借りてみたらこうだった!

4K出力に対応したShuttleのH81搭載自作キット「DS81」を試す

VESA対応のコンパクト/スリム型筐体

 今回お借りしたのは、ShuttleのIntel H81 Expressチップセット搭載ベアボーンキット「DS81」。1.3リットルのスリムなケースを採用した、コンパクトサイズのベアボーンキットです。

4K出力も可能なHaswell対応ベアボーンキット

筐体正面。SDカードスロット、USB2.0ポート、音声入出力を装備。
筐体背面。映像出力ポートはDisplayPort×2とHDMI×1。
筐体天板。CPUクーラー用の吸気口が設けられている。
筐体側面。排気口が設けられている。
VESAマウント用金具を取り付けた状態の筐体底面。
VESAマウント用の金具。
ACアダプタ。最大で90Wの出力が可能。

 Intel H81 ExpressチップセットベースのベアボーンキットであるDS81は、165mm×190mm×43mm、容量1.3リットルというコンパクトな筐体を採用した、Shuttle製ベアボーンキットの中でもIntel NUCのカウンターパートにあたる製品です。LGA 1150ソケットを備え、TDP 65W以下のHaswell世代CPUを搭載でき、4Kディスプレイへの画面出力にも対応しています。

 スチールで作られたDS81の筐体は、コンパクトでありながらも十分な強度を実現。VESA規格にも対応しており、75mm×75mmまたは100mm×100mmのVESA規格に対応するディスプレイの背面に取り付けての運用も可能。

 筐体に備えられたインターフェースは、フロントパネル側に音声入出力、USB2.0ポート×4、SDカードスロット。リアパネル側にUSB2.0ポート×2、USB3.0ポート×2、RS232ポート×2、Gigabit LAN×2、DisplayPort×2、HDMI×1。また、背面には電源スイッチ用のピンヘッダが用意されており、別途ケーブル長の長いスイッチを用意することで、VESAマウントを用いてディスプレイ裏面に本体を配置した場合でも、手元で電源のON/OFFを行うことができます。

筐体背面の電源スイッチ用ピンヘッダ。反対側のピンヘッダはCMOSクリア用。
筐体正面のカードスロットにSDカードを差し込んだ状態
DS81のカードスロットの速度。右側は同じカードをUHS-I対応カードリーダー(USB 3.0)に接続したもので、DS81のカードスロットはUHS-Iには対応していないようだ。

 筐体内部を見てみると、DDR3 SO-DIMM対応のメモリスロットが2基用意されており、最大16GB(8GB×2)までメモリを搭載することが出来ます。その他、ハーフサイズのMini PCI Expressスロット1基と、mSATA共用のフルサイズMini PCI Expressスロット1基を備えている他、ストレージ接続用のSATA 6Gbpsポートと3Gbpsポートを1基ずつ備えています。もっとも、SATAポートは2ポート用意されていますが、ストレージを取り付けるベイは2.5インチシャドウベイ1つだけなので、ケースに収めて使う限り、実際に利用できるのはどちらか片方のみとなります。

DS81の筐体内部
2基のファンを備えるShuttle仕様のオリジナルCPUクーラー。2本のヒートパイプによってヒートシンク全体に熱を伝える仕様。
電源回路部分には耐久性の高い固体コンデンサを採用。24hour/7days(日本で言うところの24時間365日)の常時稼働が可能なデザインを採用している。
Mini PCI Expressスロット。上側のフルサイズスロットはmSATA共用。
mSATA SSDを搭載したところ
2.5インチドライブを1基搭載可能なシャドウベイ。
MSATAポート。メモリスロット側が3Gbps、反対側が6Gbpsに対応している。
標準装備のSATAケーブルと電源ケーブル。別途ケーブルを用意することなく、2.5インチドライブを取り付け可能。
DDR3 SO-DIMMスロット。最大で16GBのメモリを搭載可能。
Intel Core i7-4770S搭載時(左)とIntel Celeron G1820搭載時(右)のメモリクロックの違い。G.SKILL製DDR3L-1866メモリを搭載してみたが、CPUがサポートするメモリクロックに合わせ、メモリのSPDを自動で読み込んで設定されるようだ。なお、UEFIに設定項目が無いため、メモリクロックや電圧は自動設定のみとなる。


4Kディスプレイの出力にはIntel HD Graphics 4600以上のCPU内蔵グラフィックスが必要

 DS81の4Kディスプレイへの映像出力については、CPU内蔵のグラフィックス機能に依存しており、Intel HD Graphics 4600が必要です。また、4K解像度の動画を再生するには、CPUの内臓グラフィックスがIntel HD Graphics 4600であることに加え、メインメモリを16GB以上搭載する必要があります。

 今回、Shuttleよりお借りしたIntel Core i7-4770Sに加え、内蔵GPUにIntel HD Graphicsを備えるIntel Celeron G1820で、4Kディスプレイへの出力チェックしてみました。

Intel Core i7-4770S搭載時のDisplayPort 1.2接続。ディスプレイ・モードで「コラージュ」を選択することで、1920×2160@60p×2画面出力を束ねて3840×2160@60p出力を実現する。内部処理は2系統出力扱いだが、本体とディスプレイはDisplayPortケーブル×1本で接続する。
Intel Celeron G1820搭載時のDisplayPort 1.2接続。ディスプレイモードにコラージュが表示されないため、1920×2160@60p×2画面出力を束ねることができない。4Kディスプレイを使用する際はIntel HD Graphicsのグレードに注意が必要。

 結果としては、HDMIでの3840×2160@30pと、DisplayPort 1.2接続での3840×2160@60pでの画面出力が可能だったIntel Core i7-4770Sに対し、Intel Celeron G1820で可能だった最大解像度は、DisplayPort 1.2接続時の1920×2160@60p×2画面出力で、HDMI、DisplayPortのいずれも3840×2160ドットの一画面として4Kディスプレイを扱うことはできませんでした。

 4K解像度での出力というDS81の特徴をフルに活用したいのであれば、搭載するCPUがIntel HD Graphics 4600を備えていることを忘れずに確認しておきましょう。


CPUによって大きく変わるパフォーマンス

 ベアボーンキットであるDS81は、上述の4Kディスプレイへの出力だけでなく、搭載したCPUによってパフォーマンスが大きく変わります。

 Intel Celeron G1820搭載時とIntel Core i7-4770S搭載時でどの程度の性能差が出るのか比較してみました。

CINEBENCH R15
CINEBENCH R15 マルチコアテスト実行時の最高CPU温度
ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア - ベンチマーク
消費電力

 DS81がサポートする最上位CPUであるIntel Core i7-4770Sを搭載した際は、4コア8スレッドCPUの持つ高い処理能力と、1280×720ドットのHD解像度程度ならゲームも楽しめる程度のグラフィックス性能が得られます。そのかわり、ピーク時の消費電力は100Wに迫り、CPU温度も80℃を超えるため、冷却ファンの動作ノイズもかなり大きくなってしまいます。

 一方、Intel Celeron G1820搭載時は、CPU性能、GPU性能とも大きく劣るかわりに、消費電力はピーク時でも40W未満にとどまり、CPU温度も60℃未満。Intel Celeron G1820の発熱程度であれば、CPUクーラーの冷却能力的にも余裕があるため、冷却ファンの回転数も上がらず、比較的静かに運用できます。

 CPUを交換するだけで全く異なる性格のPCとして運用できるというのは、IntelのNUCなど、CPUが固定されている製品には無い、ベアボーンキットならではの魅力であると言えますね。


自分好みの味付けができるミニPC

 IntelのNUCと比べると少々大きな筐体ではありますが、CPUを自由に選択できることで、用途に応じたパフォーマンスを与えることができる点や、Intel NUCのようなDDR3Lメモリ縛りなどが無く、メモリやストレージの選択肢が広い点がDS81の魅力と言えます。

 個人的には、Intel Core i7-4770SクラスのハイパフォーマンスCPUを搭載することができるので、4Kディスプレイと組み合わせて、写真の編集用PCとして使ってみるのも面白いように感じました。また、ノートPC向けのパーツを流用して組み立てるのも面白いかもしれません。

 Intel NUCやGIGABYTE BRIXなど、ミニPCの購入を検討されているのであれば、より自分好みのカスタマイズが可能なDS81も検討してみてはいかがでしょう。

(瀬文茶)

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