パワレポ連動企画

5年前のハイエンドマシンのアップグレードプラン

【パワレポ連動:チョイ古 自作PC再生計画(3)】

DOS/V POWER REPORT 2016年5月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年7月号」の第1特集「あなたのPCが生まれ変わる!3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! チョイ古 自作PC再生計画」を掲載する。

 第3回目ではCPUとマザーボードにフォーカスを当て、5年前のハイエンドマシンをベースに具体的なアップグレードプランを紹介する。今回取り上げるCore i7-2600は、アンロックモデルの2600Kとともに当時人気のあったCPUだ。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年7月号は全国書店、ネット通販にて5月28日(土)に発売。第2特集はコストパフォーマンスに優れる大容量ディスクを用途別に解説する「容量単価×用途別が正解です 最新HDD購入案内」を掲載。そのほか、あなたのPCのメインメモリ、有効活用しませんか?「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! Windows 10時代のRAMディスク活用術」、持ち運びに便利な大容量で高速なフラッシュメモリ「ベンチで性能が丸分かり! 一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ」、スペースが許せば考えたい「ウルトラワイドもオーバー30型も PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、自作PCの組み立てやメンテナンスに関わる「?」を解決!「39のギモンにベストアンサー! PC自作Q&A事典2016」だ。


-チョイ古 自作PC再生計画-
CPU&マザー編 その2 5年前のハイエンドマシンをアップグレード


最新世代のメリットを理解する
CPU&マザーボード編

 近年はCPUとマザーボードは関係が深くなっており、アップグレードもセットで行なう必要がある場合が増えている。ここではメモリもあわせて考えていく。

 性能の伸び、現在のトレンドから、アップグレードプランを考えよう。

5年前のハイエンドマシンをアップグレードする

 ここでは、5年前のハイエンドマシンのアップグレードプランを3例考えてみた。5年前と言えば、Sandy Bridge時代。前世代からの進化が大きかっただけにユーザーも多いだろう。

 一つ目の王道正統派コースは、文字どおりの王道構成で、LGA1151最高性能のCore i7-6700Kに、品質、機能に隙のないアッパーミドルクラスのZ170マザーの組み合わせだ。Type-C形状のUSB 3.1 Gen.2ポートや32GbpsのM.2スロットなど先進的な機能を備えているため、将来的にNVMe SSDに乗り換えられるなど、長く使えるという安心感もある。最近は高速メモリも買いやすくなっているため、今回は少し色気を出してXMP対応のPC4-24000メモリを組み合わせてみた。

 スマートコースは、ここ1、2年で微妙に変わりつつあるトレンド、ユーザー意識を反映した構成だ。H170以下でも確かな品質と機能を備えたマザーがある現在、定格利用が前提でマルチGPUもしないなら、いわゆる「無印」の6700とH170の組み合わせのほうがムダがなくスマートと言える。USB 3.1やM.2を搭載するものを選べば、将来性を確保できるのもポイントだ。

 最後はローコストコース。最新世代のCPUを導入しつつ、それ以外への投資は最低限ですませるプランだ。メモリが流用できるDDR3対応マザー選びがポイント。ローコストがテーマとはいえ、Core i7を使うだけにある程度コンデンサや電源まわりの品質の裏付けも必要。ASRockのH110M Combo-GやGIGA-BYTEのGA-B150M-D3H DDR3などが価格と内容のバランスがよくオススメだ。

性能差を考えるとおすすめできない

アップグレードの効果は?

 ベンチマークテストでアップグレードの成果を確認しよう。テスト環境は本ページ下のとおりで、機材の都合上、性能にダイレクトに影響するCPUとメモリ以外のパーツは代替品も使用している。王道コースについては、マザーボードのデフォルト設定であるオールコアモードで測定。本来の定格に修正することも可能だが、XMPプロファイルのロード操作でも自動でオールコアモードになる。実質200MHzのOC状態だが、この組み合わせならばこの設定のほうが自然と判断した(定格性能比較は前回のテスト結果を参照)。

 それぞれの結果はご覧のとおりだ。PCMark 8の5年前の構成からの上昇分は、王道が17%、スマートが13%、ローコストが12%という結果。ビデオカードがボトルネックになっている可能性もあるため、PCMark 8についてはGeForce GTX 970搭載カードに換装した場合も測定してみたが、GPU性能に応じてスコアは相応に伸びたが、構成間の差はあまり変わらなかった。

 いずれのテストでも、スマートコースとローコストコースの差はごくわずか。メモリ性能の差が出やすい内蔵GPUでは違った結果になるだろうが、ビデオカード利用のシステムであれば影響は限定的。価格性能比で見ればかなりよい選択肢とも考えられる。DDR3が利用できるマザーの種類が少ないため、希望の製品が見付かるかどうかがカギだ。

CINEBENCH R15
PCMark 8 2.7.613─Home Accelerated 3.0
システム全体の消費電力

【検証環境】

<5年前ハイエンド>
CPU:Intel Core i7-2600(3.4GHz)
マザーボード:ASUSTeK MAXIMUS Ⅳ GENE-Z(Intel Z68)
メモリ:Corsair Vengeance LP CML16GX3M4X1600C8(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB ×4※PC3-10600として2枚のみ使用)
<王道正統派コース>
CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-PRO(Intel Z170)
メモリ:Corsair Vengeance LPX CMK16GX4M2B3000C15(PC4-24000 DDR4 SDRAM 8GB×2)
<スマートコース>
CPU:Intel Core i7-6700(3.4GHz)
マザーボード:ASRock H170 Combo(Intel H170)
メモリ:CFD 販売 CFD Panram Value Series W4U2133PS-8G(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB ×2)
<ローコストコース>
CPU:Intel Core i7-6700(3.4GHz)
マザーボード:ASRock H170 Combo(Intel H170)
メモリ:Corsair Vengeance LP CML16GX3M4X1600C8(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×4※PC3-10600として2枚のみ使用)
<各コース共通>
ビデオカード:エルザ ジャパン GLADIAC GTX 560 Ti mini( NVIDIA GeForce GTX 560 Ti)
SSD:Micron Crucial m4 CT128M4SSD2(Serial ATA 3.0、MLC、128GB)
電源:Sea Sonic Xseries XP2S SS-660XP2S(660W、80PLUS Platinum)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
アイドル時:OS起動10分後の値
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO

【最高峰プラットフォーム LGA2011-v3の世界】

高い性能とレーン数の多さが大きな強み
Core i7-5820Kでも28レーンあり、NVMe SSDのRAIDや3-way、4-wayといったマルチGPUシステムの威力をより発揮できる

 Core i7-6700Kよりもさらに上の性能を求めるユーザーには、LGA2011-v3プラットフォームという選択肢もある。最大の特徴は、6コア以上の「メニーコア」と「広帯域バス」だ。コアの多さはマルチスレッド性能に直結し、最廉価モデルのCore i7-5820KでもCore i7-6700Kを圧倒する。

 また、CPU側のPCI Express 3.0も最大40レーン(5820Kは28レーン)と多いのも特徴だ。

CINEBENCH R15
予算は必要

【検証環境】

<LGA2011-v3環境>
マザーボード:ASUSTeK X99-A(Intel X99)
メモリ:CFD販売 CFD Panram PUD43000C154G4NNJW(PC4-24000 DDR4 SDRAM 4GB×4※PC4-17000で使用)
<LGA1151環境>
マザーボード:ASUSTeK 170-PRO(Intel Z170)
メモリ:CFD販売CFD Panram Value Series W4U2133PS-8G(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×2)
<共通環境>
ビデオカード:ASUSTeK STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5(NVIDIA GeForce GTX 970)
SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
電源:Sea Sonic Xseries XP2S SS-660XP2S(660W、80PLUS Platinum)
OS:Windows 10 Pro 64bit版


[Text by 鈴木雅暢]


DOS/V POWER REPORT 2016年7月号は5月28日(土)発売】

★第1特集「あなたのPCが生まれ変わる! 3年、5年、10年前のパーツもめんどう見ます!! 『チョイ古自作PC再生計画』」
★第2特集「容量単価×用途別が正解です 『最新HDD購入案内』」
★特別企画「16GBオーバーのメインメモリはこう使え! 『Windows 10時代のRAMディスク活用術』」「ベンチで性能が丸分かり! 『一つは持ちたい最新USB 3.1/3.0メモリ』」「ウルトラワイドもオーバー30型も 『PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ』」
★連載「最新自作計画 ~最新ケースで作るパワフル小型マシン~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「39のギモンにベストアンサー! 『PC自作Q&A辞典2016』」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-05-23-0956.php

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(AKIBA PC Hotline!編集部)