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頂上決戦、FM vs RPGはどうだったのか?
~試合の流れを徹底解説!Revolレポート~
LJL SEASON2 ROUND10 DetonatioN FocusMe vs Ozone Rampage
(2015/7/18 19:18)
Team Composition~両チームのチャンピオン構成~
DetonatioN FocusMe(以下FM)の構成はPokeとKiteを核にした構成だ。
EzrealがAPビルドに進みPokeを主役を担う。Tristanaは25分から30分以降の装備が整った段階で力を発揮し、Ezrealと共に敵の攻撃をいなしながらダメージを出していく。その際にNautilusとGragasとBraumが壁となって敵の攻撃を防いだり吹きとばしたりして時間を稼ぐことが重要だ。EzrealとTristanaの集団戦における位置取り、そしてNautilusとGragasとBraumの判断が鍵になるだろう。
Ozone Rampage(以下RPG)の構成はEngageと集団戦を核にした構成だ。
Hecarim、Ekko、Sivir、Annieとそれぞれが集団戦を開始するための強力なスキルを備えている。さらには全員が範囲攻撃に長けているため、集団戦における制圧力が非常に高い。しかし分断されてしまうとその制圧力を活かしづらいため、いかに分断されずに集団戦を行えるかが鍵になるだろう。
In-Game
18分に始まった集団戦から観てみよう。この集団戦はFMのPick-upから始まっている。最初にAnnieをGragasのULTで捕まえFMに有利な形で始まったにも関わらず、最終的にはRPGが勝利した。
GragasがAnnieを孤立させるようなULTを使ったが、Annieはすぐさまフラッシュを使うことでその状況を回避した。FMは攻撃のターゲットをAnnieに絞ることができず、すぐさまEkkoに切り替えた。ここでEkkoの強みが発揮される。
EkkoはJunglerとしてPickされた場合、Cinderhulkを買って硬めの装備にすることが多い。ULTは発動する4秒前から発動した瞬間までに受けていたダメージの20%を回復する能力がある。それらを活かしてEkkoは見事にSoak、相手のダメージを吸い上げることに成功した。そして時間を稼いだ間にRPGのキャリーはしっかりと寄っていた。ここからRPGの逆襲が始まる。
18分の段階ではまだFMのメインキャリーであるEzrealとTristanaは装備が整っていない。
EzrealはまだNeedlessly Large Rodから派生した武器をもっていないし、Tristanaは攻撃速度を強化する武器やLast Whisperが買えていない。これらのアイテムが揃ってからようやく集団戦で活躍できるチャンピオンなので、こういった数的優位のない状況だと厳しい事態に陥ってしまう。
さらには強力な範囲攻撃スキルであるEzrealのULTをEkkoのためだけにすでに使ってしまっていたというのも負ける要因になっただろう。Ekkoをすぐさま倒すことができていれば展開は変わっただろうが、残念ながらそうはならなかった。そしてRPGは構成の強みを活かして集団戦に勝利する。
ドラゴンと集団戦
25分40秒にドラゴンを確保するための集団戦が発生した。
このドラゴンはRPGにとっては3つ目だが、FMはまだ1つもドラゴンを確保できていない状況だ。3つ目のドラゴンのバフは移動速度を上昇させるバフであり、RPGの構成と非常に相性が良い。FMとしてはドラゴンは渡すことのできない重要なオブジェクトになっている。
RPGとしてはFMの動きにあわせてドラゴンを確保するか、それとも集団戦をしかけるか判断すれば良い状況。主導権を握っており、それをより強固な形にするために相手に選択を迫るような状況を作り上げたと言える。
一方のFMとしてはドラゴンを渡したくないためにRPGとの距離を詰めなければならない状況になったといえる。しかしFMは2人のメインキャリーを守らなければならない構成だ。そういった構成の時に相手と距離を詰めざるを得ないこの状況は、瞬時に適切な判断を下せなければ一気に最悪の結果になりうる可能性が高いだけに、彼らのチームとしての強さが求められると言えよう。
RPGはEkkoのゾーンコントロール能力を活かしてFMの2人のキャリーを集団戦から追い出し、分断した。そしてその瞬間、Annieが前線のGragasとBraumを捕まえたことで、FMとしてはキャリーを手助けすることもできず、さりとてキャリーがダメージをだすこともできずという状況に追い込まれてしまった。
RPGの見事な連携が光った集団戦といえよう。
Kite、引き撃ち
RPGだけでなくFMも狙い通りの集団戦はおこなえていた。30分50秒あたりからの集団戦がそれだ。
今回はRPGの仕掛けに対してFMは素早く反応している。RPGが距離を詰めてこようとしたタイミングで、GragasとBraumが相手を吹きとばしたり移動速度を下げるULTを使用することで、EzrealとTristanaは安全に下がることができている。重要なのは、RPGが距離を詰めるためのスキルを使用してからGragasとBraumがスキルを使用したことだ。これによってRPGの集団戦を起こすための手段を潰すことができている。
FMは狙い通りの動きができたと言えよう。
GragasとBraumで敵を分断しつつ、突出したHecarimをBraumのパッシブとTristanaの強力な単体攻撃能力を活かして体力を削っていった。AnnieがTristanaを含めた3人にスタンを当てているが、そこに連続するような形で範囲攻撃や範囲拘束能力を重ねることができていない。これがFMの構成による強みと言えよう。
FMは前衛であるBraumを倒されはするものの、長距離からのEzrealのULTがRPGのメンバーの体力を削っていたため反転が可能となった。
Nautilusがテレポートで参戦したタイミングというのもあっただろう。FMは前方に瞬間移動できるスキルをもったチャンピオンばかりであり、さらにはNautilusの長距離から拘束できるスキルも相まって、こういった追撃戦を得意としている構成になっている。RPGにTristanaを倒されてしまったことで大勝利とまではいえない結果になってしまったが、構成の狙い通りの動きができた見事な集団戦だった。
Conclusion
FMは途中で立て直したものの、やはり序盤から中盤にかけて有利をとっていたRPGが試合に勝利した。
FMは中盤の時間帯に弱い構成でどうしのぐか、そして集団戦で2人のキャリーを守りきることが重要だったが、前者は失敗し、後者は遂行しきることができなかった。
一方、RPGは構成の狙いである敵の後衛への飛び込み、そして範囲攻撃能力を活かし見事な試合運びをみせた。
FMはプレイオフに向けて不安の残る内容と結果となり、一方でRPGは盤石な構えだ。プレイオフはどういった結果になるのか、そしてグランドチャンピオンシップにどのチームが出場するのか。18日(土)と25日(土)は目が離せない試合になるだろう。
[写真提供:SANKO]