買ってみたらこうだった!
発売されたばかりのA8-7670Kを殻割り、中身は金属ハンダなのかチェック
text by 瀬文茶
2015年8月3日 00:01
どーも、時間ができたら自転車で千葉県をぐるっと一周してみたい瀬文茶です。
さて、今回はWindows 10のDSP版が発売の前日、7月31日に発売されたばかりのAPU、A8-7670Kを購入してみたので、その”中身”をチェックしてみました。
Godavariは下位もソルダリング仕様、A8-7670Kのヒートスプレッダを剥ぐ
結論から言えば、Godavariコアを採用するA8-7670Kでは、シリコンダイとヒートスプレッダがハンダ付け(ソルダリング)されていました。
先に登場したGodavariコア採用製品であるA10-7870Kにおいて、シリコンダイとヒートスプレッダを熱的に接続するThermal Interface Material(略してTIM)に、サーマルグリスでは無く金属を用いていることをPC Watchにて紹介しましたが、これで少なくともDIY向けに供給されているGodavariコア採用APUについてはソルダリング仕様であることが確認できました。
動作クロックがA10-7870Kほど高くなく、付属クーラーもKaveri世代のAPUと同じものに戻されたA8-7670Kについては、TIMもサーマルグリスに戻されているのでは無いかと心配していましたが、どうやら杞憂だったようです。
ちなみに今回の殻割りでは、いつものカミソリではなく、万力を使った殻割りにチャレンジしてみました。
万力にCPUを挟む際、口金(挟む部分)の片側を基板、もう片方にヒートスプレッダが当たるよう斜めに取り付け、その状態で締めることにより、ヒートスプレッダを基板に固定しているシール材を断裂させるということらしいです。シール材の強度は基板やスプレッダよりも弱いですから、確かに理に適っていますね。
で、実際にやってみた訳なのですが、A8-7670Kがソルダリング仕様であったこと、そして筆者の用意した万力のハンドルが力を加えにくい仕様であったため、思うようにヒートスプレッダを外すことは出来ませんでした。
TIMとシール材の軟化を狙い、ヒートガンで熱してもみたのですが、結果としてヒートスプレッダが横にズレるだけで外れないという状況に陥り、最後はカミソリでシール材を切除し、ヒートガンではんだを溶かして外すことに。
かなりグダグダとした殻割り作業でしたが、殻割り後のAPUでもOSの起動までは動作が確認できたので、ひとまずは結果オーライということで。万力での殻割りは「次回」に持越しですね。
上位に迫るA8-7670Kのパフォーマンス、割安感のあるAPU
A8-7670KというAPUがどの程度のパフォーマンスを持っているのか、参考までに「CINEBENCH R15」と「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」を使って、上位モデルのA10-7870Kと比較してみました。
なお、テストは殻割り前に行ったものです。
テスト環境機材
メモリ DDR3-2133 4GB×2
マザーボード ASUSA88X-PRO
電源 SilverStoneSST-ST75F-P(750W)
OS 日本マイクロソフトWindows 8.1 Pro Update(64bit)
グラフィックスドライバCatalyst 15.7.1(Windows 8.1 64bit用)
CINEBENCH R15のCPUスコアで約6%、ドラゴンクエストX ベンチマークでは約10%、それぞれA10-7870Kにリードされています。
それなりにスコア差はついていますが、個人的にはこの程度の性能差であれば、A8-7670Kの価格面でのアドバンテージの方が大きいような気がします。
税込18,000~19,000円で販売されているA10-7870Kに対し、税込15,000円以下で購入できるA8-7670K。差額分でちょっと良いCPUクーラーを買ったりすれば、最上位モデルであるA10-7870K以上に快適なPCを作ることができるかもしれません。
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