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60GHz帯の無線LAN「11ad」ルータも初展示、
WDはNAS向け「WD Red」をアピール
「NAS EXPO 2016 秋」開催レポート(HDD/周辺機器編) text by 石井英男
2016年10月14日 17:01
10月8日、ベルサール秋葉原で、NASがテーマのイベント「NAS EXPO 2016 秋」が開催された。
NAS EXPO 2016 秋は、主要NASメーカーや関連機器メーカーが参加し、NASの基本的な使い方からクラウド/スマホとの連携、ビジネスやプライベートでの活用までを紹介するウエスタンデジタルジャパン主催のイベントであり、今回が2回目の開催となる。初開催となった昨年は1万名近くが来場し大成功となったが、今回は昨年を上回る13社・ブランドが出展し、来場者数も昨年を上回ったという。
当日のイベントでは、新製品の展示やステージセッションなど、多くの見どころがあった。「NASの入門向け」セッションのレポートと「NAS編」のレポートはすでに掲載したが、今回は「HDD/周辺機器編」として、Western Digital、TP-LINK、ロジテック、ユニットコム、ASUSのブースやセッションの様子をレポートする。
無線LANは60GHz帯に…「世界No.1」をうたうTP-LINKが実機を展示
無線LAN機器などのプロバイダーとして世界No.1の売上げを誇るTP-LINKのブースでは、同社の最新無線LANルーターや無線LAN中継機を展示していた。売れ筋は、最大1900Mbpsでの通信が可能な「Archer C9」だが、その上位製品の「Archer C3150」も性能重視の人にお勧めだという。
また、日本では未発売だが、60GHz帯を利用する世界初の11ad対応無線LANルーター「Talon AD7200」も日本で初めて展示されていた。発売については「海外では発売している国もあるが、国内では11ad対応製品の少なさから今のところ見合わせている」とのことで、来年以降の投入を検討しているようだ。無線LAN中継機のハイエンドモデル「RE450」は、最大1,750Mbpsでの通信が可能で、アンテナを3本搭載しているため、中継可能なエリアも広いことが魅力だ。
ステージセッションを行なったのは、ティーピーリンクジャパンのリテールマネージャーの田中寿朋氏である。田中氏はまず、TP-LINKの会社概要を説明し、世界市場では3年連続シェア1位を記録していると語った。日本法人ができたのは、昨年10月だが、日本国内での売上げも急成長しており、今後は店頭販売も予定しているとのことだ。
同社は多くの製品ラインナップを取りそろえており、必要な性能に応じて最適な製品を選べるが、特にお勧めの製品が「Archer C9」だという。また、Archer C9をはじめとする同社の無線LANルーターの多くはUSBポートを備えており、そこに外付けHDDなどを接続することで簡易NASとしても使えることをアピールした。
NASボックスとHDDを購入するのは金銭的にハードルが高いという人は、まずは無線LANルーターの簡易NAS機能を試してみることをお勧めするとのことだ。さらに、最新の無線LAN規格である802.11adについての解説も行なわれた。同社は世界初の11ad対応無線LANルーター「Talon AD7200」を開発し、北米ではすでに販売が始まっているが、日本での投入は、11ad対応製品の普及状況をみてからになる。また、同社は無線LAN関係以外にもセキュリティカメラやスマートLED電球などのスマートホーム用機器も開発・販売しており、今後は日本での販売も検討中とのこと。
WDは「カラー戦略」を分かりやすく解説
イベント主催者である、Westren Digitalのブースでは、同社のカラー戦略に基づくHDD製品などを展示した。
用途別に色分けしたブランドを付けることで、それぞれの用途に最適なHDDの選択を容易にすることが、カラー戦略の狙いだ。
NAS EXPOということもあり、最もアピールしていたのは、NAS専用HDD「WD Red」であり、WD Blackとの消費電力比較デモも行なわれていた。また、NASを使ったことがない初心者向けに、NASとは何かということを分かりやすく説明するパネルが設置されていたり、HDDの分解展示も行なわわれていた。最近登場したWD Redの8TBモデルは、筐体内にヘリウムを充填させることで、プラッタ間の隙間を薄くしていることが特徴だが、それについての展示もあった。そのほか、コンシューマー向けNAS「WD Cloud」なども展示されていた。
ステージセッションを行なったのは、ウエスタンデジタルジャパンのチャネルマーケティング マネージャーの宮本貴通氏。
最初に語られたのは「HGSTとSanDiskを傘下に収めたことで、Western DigitalがHDDメーカーから、総合ストレージソリューションプロバイダーとなったこと。そして、コンシューマー向け製品からエンタープライズ向け製品まで、全ての分野をカバーするポートフォリオを実現した」こと。
また、同社のスローガンである「すべてのドライブには意味がある」を紹介。用途に応じた製品を用意していることを解説した。特に、NAS専用HDD「WD Red」は、独自のファームウェア「NASware 3.0」を搭載し、24時間365日の連続稼働を保証しているとアピールした。また、内蔵HDDの市場では、Western Digitalはシェア51%を獲得しており、5年連続で1位を記録しているという。
ASUSは無線ルータ、ロジテックはHDDケース、ユニットコムは防犯カメラシステムを展示
このほか、周辺機器系のブースとしては、ASUSとロジテック、ユニットコムがブース展示を実施。
、ASUSのブースでは、無線LANルーターや無線LANアダプタが展示されており、特に無線LANの性能を要求するPCゲーマー向けのアピールが行われていた。同社のハイエンド無線LANルーター「RT-AC88U」は、合計で最大3167bpsでの通信が可能で、USB接続の無線LANアダプタ「USB-AC68」を利用すれば、11ac非対応のちょっと古いノートPCやデスクトップPCも高速な無線通信が可能になる。
ロジテックのブースは、HDDケースを中心に展示していたが、8ベイHDDケースという、かなり珍しいものも展示されていた。2ベイ以上のHDDケースでは、RAID機能を搭載したものが多く、NASまでの機能は必要としないが、データを安全に保存したいというニーズに低価格に応えてくれると、担当者は語った。新製品のRAID機能搭載4ベイHDDケース「LHR-4BRHEU5」は、内部構造も見られるようになっていた。
ユニットコムのブースは、ネットワーク経由で監視が可能なセキュリティカメラを中心に展示。また、QNAPのNASボックスやNASボックスとHDDのセット商品が、イベント協賛特価で販売されていた。