NAS EXPO 2015 秋

「最近のNASは以前とは違う」ウエスタンデジタルジャパン
~「NAS EXPO 2015 秋」見所紹介(1)~

text by 石井英男

NAS EXPO 2015 秋

 多くの主要NASメーカーが参加、スマホとの連携からビジネスでの活用まで、幅広くNASをアピールするというウエスタンデジタルジャパン主催のイベント「NAS EXPO 2015 秋」が、2015年10月10日(土)の11:00~18:00に、ベルサール秋葉原で開催される。

 今回が初開催となるこのイベントは、「NASに特化した複数メーカーによるイベントはおそらく初めてではないか」(同社)というもの。

 同社はもちろん、アイ・オー・データ、ASUSTOR、CFD販売、QNAP、WinDiskRescue、Synology、Schneider Electric、テックウインド、フィールドレイクといったメーカー・代理店が様々な展示やセッションを実施。メーカースタッフなども来場して、質問などもできるという。

 そこで弊誌では、出展社に事前インタビュー、見どころなどのポイントをお伺いしてみた。

 初回となる今回は、主催のウエスタンデジタルジャパン。イベントそのものの開催の狙いや同社ブースの見所、セッションの内容など、気になる人は是非参考にして欲しい。

「最近のNASは以前とは違う」機能向上で便利になったNASを広く知ってもらいたい

ウェスタンデジタルジャパン株式会社 チャネルマーケティングマネージャー 宮本貴通氏

 NAS EXPO 2015 秋は今回が初の開催となる。その開催を決めた理由について、ウェスタンデジタルジャパンのチャネルマーケティングマネージャー 宮本貴通氏(以下、宮本氏)に尋ねた。

[宮本氏]「WD Redはおかげさまで好調な売れ行きですが、日本の市場において、NASというものがまだそこまで盛り上がっていないというか、一定の市場規模はありますが、あまり変わっていないんですね。しかし、今は、スマートフォンやタブレットなどいろんな機器を持ち歩くようになり、データを蓄えておくストレージの必要性が向上しています。NASは、さまざまな機器から利用できるとても便利なストレージですが、まだまだ知らない方もいるのでもっと広めていきたいと考え、NAS EXPOを開催することにしました」

 確かに、NASという言葉自体は古くからあるが、以前のものはLAN経由でデータにアクセスするだけのシンプルな機能しか持っていなかった。

 しかし最近のNASは、パーソナルクラウド的にインターネット経由でどこからでもアクセスできたり、スマートフォン専用アプリが用意されているなど、以前とは比べものにならないほど高機能化している。宮本氏は、古くからNASを使っているユーザーに対してその点をアピールしていきたいという。

[宮本氏]「昔からのNASという言葉を知っている方は、NASはなんか難しいとか、設定がいろいろあって大変とか、そういうマイナスのイメージ持っている方って多いと思うんですが、今は、各NASメーカーが競い合って機能を向上させています。このイベントで各社のNASを見ていただいて、みなさんに活用いただけるきっかけになるようにしたいと思ってます」

 NAS EXPO 2015 秋では、NAS製品だけでなく、UPSの展示やデータ復旧サービスの紹介なども行なわれ、最新NASとその周りのエコシステムが全てわかるようなイベントを目指しているという。

 すでにNASを活用されている上級者からNASを全く使ったことのない人まで、いろんな方に来ていただき、自分に合った用途のものを見つけて、導入のきっかけを作っていただきたいとのことだ。

ブースの見どころ:スマホ/タブレット連携で便利なNAS「WD Cloud」とNAS向けHDD「WD Red/WD Red Pro」

ブースで展示予定のWD Cloud(左)とMy Book Duo(右)

 ウエスタンデジタルジャパンブースの見どころは、先日発売されたばかりのNAS「WD Cloud」とNAS向けHDDである「WD Red/WD Red Pro」の二本立てという。

[宮本氏]「まず、WD Cloudですが発売して間もないので、まだ知らない方も多いかと思います。そこで、その使いやすさを展示で見せたいと思っています。同時にWD RedとWD Red Proも展示させていただきます。我々は、使用目的別にふさわしいHDDを用意していますので、なぜNASにはWD Red/WD Red Proがいいのかということもご説明しようと思っています」

 WD Cloudのウリの一つは、PCがなくてもスマートフォンやタブレットからも設定できるということである。また、iPhoneやAndroid用に提供されているモバイルアプリも使いやすく、モバイルデバイスとの親和性が高いことが魅力だ。

 「PCを持っておらず、スマートフォンで写真を撮り過ぎて、空き容量が少なくなって困っている」といった人にも、WD Cloudは最適なソリューションになるという。

ブースで展示予定のWD Red(左)とWD Red Pro(右)

 もう一つの見どころであるNAS向けHDDのWD Red/WD Red Proは、一般PC向けのWD Blueと異なり、24時間365日の通電を前提に設計されており、ファームウェアもNAS向けにチューニングされた「NAS Ware」が搭載されている。

 また、NASでは、複数のHDDを搭載してRAIDを構築することも多いが、そうした場合、お互いのHDDからの振動が共振しないように、HDDの回転を安定させる機能も搭載されている。

 さらに、WD Redを搭載した製品ということで、外付けHDDの「My Book Duo」も展示される予定だ。My Book Duoは、RAID 1にも対応しており、信頼性が高いため、デジタル一眼レフユーザーにも人気がある。WD CloudにもUSBポートが用意されており、デジタルカメラを接続すると、デジタルカメラの中の画像データを自動的にWD Cloudに転送する機能が用意されているので、そうした活用法も紹介する予定とのこと。

 Western Digitalといえば、PC自作の経験がある人なら誰でも知っている大手HDDメーカーであり、HDD世界シェアNo.1を誇る。Western DigitalのHDDが高いシェアを獲得している理由について、宮本氏はこう話してくれた。

[宮本氏]「おかげさまで、ベアドライブとしては、2台に1台はWDの製品になっています。皆さんには、信頼性を高く評価していただいているわけですが、弊社製品は自社工場でしっかりと製造していますし、一番シェアが高いということは、世界中で一番フィールドテストされているHDDでもあります。そういった意味でも、何かあればすぐフィードバックが入ってきて対応すると、そうしたことの積み重ねで、今のこういう状況になっているのかなと思います」

セッションの見どころ:スマホとの連携で脱「PC中心」へ、HDDラインナップの紹介も

 同社はブース展示とは別に、ステージでのセッションも行なう予定だ。セッションでは、Westren DigtalのHDDラインナップや新製品のWD Cloudとスマートフォンとの連携などが紹介されるとのこと。

[宮本氏]「NASって誤解されている部分もあるんですよね。ネットワークHDDなどと呼ばれていたこともありますが、これだとPC中心の考え方ですよね。でも、今のNASはもうそういうものではなく、スマートフォンとかタブレットでデータを共有したり、誰かに何かを送ったりとか、そういうことにも使える。今はNAS用のアプリも充実してますので、自分で機能をカスタマイズすることもできます。だから、単機能NASを使っている方にも是非、来ていただきたいと思います。WD Cloudは、クラウドとの連携機能も充実しており、『パーソナルクラウド』と呼んでいます。私たちは『一家に一台パーソナルクラウド』」という気持ちでやってますので、WD Cloudは、ボディも白いので、リビングに置いていただいても違和感がありません」


 なお、イベント当日のタイムテーブルは以下の通り。同社のセッションは15時からとなっている。

【当日の予定】

【11:45~12:15】

ASUSグループNAS専業メーカーASUSTOR最新情報ご紹介
登壇者:CFD販売株式会社 リテールマーケティンググループグループリーダー 三宅 康裕氏
【12:45~13:15】アイ・オーのNASにWD Redを採用した本当の理由(ワケ)ビジネスNAS選びには「3つの安心」がカギとなる
登壇者:株式会社アイ・オー・データ機器 事業戦略本部企画開発部企画2課課長 宇津原 武氏
【13:45~14:15】ゲストトークショー 声優 金田 朋子 MC ジャバダバふじ
【15:00~15:30】「あなたのNASにWD Redは入ってますか?」
~スマホ・タブレットに最適な、WD Red搭載パーソナルクラウドWD Cloud~

登壇者:ウェスタンデジタルジャパン株式会社チャネルマーケティングシニアマネージャー 安田 伸幸氏
【16:00~16:30】PCだけじゃない、AV機器もスマホもタブレットもつながる最新NASは超便利
登壇者:テクニカルライター 清水 理史氏
【17:00~17:30】“データ復旧のプロが語る”
「HDDの構造とデータ復旧技術の最新情報について」

登壇者:
株式会社くまなんピーシーネット代表 浦口 康也氏

[制作協力:ウェスタンデジタルジャパン]

(石井 英男)