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eスポーツ結果レポート:FMが接戦を制して決勝進出、「Bo5」の経験活かす

~LJL2015 SEASON2 SEMI FINAL試合結果~

非常にレベルの高い試合が繰り広げられているLJLシーズン2。セミファイナルは、最終セットまでもつれ込むし烈な戦いとなった。
接戦を制したのはDetonatioN FocusMe。現在シーズンポイントを100ポイントを所有しており、すでにグランドチャンピオンシップへの出場権は獲得している。

 League of Legendsの6チームが全10ラウンドを総当たりで戦う「eスポーツ」日本独自リーグ「LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE 2015」(以下LJL)シーズン2。今週はセミファイナルが行われ、ランキング3位のImmortals 7th heaven(以下7h)と2位のDetonatioN FocusMe(以下FM)だ。

 セミファイナルは、セットスコア3:2でFMの勝利となった。シーズン2開幕前、外国人選手やコーチの加入により戦力強化を図った両チームだったが、これまで開幕戦とラウンド6の直接対決ではともにFMが勝利。しかし両チームの実力は7勝3敗で並ぶほど拮抗しており、接戦が予想されていた。

 今回初の「Bo5」すなわち先に3勝したほうが勝利となる試合形式で実施されたセミファイナルだが、予想通りフルセットまで持ち込まれるほどの大接戦となった。しかし最終的に「Bo5」の試合経験の豊富さでFMが上回り、最終セットでFMが圧勝する結果となった。

 勝利したFMは、来週7月25日(土)にe-sports SQUARE AKIHABARAにてオフラインで開催される決勝戦においてOzone Rampage(以下RPG)とシーズン2優勝をかけて対戦する。

 では、それぞれの試合について詳しく見ていこう。

対戦カード
●セミファイナル
DetonatioN FocusMe 3―2 Immortals 7th heaven
【ランキング(ラウンド10終了時点)】
順位チーム名勝数-敗数
1位(→)Ozone Rampage9-1
2位(→)DetonatioN FocusMe7-3
3位(→)Immortals 7th heaven7-3(ペナルティ1)
4位(→)RabbitFive5-5(ペナルティ1)
5位(→)CROOZ Rascal Jester2-8(ペナルティ1)
6位(→)ApeX R Gaming0-10(ペナルティ3)

第1セット:DetonatioN FocusMe(×)vs Immortals 7th heaven(○)

中盤以降、7hがオブジェクトを次々と獲得していき完全に主導権を握ることに成功した。
ノーチラスやアリスターを主に使用してきたClockday選手だったが、今回アニーを使用し活躍を見せた。

 まず目を引いたのが、Astarore選手をジャングラーに起用してきたFMのメンバー構成である。Astarore選手はラウンド9でトップとして一度起用されているが、ジャングラーに起用されたのは今シーズン初めてのこと。しかし前シーズンはジャングラーとして活躍してきただけに、FMとしては自信を持ってのメンバー構成であると考えられる。

 第1セットの試合が動いたのは開始6分。7hがトップのガンクに成功。トップレーンでは7hが有利をつくるが、ボットレーンはFMが有利に試合を進めていく展開に。試合開始11分、FMがドラゴンを確保するも中盤以降、7hがオブジェクトを次々に確保していき集団戦にも勝利。さらに23分には7hがFMを「ACE」全滅させ、ミッドタワーとバロンをゲット。完全に主導権を握った7hは、その後もオブジェクトを順調に確保しインヒビターまで破壊。終盤、バロンバフを受けた7hがそのまま攻め込み勝利した。

 これによりセットスコアは0:1となり、まずは7hが機先を制した形となった。

第2セット:DetonatioN FocusMe(○)vs Immortals 7th heaven(×)

中盤には強いが終盤若干厳しい構成であるとされていたFMだったが、5ドラゴンをゲットしたことで終盤戦の戦力強化に成功した。
シーズン2では出番の少なかったAstarore選手だが、セミファイナルという大事な試合で活躍を見せた。

 注目された第2セットでのバンピックだが、FMは第1セットで活躍を見せたClockday選手の使用したアニーとAlvingo選手の使用したアジールをターゲットバン。「Bo1」の一発勝負で行われていたラウンドにはない「Bo5」ならではの醍醐味であると言える。

 試合開始3分、FMがトップのガンクに成功。さらに7分にはドラゴンを確保。トップレーンはFMが有利、ボットレーンは7hやや有利といった先ほどとは逆の立ち上がりに。

中盤、FMはドラゴンやタワーを順調に獲得していくも、キルがなかなか取れない状況。26分にはFMがドラゴンを確保したが、集団戦に勝利したのは7h。そのままバロンを確保し集団戦も勝利し逆転。

 しかし、FMが集団戦に立て続けに勝利し、32分には5ドラゴンをゲットしFMが再び逆転。さらにバロンバフからインヒビターを破壊し、勢いに乗ったFMがそのまま勝利を果たした。

 逆転に次ぐ逆転といった展開の熱い戦いを制したFMがセットスコアを1:1とし、勝負はふりだしに戻った。

第3セット:DetonatioN FocusMe(×)vs Immortals 7th heaven(○)

Mueki選手が「クワドラキル」を果たしたシーン。「ペンタ」にはあと一歩届かなかったものの華やかなプレイを披露した。
ツイステッドフェイトをピックしたAlvingo選手が終始見事なパフォーマンスを見せ、ゲームを「キャリー」しチームを勝利に導いた。

 今度は7hがAstarore選手の使用したイブリンとBonziN選手の使用したシェンをターゲットバン。FMも第2セットに引き続きアニーとアジールをバンし、「Bo5」ならではのターゲットバン合戦が続いた。

 序盤から積極的に圧力を与える7h。試合開始8分、7hが最初のキル「ファーストブラッド」からドラゴンを確保。

 中盤、少し静かになったものの7hがオブジェクトを渡さない素晴らしい動きを見せる。試合開始18分、7hがドラゴンをゲットすると23分には集団戦でFMを全滅させる。さらにその後Mueki選手の「クワドラキル」も飛び出した。

 少数戦で反撃を見せるも苦しい展開となったFM。試合開始30分には7hがバロンを確保し、バフを受けた状態で一気にインヒビターまで破壊。1万ゴールド以上の差をつけた7hが押し切りネクサスを破壊。7hの圧勝となった。

 これによりセットスコアは1:2で、7hが王手をかける形となった。一方、後がなくなったFMは次の試合でかならず勝利して最終セットに持ち込みたいところである。

第4セット:DetonatioN FocusMe(○) vs Immortals 7th heaven(×)

試合開始32分、FMがYutapon選手のトリプルキル、Ceros選手のダブルキルにより「ACE」ゲット。7hを全滅させることに成功した。
7hに2セットを奪われ追い込まれたFMだったが、接戦を制してセットスコアを2:2とした。写真はランブルをピックして活躍を見せたトップレーナーのBonziN選手。

 引き続き7hがイブリンとシェン、FMがアニーとアジールをターゲットバンしていく展開。ピックではチャンピオンプールの広いAlvingo選手がカサディンを選択し、注目を集めた。

 試合開始9分で7hが1キルをゲットしドラゴンを確保。しかし12分、FMがカウンターガンクを決めボットタワーを確保。その後もオブジェクトを順調に獲得しFMが優位に立つ。

 中盤、FMが集団戦を仕掛けるもうまく逃れる7h。さらに集団戦でも勝利し反撃を見せる。しかし32分、FMが7hを全滅させバロンを確保。まさにシーソーゲームである。終盤は攻めるFM、守る7hといった展開に。35分7hがタワーを守りきると、ドラゴンを連続で確保。しかしすぐさまFMがバロンを確保し、インヒビターも破壊。最終的に50分を超える接戦を制したのはFMとなった。

 これによりセットスコアは2:2となり、勝負は最終セットに持ち込まれた。

第5セット:DetonatioN FocusMe(○) vs Immortals 7th heaven(×)

Yutapon選手の「クワドラキル」のシーン。セミファイナルでは、両チームのADキャリーから「クワドラキル」が飛び出すこととなった。
シーズンを通して大活躍だったミッドのCeros選手が、やはりセミファイナルでも終始強さを見せつけていた。

 先に3勝したほうが勝利という「Bo5」形式だが、最終的にフルセットまで持ち込まれることとなったセミファイナル。両チームの実力が拮抗している証拠と言えるだろう。泣いても笑ってもこの試合に勝利したチームが決勝戦に進出する。

 試合序盤、スワップをしてきたFMがいきなりキルをゲット。さらに6分にも1キルをゲットしトップタワーも折り、FMがトップで大きな有利を得る。中盤、FMがミッドのガンクを成功させ、ミッドタワーも破壊。その後もFMが順調にオブジェクトを確保していき、Yutapon選手の「クワドラキル」もあって7hは全滅。23分にはインヒビターも破壊し、FMが完全に主導権を握る。

 なんとか巻き返しを図りたい7hだったが、終盤、バロンバフを受けたFMがネクサス前のタワーまで破壊。一旦ドラゴンを確保してから再び攻めに入ったFMがネクサスを破壊して勝利。FMの完勝となった。

 これにより、セットスコア3:2でFMがセミファイナルで勝利を果たした。序盤、FMがスワップからの「ファストブラッド」で相手のリズムを崩すことに成功したFM。7hは完全に体制が崩れ、集中力を失ったような状況だった。実力が拮抗していた両チームだが、FMが「Bo5」の試合経験の豊富さで上回ったと言える結果である。全体を通して、非常に見応えのある勝負であった。

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決勝戦は来週7月25日(土)

 決勝戦は来週7月25日(土)13時から行われる。e-sports SQUARE AKIHABARAにてオフラインで開催されるが、チケットはすでに完売済み。

 対戦カードはセミファイナルで勝利したDetonatioN FocusMeと、シーズン2の全10ラウンドを通じてランキング1位となったOzone Rampageが「Bo5」で対戦。先に3勝したほうがシーズン2の優勝となる。

 なお、シーズン2における両チームの対戦成績は2:0でいずれもRPGが勝利しているが、今日の試合からも分かるように「Bo5」の経験ではFMのほうが豊富であると言える。果たして決勝戦で優勝の栄光に輝くチームはどちらになるのか、絶対に見逃せない戦いだ。

編集部より

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[写真提供 株式会社SANKO]

(AKIBA PC Hotline!編集部)