マイクラ × 自作パソコン

マインクラフトのPC版、古いPCと新しいPCではどう違う?
~「影Mod」を入れて比較してみた~

PC版で遊ぶなら「影Mod」を導入して滑らかな描画で楽しみたい。

 PC版のマインクラフトはそれほど高い性能が必要なゲームではありません。結構昔のPCでも楽しく遊べる「手軽で奥深いゲーム」です。

 しかし、PC版の楽しみのひとつ、「美しい画面」を実現するなら違ってきます。「美しい画面」を実現する代表的なMod(*1)である通称「影Mod」を使う場合、4、5年前のミドルレンジのクラスのマシンではかなり動作が厳しくなります。

 今回は、その状況を紹介しましょう。

*1 メーカー非公式で開発され、インターネット上で公開されている拡張キット。様々なModが公開されており、「ひと味違ったマインクラフト」が楽しめる。

4年前のPC vs 最新PCなめらかに動かそうとすると画質はどうなる?

 マインクラフトは、Modを導入していない状態(通称“バニラ”)ならCPU内蔵のグラフィックス機能でもプレイ可能です。

 しかし、影Modを導入し、美しい画面を楽しみたい場合は話が変わります。高いスペックが必要となり、4、5年前は高スペックと呼ばれたデスクトップPCでも動作は厳しいと言えます。画質設定を下げればプレイできますが、それでは魅力が半減。

 ここでは、約4年前のハイエンドCPUとミドルレンジビデオカードを中心としたPCと、最新世代のハイエンドCPUとアッパーミドルクラスのビデオカードを組み合わせたPCでは、どれほど性能に差があるのかを紹介します。

【4年前のPCではこの画質】
【4年前のPCでの画面例(左) / 設定例(右)】
 3Dゲームでは1秒間の描画速度が60回(60fps)に達していることが快適さの目安になりますが、約4年前のPCのCore i7-2600とGeForce GTX 650 Tiという組み合わせでは、フルHD解像度だと描画設定を[処理優先]に、影Mod(シェーダー)のプロファイルを最低の[Low]に、さらにChroma Hills(リソースパック)の導入をあきらめてようやく約60fpsで動作します。
【最新PCでは高画質に】
【最新PCでの画面例(左) / 設定例(右)】
最新世代のCPUであるCore i7-6700Kと、同じく最新世代のビデオカードであるGeForce GTX 1070を組み合わせた場合の設定例。フルHD解像度で描画設定を「描画優先」、影Modのプロファイルを最高の「Extreme」、Chroma Hillsを導入しても60fpsをキープできます。草木のリアルさ、水面の表現などあらゆる面で美しいのが一目で分かります。

【検証環境】

【Intel Core i7-6700K】
現在もっとも普及しているLGA1151で最上位のCPUです。4コア/8スレッドの処理に対応し、Turbo Boost時は最大4.2GHzで動作します。どの処理にも強い万能選手と言える存在です
【GIGABYTE GeForce GTX 1070 G1 Gaming】
話題のVRにも対応できるNVIDIA最新のアッパーミドルクラスGPU、GeForce GTX 1070を搭載。ビデオメモリは8GBと潤沢で、多くのゲームを高画質で快適に楽しめる性能を備えています。

●最新世代のPC
マザーボード:GIGA-BYTE GA-Z170X-Gaming 3(rev. 1.0)(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial CT2K8G4DFD8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM DIMM 8GB×2)

SSD:Samsung 850 EVO MZ-75E250B/IT(Serial ATA 3.0、TLC、250GB)(4年前のPCと共通)
電源:Corsair CX550M(550W、80PLUS Bronze)(4年前のPCと共通)

【Core i7-2600】
 2011年1月の発売。4コア/8スレッドの処理に対応し、Turbo Boost時は最大3.8GHzで動作します。Sandy Bridgeと呼ばれる世代のCPUで、性能面ではまだまだ現役と言えるレベルです。
【GeForce GTX 650Ti搭載カード】
 NVIDIA GeForce GTX 650 Tiを搭載。ビデオメモリは1GBのみと現在のミドルレンジのビデオカードと比べると少なめです。当時は1万円台前半の価格で流通していました。

●4年前のPC
マザーボード:GIGA-BYTE GA-Z77X-D3H(rev. 1.0)(Intel Z77)
メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)

SSD:Samsung 850 EVO MZ-75E250B/IT(Serial ATA 3.0、TLC、250GB)(最新PCと共通)
電源:Corsair CX550M(550W、80PLUS Bronze)(最新PCと共通)

影Modはこれだけのパワーが必要になる!

 今度は画質設定を同じにした場合、4年前のPCと最新PCでは「表示のスムースさ」がどう違うか、見てみましょう。

フルHD・プロファイル[High]

 描画関係の設定はすべてデフォルトのまま、シェーダーのプロファイルのみ[High]に設定した場合の平均fps(フレームレート)を測定しています。4年前のPCでは約15fpsとカクカクとした動作でプレイできるレベルではありません。その点、最新世代では約108fpsと余裕を残しています。

フルHD・プロファイル[Low]

 プロファイルを[Low]に変更して平均fpsを測定。水面の表現などが簡易的になるLow設定でも、約4年前のPCでは快適に遊ぶのが難しいことが分かります。約4年前のPCで影Modを使ってプレイするには解像度を落とすしかありません。High設定でも快適な最新世代ではこうした心配は不要です。

描画設定のポイントはココ

 さて、影Modでの描画設定のポイントを紹介します。

グラフィックス

[描画優先]
[処理優先]

 [描画優先]にすると木々の間から光が見えるなど、表現が豊かですが処理は重くなります。[処理優先]にすると、描画がシンプルですが処理は軽くなります。ただし、リソースパックを使っていると変わらない場合があります

描画距離

描画距離:20
描画距離:7

 数値を小さくするほど物体を表示する距離が短くなりますが、処理は軽くなります。逆に数値を高くするほど遠くまで表示されますが、負荷はとても大きくなります

スムースライティング

 光の表現に関する設定です。オフ、最小、最大の3種類が用意され、この順番で処理が重くなります

霧の種類

 ビデオカードが対応していると霧を表示。オフ、処理優先、描画優先があり、順に処理が重くなります

【検証環境】
Windows版マインクラフト(Ver 1.10.2)にOptiFine 1.10.2 HD U D4 、SEUS v11.0、Chroma Hills 1.9を導入し、描画に関する設定は最大フレームレートを[無制限]にした以外はデフォルト、シェーダーのプロファイルを設定した状態で、特定のルートをトロッコに乗って移動した際の平均fpsを「Fraps」で測定。

「PCの新旧比較」 イベントで体験できます!

 さて、上記でお伝えしたような「PCの新旧比較」、今週末に秋葉原で開催するイベント「マイクラ ×自作パソコン」(入場無料、主催/旭エレクトロニクス、協力/日本ギガバイト)では実際にプレイしての比較ができます。

 概要は以下の通り。マイクラを楽しむためのPC自作例の展示や、生配信の入門講座、プログラミング体験、マルチプレイサーバの構築など、PCならではの「マインクラフトの楽しみ方」を多数ご紹介しますので、ご興味のある方は是非ご来場下さい。

【イベント概要】

イベント名
Windows 10で楽しもう
「マイクラ ×自作パソコン」
~パソコンでしか楽しめないMod導入からマルチプレイサーバの立て方まで~
主催
旭エレクトロニクス株式会社
協力
日本ギガバイト株式会社

日程
2016年12月10日(土) 12時30分~17時00分
場所
秋葉原UDXカンファレンス Room D
住所
〒101-0021 東京都千代田区外神田4-14-1 6F
イベント詳細
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/event/minecraft_pc/1031713.html
http://www.gigabyte.jp/WebPage/-83/20161210_event.html