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ドラゴンロゴの派手な“MSI PC”が作れるお得なパーツセット「ドラゴン KIT」をチェック
MSI x Cooler Masterの限定パッケージ、実際にハイエンドPCを組んでみた text by 石川ひさよし
2017年9月6日 08:05
6月24日の「MSI FanDay」でMSIとCooler MasterのコラボPCケースがお披露目された。このPCケースは、Cooler Masterの「MasterCase Maker 5」をベースに、フロントパネル部分にMSIのバッジとロゴをデザインした「MasterCase Maker 5 MSI Edition」だ。
本製品の登場を記念してMSIとCooler Masterのコラボレーションキットという形でMSI製マザーボードとビデオカードがセットとなった数量限定パッケージ「MSI x Cooler Master ドラゴンKIT」がPCケースの先行販売として登場している。
このモデル、メインは店頭で購入することが出来る3点セットという形だが、一部ショップでは同じコンセプトで完成品PCも発売されており、MSIファンの自作ユーザーのみならず、自作は心配だけど格好いいPCがほしいといったユーザーにはこちらがお勧めだ。
なお、PCケースの単体発売は10月以降を予定しているとのことなので、すでに現行MSI製品を所持しているユーザーは今しばらく待ってほしい。
MSIならコレで決まりなPCケース・マザー・ビデオカードのセット品
限定パッケージの「MSI x Cooler Master ドラゴンKIT」は、MSIファンはもちろん、これから自作PCを組もうという方にもお薦めできる製品だ。MSIの鉄板ともいえるマザーボードとビデオカード、それにCooler Masterの人気PCケースが個別に購入するよりもお得なセット価格となっているため、その分、電源やメモリ、SSDなど他のパーツに回すことが出来る。
加えて、ミドルレンジ向けの弟分として「MasterBox 5」をベースとした「MasterBox 5 MSI Edition」も用意されており、ハイエンドユーザーだけでなく、ミドルレンジユーザーにも選択肢があるのがうれしいところだ。
ではハイエンドとミドルレンジ、2モデルの「MSI x Cooler Master ドラゴンKIT」をまとめておこう。
ハイエンド向けパッケージ「MSI x Cooler Master ドラゴンKIT Z270」
PCケース:Cooler Master MasterCase Maker 5 MSI Edition
マザーボード:MSI Z270 GAMING PRO CARBON(Intel Z270)
ビデオカード:MSI GeForce GTX 1080 GAMING X 8G(NVIDIA GeForce GTX 1080)
8月31日時点での店頭価格(参考):税込128,700円前後
ミドルレンジ向けパッケージ「MSI x Cooler Master ドラゴンKIT H270」
PCケース:Cooler Master MasterBox 5 MSI Edition
マザーボード:MSI H270 GAMING PRO CARBON(Intel H270)
ビデオカード:MSI GeForce GTX 1060 GAMING X 6G(NVIDIA GeForce GTX 1060)
8月31日時点での店頭価格(参考):税込68,200円前後
構成から見ると、ハイエンド向けパッケージは、フルHDで最高画質設定でゲームを楽しむことを想定した高性能PC志向のセット、ミドルレンジ向けパッケージは、フルHDで高画質設定でゲームを楽しんだり写真や映像編集などを快適に処理できたりする普段から快適なメディアPCを想定したセットと言えそうだ。
なお、セットの価格はオープンプライスになるが、個別で購入する場合と比べると、ハイエンド向けパッケージで8,000円、ミドルレンジ向けパッケージで5,000円割引された価格設定であるとのことだ。さらに特典としてMSIのゲーミングヘッドセットが数量限定でバンドルされる。
MSI EditionのPCケースなので、これの購入を検討する方のほとんどが、マザーボードとビデオカードもMSIに統一することになるだろう。その上で、今あるパーツを使いまわしたり、MSIの特定のマザーボードやビデオカードにこだわりのあるユーザーを除けば、このセットを選んでおけばお得であるし、デザインの相性もバッチリということになる。
ハイエンド向けパッケージに含まれるパーツをチェック
マザーボード「Z270 GAMING PRO CARBON」は、前述のとおりIntel Z270チップセットを搭載したATXマザーボード。MSIのマザーボードの分類のなかではPerformance GAMINGに属し、ゲーミングマザーボードに求められる耐久性や最新のインターフェースへの対応、スタンダードマザーボードよりも少しリッチなオーディオ機能などを盛り込みつつ、トガッたOC機能やLEDイルミネーションなどは抑えることで、この用途における価格とパフォーマンスの両立を狙ったモデルである。
ちなみに、ミドルレンジ向けパッケージの「H270 GAMING PRO CARBON」も、チップセットが異なるためにOCやSLIの対応が無くなるが、コンセプトは同じである。
ビデオカード「GeForce GTX 1080 GAMING X 8G」は、NVIDIAのハイエンドGPU「GeForce GTX 1080」を搭載し、フルHDであれば重いゲームも60fpsを軽々と、eSportsタイトルなら120fps程度を狙うことができ、画質を調節すれば4Kゲーミングも視野に入るスペックだ。
クーラーはデュアルファンの2スロット厚サイズに収まっており、比較的小さなPCケースにも搭載できるのが特徴だが、本セットの場合は大型PCケースの「MasterCase Maker 5」と組み合わせるため、まったく問題ない。
動作音
アイドル時:33.0dBA
3DMark - Fire Strike Ultra時:34.5dBA
動作音は30dB台前半で推移し、PCケースに納めれば深夜でもほとんど気にならないレベルまで抑えられる。
「MasterCase Maker 5」は、「FreeForm モジュラーシステム」というものを掲げるカスタマイズ性の高さを特徴としたPCケースだ。ストレージやファンの位置を調節したり、別売アクセサリを追加することで拡張したりデザインを変更するといったことができる。
また、ファンとLEDを制御する基板も搭載しており、ファン速度を高回転と低回転で切り替えたり、LEDのON/OFF切り換えや「ゆっくりと点滅」させたりといった制御ができる。LEDについては、例えば内部のメンテナンス時や実況・配信の際は点灯、普段は消灯といった使い分けをできる点で便利だろう。
MSI EditionたるMSIロゴ。現在、マザーボード/ビデオカードメーカー各社がゲーミング製品のブランディングを行っているなかでも、MSIがモチーフとしたドラゴンは、ファンタジー系タイトルでもよく登場する存在なのでゲームとの親和性が高いと言えるだろう。
正式には「ゲーミングドラゴン」と呼ばれ、GAMINGの「G」の形にくねったドラゴンが赤く描かれている。また、フロント以外にも、右側面板に盾形エンブレムが黒く刻印されている。
ハイエンド向けパッケージでPCを組んでみた
「MSI x Cooler Master ドラゴンKIT」は3点セットなので、完成品カットはそのほかのパーツを追加し、コンセプトとして紹介しよう。
追加で使用した製品を合わせ、構成は以下のとおりだ。
使用機材
パッケージ:ハイエンド向け「MSI x Cooler Master ドラゴンKIT Z270」
CPU:Intel Core i7-7700K(4.2GHz)
CPUクーラー:MSI CORE FROZR XL(サイドフロー、12cm角×2)
メモリ:Corsair Components VENGEANCE RGB CMR32GX4M4A2666C16(PC4-21300 DDR4 SDRAM、8GB×2)
SSD:Plextor M8Se(G) PX-256M8SeG(M.2 NVMe、TLC、256GB)
電源:Cooler Master V750 Semi-Modular(80PLUS Gold、750W)
OS:Microsoft Windows 10 Pro 64bit版
LEDテープライト
CPUは現時点でLGA1151ソケット版Coreの最上位モデルを選んでいるので、ハイエンド向けパッケージを選択した際の定格時の最大パフォーマンスとして捉えてほしい。
メモリについては、見た目を重視してRGB LEDを内蔵した大型ヒートシンク採用モデルとした。
MSI&Cooler Master限定パッケージ自体が「見た目」にとことんこだわった製品であるため、使うパーツにもインパクトを求めた結果だ。
SSDはパフォーマンス重視で最新のM.2 NVMeモデルを組み合わせた。MasterCase Maker 5 MSI Editionには、2.5インチSSD/HDDのパッケージデザインが見えるベイも用意されているので、趣向にあった選び方をすればよいだろう。
電源はCooler MasterのV750 Semi-Modularを選んでいる。80PLUS Gold認証で効率がよく、750Wの大出力モデルだ。注目して欲しいのはセミプラグイン方式であるところ。見た目重視のPCでは、やはりケーブルもすっきりとさせたい。そうした際にセミ/フルプラグイン方式の電源は最適だ。また、もう2つほど補足しておくと、奥行きが14cmと短めであるところがPCケースに対して収まりがよく、数あるメーカーのなかでもプラグインケーブルのしなやかさで抜きん出ているところもポイントである。ケーブル長もMasterCase Maker 5 MSI Editionにぴったりだ。
ではそのパフォーマンスがどのくらいのものになるのか紹介しよう。
ゲーム以外の用途でも当然ハイスペック
家庭向け要素のEssencials、ビジネス要素のProductivity、コンテンツ制作要素のDigital Content Creationともバランスよくハイスコア。ここはCPUやメモリ搭載量、SSDの転送速度なども影響するが、ハイエンド向けパッケージをベースならどの用途にも使えるPCが構築可能だ。
VR用としても十分な性能を発揮
VRパフォーマンスも十分なスコア。MasterCase Maker 5 MSI Editionには前面にHDMI端子を引き回す機能もあるので、VR用途にはもってこいだ。
フルHD・最高画質でGhost Recon: WildlandsもPUBGもプレイ可能
重量級ゲーム「Tom Clancy's Ghost Recon: Wildlands」。フルHDなら「ウルトラ」、WQHDなら「非常に高い」画質あたりで60fps前後のフレームレートが狙える。4K UHDは60fpsをやや下回るが「中」画質で概ねプレイ可能だ。
今話題の生き残りゲーム「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)」。他プレイヤーの動向やシーンにもよるが、フルHDなら最高画質で60fps前後が出せる。オプションを引き下げていけば4K UHDでのプレイも可能だ。
良好なエアフロー、ゲーム中のGPU最高温度は70℃以下をキープ
3DMark-Fire Strike Ultra実行中の温度の変化。MasterCase Maker 5 MSI Editionは遮音効果も高いのだが、エアフローも良好で、GPU温度はアイドル時39℃、テスト中もっとも高いときでも67℃と十分な余裕がある。
消費電力はCPUやストレージの種類や数にも左右されるが、概ね最大で300W台半ば。ゲームプレイ時なら300W前後で推移するので、電源の効率を考慮すると600~750W程度が最適だろう。
消費電力
アイドル時:最小48.7W
3DMark - Fire Strike Ultra時:最大282.2W
OCCT Power Supply時:最大341.0W
このパッケージ一つで見た目もゲーミングパフォーマンスもバッチリ
限定パッケージの「MSI x Cooler Master ドラゴンKIT」は、パーツ選択の悩み無用で「かっこいいゲーミングPC」を構築できるセット商品だ。ケースも、マザーボードもビデオカードも、この分野のド定番商品の組み合わせであるので、見た目もパフォーマンスも間違いない。
とくに見せるPCを構築する場合、マザーボードとビデオカードはメーカーを統一することができても、PCケースまでコンセプトを統一するというのはなかなか難しい。そうした点で、MasterCase Maker 5 MSI EditionはMSI製品でマザーボードとビデオカードを統一しようという方にとっては有力な選択肢となるだろう。また、本来ブラックで統一されたMasterCase Maker 5にMSIの赤が挿し色となって、さらに引き締まった印象となるところもオススメだ。
[写真:若林直樹(STUDIO海童)]
[制作協力:MSI、Cooler Master]