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NVIDIAが初の大型イベント開催、GTX 1080や組み込み向け製品をアピール
攻殻機動隊「タチコマ」の展示やプロゲーマー対戦、VR体験コーナーも text by 石井英男
2016年6月22日 11:15
GeForce GTX 1080の魅力を紹介するエヌビディア合同会社(以下NVIDIA)主催のイベント「NVIDIA ULTIMATE FESTA 2016」が、6月18日(土)にベルサール秋葉原 1階 イベントスペースで開催された。
このイベントは、NVIDIA初の大型イベントであり、先日発売されたばかりの最新フラッグシップGPU「GeForce GTX 1080」の魅力をさまざまな角度からアピールするために開催された。多くの来場者が集まり、大盛況であった当日の様子をレポートする。
発売されたばかりの新GPU「GTX 1080」を全方面から全力アピール
NVIDIA ULTIMATE FESTA 2016会場では、各セッションが行われた「ULTIMATE TECHNOLOGY THEATER」と、eスポーツ関連のイベントが行われた「ULTIMATE ESPORTS」の2つのステージが設けられたほか、GTX 1080を搭載した各社のPCで最新ゲームを体験できるコーナーやMOD PC展示コーナー、最新VRの体験コーナーなど、様々なコーナーが用意され、来場者を楽しませた。ベルサールではこれまでにもいろいろなPC関連イベントが開催されてきたが、今回のイベントの盛り上がりは、その中でもトップクラスであり、GTX 1080への関心の高さが浮き彫りとなった。
ULTIMATE TECHNOLOGY THEATERのセッションは、GeForce GTX 1080」の最新技術の解説や、”改造バカ”として有名な高橋敏也氏とNVIDIAの高橋一則氏のセッション、ディープラーニングやVRに関するセッションなど、GTX 1080の魅力をさまざまな角度からアピールするものであり、用意された座席が埋まり、立ち見もでるほどであった。
ここでは、その中からいくつかのセッションの様子を紹介する。
「DOS/V POWER REPORT」の連載などで有名な高橋敏也氏は、NVIDIAアンバサダーとしても活動しており、今回のイベントでは、「NVIDIAアンバサダー高橋敏也の目から見たPascalの魅力」と題したセッションを行なった。高橋氏は熱心なゲーマーでもあり、GTX 1080に採用されているPascalアーキテクチャは、特にゲームやVRにおいて高い性能を発揮するとし、「GTX 1080を早速購入したが、あらゆる場面でヌルヌルと快適に動くことに驚いた」とその印象を語っていた。
最近、注目が集まっているIT関連ワードといえば、なんといってもディープラーニング(深層学習)であろう。NVIDIAの村上真奈氏は「エヌビディアが加速するディープラーニング」と題したセッションを行なったが、こちらにも多くの来場者が詰めかけ、熱心に話を聞いていた。同氏は、NVIDIAのGPUはディープラーニングの高速化に非常に大きな効果があり、最新のGTX 1080ではさらに処理性能が大きく向上したと解説し、ディープラーニングは自動運転や翻訳、医療分野など、さまざまな分野での活用が期待されていることを紹介した。
また、ディープラーニングと同じく注目されている分野としてはVRがあり、GTX 1080でもVRが主な用途の一つとして挙げられている。NVIDIAの矢戸知得氏は、「エヌビディアが実現する究極のヴァーチャルリアリティ」と題したセッションを行ない、VRでは一般的なゲームに比べて約7倍の処理性能が求められることや、GTX 1080にはVRの処理を大きく加速するための「同時マルチプロジェクション」機能があり、VRでは前世代のフラッグシップGPUであったGTX 980に比べて2倍の絶対性能と3倍の電力効率を実現していることなどを解説した。また、同社が開発したVRゲーム「VR FUN HOUSE」を近日中にSteam VRで無料公開し、ソースコードもオープンとすることを発表した。
MOD PCで有名な森田健介氏の作品も展示
会場には、MOD PCコーナーが用意されており、森田健介氏の作品が展示されていた。森田氏もNVIDIAアンバサダーの一人であり、NVIDIAのコーポレートカラーであるグリーンを採用した山手線PCや戦車型PC、Pascal計算機PCなどが展示されていた。
また、ULTIMATE TECHNOLOGY THEATERでは、同氏によるセッション「NVIDIAアンバサダー、森田氏制作の最新MOD PCについて語る」も行なわれた。
Jetsonの採用事例やドローン、自動運転車なども展示
Jetson TK1やJetson TX1などの組み込み向け製品に関する展示も興味深かった。Jetson TX1を搭載したドローンや多脚戦車「タチコマ」のほか、ZMPの自動運転車「RoboCar」も展示されていた。Jetsonは、コンシューマーが普段あまり目にすることがない製品であり、熱心に質問をする人もみられた。Jetsonは、いわゆるコンピュータービジョンを得意としており、つくばで行なわれている自律ロボットによるチャレンジ「つくばチャレンジ」の課題である立て看板の認識をJetson TX1を用いて行なう事例などがデモされていた。
RoboCarには、多数のセンサーやカメラが搭載されており、すでに公道での自動運転実験も実施されているという。搭載システムを直接見ることはできなかったが、NVIDIAのGPGPU技術が使われているとのことだ。
eスポーツイベントも大盛り上がり
道路に面した側に設けられたステージ「ULTIMATE ESPORTS」では、プロゲーマーや声優が参加したeスポーツイベントが行なわれており、大きな盛り上がりを見せていた。
(編集注:この中で実施されたFPSゲーム「Overwatch」のイベントについてはGame Watchが詳細を掲載していますので、そちらも合わせてご覧ください)
予約があっというまに埋まったVR体験コーナー
VR体験コーナーも、本イベントの目玉の一つだ。ヘッドトラッキングやポジショントラッキング、フォースフィードバックなどを含む、本格的なVRを体験できる環境はまだまだ珍しく、Webからの事前予約もあっという間に埋まったという。
ここではHTC ViveルームとOculus Riftルームの2つの個室が用意されており、快適な環境でVRを楽しむために1人ずつ体験できるようになっていた。VRルーム内で体験している人の様子とその人が見ている映像が、外のモニターに表示されていたのも面白かった。
ANSELや最新ゲームの体験コーナー、インテルコーナーも人気
その他、NVIDIAが開発した新機能「ANSEL」のデモコーナーや最新ゲームをGeForce GTX 1080搭載ゲーミングPCでプレイできるゲームコーナーも用意されており、最新GPUの性能を自分の目で確かめたいという人で賑わっていた。また、インテルコーナーもあり、最新の10コアCPU「Core i7-6950X」搭載機の展示やジサトラアキラ氏らによるミニセッション、秋葉原のショップを巡ってスタンプを集めるスタンプラリーなどが行なわれており、こちらにも多くの人が集まっていた。