取っても、コネクタの種類と数、プラグイン式かどうか、ケーブルはフラットタイプかスリーブタイプかなど、チェックすべき点は多い。出力電圧の安定性や価格などもキーポイント。高効率なのに安い、効率はイマイチでも使いやすいなど、それぞれの電源の個性を見てほしい。
ATX電源80PLUSグレード対決 その2
高効率かつ積極的な冷却機能 ハイエンドゲーミングPCに◎
■Enermax Technology
Revolution-X'tⅡ ERX550AWT
実売価格:15,000円前後
Specification
●規格:ATX● 定格出力:550W●ファン:13.9cm 角×1(底面)●80PLUS認証:Gold●ケーブル:セミプラグイン● 電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×1、Serial ATA×8、ペリフェラル×4、PCI Express 6+2ピン×2、FDD×1●保証期間:5年
大口径ファンの採用を軸とした冷却に対する万全の設計
80PLUS Gold認証電源としては高付加価値で、電源全体で見てもハイエンドクラスに位置する製品。現在のトレンドからすると550Wで16cmある奥行きは大きいが、これが13.9cm角という大口径ファンの搭載を可能としている。昨今の電源はどれも静かであるため、大口径の本製品であってもずば抜けて静かなわけではないが、風量はメリットとなるだろう。また、シャットダウン後も一定時間ファンを回転させる機能を搭載している。このように積極的に冷やす設計なので、ハイエンドビデオカードなど発熱の大きなパーツを安心して利用できそうだ。
ほかにも、セミプラグイン方式を採用し、直付けを含むすべてのケーブルがフラットケーブルなのもポイント。やや奥行きのある筐体だが、柔軟なケーブルにより取り付け時の干渉はさほど気にならない。 (石川ひさよし)
【編集部の判定】
大型のファンで内部をキッチリ冷やすというコンセプトの電源。石川氏も指摘しているように、ハイエンド系のパーツで固めたマシンでは、準ファンレスなどよりもこうした製品のほうが安心できる。内部のコンデンサも高品質だ。
ATX電源80PLUSグレード対決 その3
激しい負荷変動にも動じず静か Bronzeを侮るな!
■Corsair Components
CX Series Modular CX550M ATX Power Supply
実売価格:10,000円前後
Specification
●規格:ATX●定格出力:550W●ファン:12cm角×1(底面)●80PLUS認証:Bronze●ケーブル:セミプラグイン●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×1、Serial ATA×6、ペリフェラル×3、PCI Express 6+2ピン×2、FDD×1●保証期間:5年
手頃な価格のBronze認証電源だがゲーミングPCもOKの高い安定性
安価でも信頼性の高い電源を求めるニーズは大きい。本製品はBronze認証に抑えられ、実売価格も1万円前後と安価だが、内部の部品は高品質。唯一、ジャンパ線による配線が多いところにコストダウンが見られるが、全体としてバランスのよさを感じる。電圧に関しても降下の幅が小さく、ハイエンドビデオカードを安定して運用したいゲーミングPC用途にも最適だろう。
ATX24ピンとEPS12V以外はフラットタイプのプラグインケーブル仕様。コネクタ数はそこまで多くないが500W級電源としては十分だ。底面の12cm角ファンは温度に応じて回転数を自動制御し、検証でも34dB台に収まるきわめて優秀な結果を残した。
従来モデルのCXシリーズは3年間保証だったが、本製品は5年間保証。1万円前後で5年間保証というのは貴重だ。 (石川ひさよし)
【編集部の判定】
Bronze認証だからと言って、電気代はGoldやTitaniumと1割も違わない。そこは割り切ってコストパフォーマンスを重視するならこの製品がオススメ。プラグイン式やフラットケーブルで使い勝手もよく、意外なほど安定性も高い。
【検証環境】
CPU:Intel Core i7-4770K(3.5GHz)
マザーボード:ASUSTeK H97-PRO(Intel H97)
メモリ:Team Group TED316G1600C11DC-AS(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2)
ビデオカード:ASUSTeK STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5(NVIDIA GeForce GTX 970)
SSD:Intel Solid-State Drive 330 SSDSC2CT240A3K5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
室温:19℃
暗騒音:33.9dB
アイドル時:ベンチマーク終了10分後の値
高負荷時:3DMarkを実行中の最大値
動作音測定距離:ファンから約15cm
電圧計測方法:三和電気計器 PC-20を3台使用し、各コネクタの電圧を計測
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO
【問い合わせ先】
Enermax Technology:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/http://www.enermaxjapan.com/
Corsair Components:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/http://www.corsair.com/
[Text by 編集部 遠山健太郎、石川ひさよし]
【DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】
★総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」
★特別企画「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」
★連載「最新自作計画 ~最新AMD CPUで作るお手頃メインPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
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