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液晶ディスプレイの制御基板を自分で交換、NVIDIA「G-SYNC」の改造キットが発売

ゲーム中の表示遅延などを解消

 市販の液晶ディスプレイを「G-SYNC」対応ディスプレイにアップグレードするキットが登場、NVIDIAの「G-SYNC DIY KIT」がBUY MORE秋葉原本店で販売中だ。実売価格は36,480円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 ただし、キットはASUS製24インチ液晶ディスプレイ「VG248QE」専用。導入にはディスプレイの大幅な改造が必要で、ディスプレイの製品保証がなくなる点にも要注意だ。

 なお、同店はキットを導入したディスプレイによる動作デモを近日中に行なうとしている。

導入後はディスプレイのHDMI/VGAは使用不可、DisplayPortのみが機能

 G-SYNCはNVIDIAが昨年10月に発表したディスプレイ制御技術で、ゲーム中などに発生する「ティアリング」や表示遅延などを解消するというのが売り。

 通常のディスプレイでは、GPUの性能をフルに出すためにV-SYNC(垂直同期を待つ設定)をオフにすると、画面に横方向のノイズが見える「ティアリング」が発生する。一方、それを避けようとV-SYNCをオンにすると、GPUの最大パフォーマンスが発揮できなかったり、表示遅延が発生したりするという難点がある。

 G-SYNCはこうした現象をハードウェアによって根本的になくすというもの。V-SYNCのオン/オフによって、GPUをディスプレイに同期させるのではなく、ディスプレイに制御モジュールを内蔵することで、ディスプレイをGPUの出力に同期させるというアプローチだ。

 今回のキットはそのモジュールを製品化したもの。ASUS製ディスプレイのVG248QEにモジュールを内蔵することで、G-SYNC対応ディスプレイへとアップグレードできる。

 ただし、モジュールの導入には、ディスプレイ裏面のカバーを開け、内部の様々なパーツやケーブルを外すなどして制御基板を交換するといった大きな改造が伴なう。

 また、導入後はディスプレイのDisplayPortのみが機能するようになり(HDMI/VGAは使用不可)、DisplayPort経由のオーディオもサポートされなくなる。電源仕様が変わる点(付属のACアダプタで供給)などにも注意が必要だ。

 ちなみに、改造の様子を映した公式動画も公開されているので、導入を検討している人は一度視聴しておくとよいだろう。

 このほか、G-SYNCに必要な環境として、GeForce GTX 650 Ti Boost以上を搭載したビデオカード、バージョン331.82以上のGeForceドライバ、Windows 8.1/8/7が挙げられている。

【G-SYNC DIY KITの導入手順の動画(NVIDIA)】

[撮影協力:BUY MORE秋葉原本店]

NVIDIA G-SYNC DIY KIT