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たった8,000円のCPUで驚きの性能?
「20周年Pentium」で作る格安PCの作り方

自動OCだけで4.5GHz弱 / [クラス別“PCの作り方”その2] text by 清水 貴裕

 「久々のお得CPU」と注目されている、実売価格8,000円弱の格安CPU、Pentium G3258が発売された

 Pentium 20周年記念と銘打たれたこのCPU、定格クロックは3.2GHzながら、倍率ロックが解除済み。オーバークロック(OC)することで、なんと4.7GHzで動作、40%以上も高速になることもあるという。デュアルコアでHyper-Threading非対応、とスレッド数こそ少ないが、購入者がリスクをとってOCすれば、価格を大きく超えた性能を実現できる可能性が非常に高い。

 そこで今回は、自作の鉄板とも言えるASUSTeKマザーボードを使って、「安価で、かつ、ガンガンOCできるPC」を考えてみた。

 選んだマザーの特徴や機能、パーツ選びのポイントを解説した後に、実際にOCしたパフォーマンスを紹介していこう。

マザーボードはできればZ97が良機能も作りも「OC前提」

Z97-A
Z97-Aのバックパネル

 まず、「オーバークロック」という観点だけなら、実は選択肢は多数ある。

 「オーバークロック向け」とされるZ97チップセットのマザーボードは大なり小なりOC機能を備えているのが普通だし、ASUSの場合、H97チップセットの製品でも倍率変更できるUEFI BIOSも先頃公開されている。しかし、H97チップセットの場合はメモリクロックがDDR3-1600までの対応であったり、ベースクロックを125MHz/167MHzに変更できなかったり(ベースクロック100MHz固定)と、デメリットが多いのも事実。また、元々OCを視野に入れていないHシリーズのマザーは、VRMの作りもシンプル。長期間OC常用する場合は正直、少し心許ない。

 そこで狙い目になってくるのが、全てのOC機能が利用でき、VRMの作りも頑丈なZ97マザーのエントリーモデル。今回は同社のラインナップから「Z97-A」(実売価格17,000円前後)を選択した。

 エントリーモデルながら8フェーズのデジタル制御VRMを搭載、OC時の安定性に期待が持てることや、メモリスロットがDDR3-3200に対応していること、ヒートシンクが全体に装着されており、放熱に不安がないことがポイントだ。メモリについては、安価なZ97マザーはDDR3-3100までしか対応していない製品が多く、このスペックは「ワンランク上」ということになる。ASUSTeKマザーボードは、メモリOCの伸びに定評もあり、せっかくなので重視したいポイントだ。

 ちなみに、下位のモデルには「Z97-K」(実売価格15,000円前後)という製品もある。VRMが4フェーズだったり、LANコントローラがIntel製でなかったりと、幾分の差がある。価格を最重視するならこちらを選ぶ手もあるだろう。

9シリーズスタンダードモデルの強化点と特徴は?

 さて、ASUSTeKの9シリーズスタンダードマザーの特徴をおさらいしてみたい。

 主なポイントはUEFIの刷新やファンコントロール機能、サウンド機能の強化など。以下、簡単に見ていこう。

UEFI BIOSに「自動OC」機能搭載&デザインも刷新

EZ Modeの画面。情報量が増えてより使い易くなっている
Advanced Modeの画面。右側にモニタリング表示が追加された

 まず、見た目でわかるのがUEFI BIOS画面のデザイン刷新だ。情報が整理され、見易くなったほか、1画面の情報量が増えている。

 モードは簡易設定用の「EZ Mode」と詳細設定用の「Advanced Mode」に分かれるが、EZ Modeでもファン回転数の調整や起動優先順位の変更、XMP設定やIRST(Intel Rapid Strage Technology)のON/OFFなど、「細かい」設定に容易にアクセス可能。「Advanced Mode」では右側の見やすい位置にモニタリング画面が表示されている。OC時に確認したいCPUやメモリの動作電圧、温度、+12Vや+3.3Vの電圧がここに表示されているので非常に便利だ。また、UEFI BIOSに「お気に入り」機能が追加、頻繁に設定する項目をお気に入り登録しておけば、「Advanced Mode」のお気に入りタブからまとめて設定ができるので、多くの設定を変更するOC時には重宝する機能だ

「EZ Tuning Wizard」のOC設定の初期画面。CPUクロックや温度、メモリの動作状況が表示されている
「EZ Tuning Wizard」のRAID設定画面。Yesを選択すると自動で再起動されて、SATAの動作モードがRAIDに変更される
こちらはAI Suite内の「Dual Intelligent Processors 5」のUI。OC設定やVRMの設定、ファンコントロール機能、各種モニタリング機能が搭載されている

 また、質問に答えるだけでOCやRAIDの設定ができる「EZ Tuning Wizard」が用意されたのも新たな特徴。

 これは今回のテーマとも被るので、後ほどテストしてみたいが、OCの場合は使用用途(常用かゲーム&メディア編集)と使用しているCPUクーラーを選ぶだけで自動でOC設定を行ってくれる。最終画面ではCPUとメモリのパフォーマンスが何%向上するかが表示され、「Next」を選択すると再起動してOC設定が適用される。RAIDの場合は、バックアップ用として使うかスピードを重視するかを選択すると、適したRAIDが表示される。どちらも手動設定の手間が省けるので、手間をかけたくない場合や初心者には嬉しい機能だろう。

【EZ Tuning Wizardの流れ】
最初の質問は使用用途。常用なのかゲームやメディア編集なのかを聞かれる
次に装着しているCPUクーラーの種類を聞かれる
最後にどれ程パフォーマンスが向上するかを教えてくれる。Nextを選んで再起動すればOC設定が適用される仕組みだ

ファンコントロールも機能強化、温度センサーも増設OKに

PWM/DCの切り替えや、温度と回転数の設定が詳細に可能
PWM/DCの切り替えだけでなく、自動設定や無効にすることもできる
ファンが参照するセンサーの指定画面。T_SENSOR1は任意に追加したセンサーを意味する

 ASUSTeKの9シリーズマザーボードの売りのひとつに強化されたファンコントロール機能がある。Windows上で動作するユーティリティだけでなく、UEFI BIOS上でも大幅に機能強化されたのがポイントだ。

 まず注目したいのがUEFI BIOS上に実装された「Q-Fan Control」機能。

 従来のUEFI BIOS上のファンコントロール機能は、CPUの温度センサーだけに連動してい
たが、今回はVRMやチップセット、基板上のセンサーも選択可能(グレードによってセンサー数に違いがある)となった。また、さらに革新的なのが、市販の温度センサー(別売)を基板上の「SENSOR1」ピンに追加して拡張できる点。たとえばHDDやビデオカード、メモリなどの温度とファンの回転を連動させることが可能になった。温度とファン速度を連動させる、というのもマザーボードだけで可能となる。

 その他には、ファンの最大/最小回転数を自動で検出、最適設定を行ってくれる「Q-Fan Tuning」機能も実装されており、UEFI BIOS上からだけでもかなり細かい設定ができるようになった。

 なお、Windows上で動作するファン制御ソフト「Fan Xpert3」ではさらに細かい設定が可能となった。自動チューニング機能を実行すると、接続されているファンの最小/最大回転数を検出し、0%〜100%まで10段階の回転設定を自動で行ってくれるだけでなく、CPUファンにのみ「Extreme Quietモード」というファンの回転数を限界まで下げることができるという。この制御はなかなか凝った制御で、通常時はPWM制御を行い、PWMでは不安定になる超低回転時はDC制御に切り替えるという。こうした、ファンコントローラ専門パーツでも聞かないような凝った制御で、「ファンが止まるギリギリまで回転数を下げることが可能」(ASUSTek)とか。

回転数や目標温度などのより詳細な設定が可能となる
基板上のT_SENSOR1ピン
【Fan Xpertの設定例】
「Fan Xpert3」を立ち上げたところ。まず最初にファンの調整をクリックしてファンの回転数の検知を行わないといけない
ファンの調整は数分で終わる
調整の結果画面。最大/最小回転数、利用可能な最小回転数の検知に加えて、0%から100%まで自動で最適な回転数を割り振ってくれる
ファンごとに位置の指定が可能
ファンの回転が上昇/下降する時のレスポンス設定など、細かい回転制御が可能。
ファンの回転数を固定する動作モードも用意されている
【そのほかの主な特徴】
アナログ回路とデジタル回路を基板上で分離、さらに左チャンネルと右チャンネルも基板内で別の層に分けるなど徹底した作り込みをしたという「Crystal Sound 2」
付属のユーティリティでイコライザの設定を行えば、自分好みの音作りも可能だ。筆者が普段愛用しているヘッドホンを装着して音楽を再生してみたが、これが中々よかった。音質がいいだけでなくノイズが少ないので、オンボードとしてはかなりハイレベルな印象だ。
Intel LANの搭載にこだわっているのもポイントという。ASUSTekによると、「CPU使用率やPingの低さ、高いスループット特性」が理由という
通信優先度の変更が可能な「Turbo LAN」が付属。R.O.G.マザーに付属している機能に似ている

「激安オーバークロックPC向き」のパーツ選びとは?

GeForce GTX 750を搭載したASUS GTX750-PHOC-1GD5(上)と、GTX 750 Tiを搭載したGTX750TI-PH-2GD5
CPUクーラーは実売価格3,000円程度のサイドフロータイプがオススメ。
ストレージは一般的なSSDでも十分速い

 さて、マザーボードとCPUはここまでで決まったので、「組み合わせるパーツの選び方」を考えていきたい。

 「Pentium G3258」は安価なCPUなので、組み合わせるパーツも安価な物を選んでいくのがセオリー。余っているパーツがある場合や、今あるPCのリプレイスで継続して使えるパーツがある場合は、それらを流用してコストを抑えるのも大いにアリだ。

 まず、メモリに関してだが、容量は4GB×2枚の8GBあれば十分だ。価格重視でDDR3-1600以下の製品を選べばいいだろう。CPUをOCするとケース内の温度が上がり、パーツの温度も高くなりがちなので、ヒートスプレッダが装着された製品だと尚よし。ただし、せっかく「OC前提」で組む訳なので、「ちょっといいメモリ」を組み合わせ、PCの地力を増してみるのも面白い。

 また、ビデオカードを搭載するかだが、ブラウジングなどの軽作業中心で使う場合は内蔵GPUでも十分使える。なので、不満が出てきたらビデオカードを追加するという具合で良さそうだ。ゲームをプレイしたい場合は、まずはGeForce GTX 750クラスのビデオカードを検討するのが良いだろう。CPUをOCしてFPS値の底上げを行えば、オンラインゲームや昔のゲームなど、負荷の軽いゲームであれば快適にプレイできるだろう。

 パーツ選びで最も注意してほしいのが電源だ。Hyper-Threadingに非対応の純粋なデュアルコアCPUなので、Kシリーズのように要求がシビアではないが、+12Vの仕様にだけは注意。低価格電源は+12Vの出力が合計で30A台のものが多く、+12Vが2分割されていると、1レーンあたりの出力が20A以下になってしまう。OCを考えると非力なので、できれば+12Vの仕様がシングルレーンの製品を選んだ方がいいだろう。容量は、ビデオカードを搭載している場合でも500Wもあれば十分だ。

 CPUクーラーは、価格と冷却力のバランスにこだわりたい。価格に糸目を付けなければ、冷却力の高い製品はいくらでもあるが、今回のような自作プランでは現実的ではなくNG。具体的に狙い目なのは、実売価格3,000円台のサイドフロータイプだ。今回、検証で使用したサイズの「虎徹」は、低価格だが冷却力が高いのでお勧めだ。

 ストレージの選び方だが、これは普通の選び方で良いだろう。「今風の自作」という点では普通にSSDがお勧めだし、速度は必要ないが容量が欲しい場合はHDDがお勧め。速度も容量も欲しい場合は、128GBのSSDにOSをインストールして、データ用にHDDを搭載する、というのがお勧めだ。

 ケースは、余っている物があるなら流用してしまうのも良いだろう。ただし、埃などで汚れているとエアフローが悪くなり、CPU温度が上がってしまうなどOC時に不具合が出るので掃除を忘れずに。新規に購入する場合は、拡張性やエアフローに注意して選ぼう。拡張性の高いケースにすれば長く使う場合に安心だし、エアフローが良ければOC時の安定性が高くなるので、こだわるならこの2点。

オーバークロックを実際にテスト手軽なのに侮れない「EZ Tuning Wizard」、簡易水冷なら4.6GHz弱……

定格状態でのCINEBENCH R15のスコアと温度

 今回はまず、UEFI BIOSに新たに実装された「EZ Tuning Wizard」をつかったOCを試してみた。質問に答えるだけで自動的に最適なOC設定を適用してくれるという同機能だが、どれ程のパフォーマンス向上があるのか見物だ。

 「EZ Tuning Wizard」ではCPUクーラーの選択肢に、リテールクーラー、空冷クーラー、簡易水冷クーラーの3種類が用意されているので、それぞれ対応した製品を用意して検証を行った。発売前の検証ということで、CPUクーラーの付属しないエンジニアリングサンプルしか手配できなかったので、リテールクーラーの計測にはCore i7-4770Kに付属の物を使用した。空冷クーラーにはコストパフォーマンスに優れるサイズの「虎徹」、簡易水冷クーラーには最安クラスのサイズの「APSALUS3-120」を使用した。

 最初に聞かれる用途の質問だが、パフォーマンスのさらなる向上に期待してDaily ComputingではなくGaming/Media Editingの方を選択している。

リテールクーラー(相当)で4.4GHz弱

リテールクーラーの「EZ Tuning Wizard」実行結果

 まずはリテールクーラーでのOC結果。「EZ Tuning Wizard」の実行するとCPUクロックは4.385GHzまでオーバークロックされた。

 この時のVcoreはCPU-Z読みで1.276Vとなっている。その状態でCINEBENCH R15を実行してみると、マルチスレッド処理が321cb、シングルスレッド処理が168cbを記録した。ちなみに定格状態ではそれぞれ237cb/101cbだったので、マルチスレッド処理で約35%、シングルスレッド処理で66%もスコアが向上したことになる。

 それでいてCPU温度はアイドル時で40℃、ベンチマーク実行中で76℃までしか上昇しなかったので、軽作業中心の場合や少ししかOCしない場合はリテールクーラーでも十分常用できそうだ。

CPUクロックは4.385GHzまでOCされた
リテールクーラーOC時のCINEBENCH R15のスコアと温度

市販ク―ラーでは4.5GHz弱、でもまだ余裕あり?

市販空冷クーラーの「EZ Tuning Wizard」実行結果

 次に市販の空冷クーラーに換装して「EZ Tuning Wizard」を実行してみた。

 CPUクロックは4.487GHzまでOCされ、Vcoreは1.324Vまで昇圧された。CINEBENCH R15のスコアはマルチスレッド処理が334cbで、シングルスレッド処理が175cbまで向上した。

 この時のCPU温度は、アイドル時で34℃、ベンチマーク実行中で67℃だった。まだ冷却力に余裕があるので、4.5GHz以上での常用も狙えそうな気がする。このレベルの冷却力があれば、OCCTなどの負荷の高いストレスツールで常用設定を探していく場合も安心できる。

CPUクロックは4.485GHzまでOCされた
市販空冷クーラーOC時のCINEBENCH R15のスコアと温度

簡易水冷クーラーなら4.6GHz弱

水冷クーラーの「EZ Tuning Wizard」実行結果

 最後は簡易水冷クーラーに換装して「EZ Tuning Wizard」を実行した。

 CPUクロックは4.5GHzの大台を超えて、4.589GHzにまで達した。Vcoreは1.373Vまで昇圧されている。CINEBENCH R15のスコアはマルチスレッド処理が339cbで、シングルスレッド処理が177cbを記録。スコアの伸びが悪いのはUEFI BIOS内の省電力設定がAUTOになっているからと思われる。CPU温度はアイドル時で37℃、ベンチマーク実行中で73℃を記録。

 この状態でもシステムはかなり安定していたので、冷却力の高いクーラーを使えば4.6GHz前後での常用が狙えそうな気がする。

 手軽にOCが可能な「EZ Tuning Wizard」だが、用途や冷却力に合わせた設定を自動で探してくれるだけでなく、自動でXMP設定を適用してくれたりもするので、かなり便利な機能だ。OCに不慣れな初心者向けとしてだけでなく、OC設定のひとつの目安として参考にすることもできるので一度は試してもらいたい機能だ。

CPUクロックは4.589GHzまでOCされた
水冷クーラーOC時のCINEBENCH R15のスコアと温度

手動OCで「さらに上」に挑戦ベンチは4.9GHzで完走、最大クロックは5GHz

4.9GHzまで手動OCした際のCINEBENCH R15のスコアと温度
CPUクロックは5GHzを突破。安価ながら侮れないCPUだ

 自動OC機能の「EZ Tuning Wizard」でも4.6GHz近くまでオーバークロックすることに成功した訳だが、手動設定でどこまでCPUクロックが伸びるか気になったのでテストしてみた。発熱の増加に対応できるようにCPUクーラーをCorsairのH100iに変更して検証してみた。

 ひとまずCPU倍率とVcoreの変更のみでOCしてみるも、4.7GHzを超えたあたりから挙動が怪しくなり動作が不安定になった。さらに、Vcoreを1.432V以上に設定するとその瞬間にフリーズしてしまう。電源面で何らかの制限が掛かっていると予想し、UEFI上でVRM設定と電源設定を全て手動で設定すると、何のトラブルもなく動き出した。常用メインで使われるスタンダードモデルだけに、OCモデルとは違ってUEFI BIOSのAUTO設定が省電力寄りになっているようだ。この時の詳細な設定は画像を参照して頂きたい。

 CPU倍率とVcoreを調整していくと、最終的に49倍の4.9GHzでCINEBENCH R15を完走させることに成功した。スコアは、マルチスレッド処理が358cb、シングルスレッド処理が186cbに達した。定格から比べると驚異的な伸びだ。この時のVcoreはCPU-Z読みで1.48Vで、CPU温度はベンチマーク実行中に91℃まで上昇した。常用は厳しいだろうが、ここまで動作クロックが伸びればかなり遊べるCPUと言える。その後、50倍の5GHzにも挑戦してみたが、Vcoreを1.55Vまで昇圧しても実行後すぐにフリーズしてしまい完走はできなかった。どうやらこのCPUのベンチマーク完走限界は4.9GHz〜5GHzの間にあるようだ。

 ベンチマークの次に、CPUの最大クロックにも挑戦してみた。CINEBENCH R15実行中に50倍の5GHzで動作していたので、51倍の5.1GHzを狙って挑戦してみた。しかし、5.1GHzを目視はできるものの、何度やってもValidationファイルやスクリーンショットが破損するためギブアップ。最終結果は、50倍の5GHzとなってしまった。ベースクロックを変更すれば限りなく5.1GHzに近いところまでOCできそうだが、Windowsの破損率が高くなるので次の検証を優先してリタイアした。

5GHz動作時のVRMの設定画面
5GHz動作時の電源設定画面
5GHz動作時の電源設定画面その2

さらにメモリもOCチャレンジ高速メモリならDDR3-3280でも動作

OS上からのOCで最終的にはDDR3-3280MHzを達成

 「Pentium G3258」のメモリコントローラが優れていると言う話を小耳にはさんだので、メモリOCのテストもやってみた。公式にはDDR3-1333までしか対応していないこのCPUが、エントリーモデルのZ97マザーとの組み合わせで、どこまでメモリOCができるのか見物である。

 メモリのOCは設定や起動にかなりの時間を要するので、時間削減のためセカンダリやサードタイミングはAUTOのままで、Cas Latencyを始めとするCPU-Zに表示されているプライマリタイミングのみの変更とした。メモリにはハイクロック向けのSK Hynix製チップを搭載した、Corsair VENGEANCE CML8GX3M2A3000C12Rを使用した。

 DDR3-3000のメモリを使用してはいるが、CPU内蔵メモリコントローラの耐性が低いCPUでは当然だが起動できないこともある。最初にXMP設定での起動を試したが、何故か設定が利用できなかったので、いきなり手動設定で攻めることにした。

 まずはCL13-15-15-35-2T以下AUTOの設定で起動を試みた。この時のメモリクロックはDDR3-3250でメモリ電圧は1.9Vに設定。無理かと思いきや一発でPOSTし、Windowsの起動も成功した。DDR3-1333までの対応とは一体何だったのかと思わせる程の回りっぷりだ。

 その後、OS上でベースクロックを上げていくと、最終的にDDR3-3280までメモリクロックを伸ばすことに成功した。この状態での常用は厳しいかもしれないが、動作クロックから逆算すると、DDR3-3000以下までのOCメモリであれば、常用環境で安定させられるだけの力を持っていそうだ。CPUとの価格差が開き過ぎて現実的ではないが…(苦笑)

 ひとつ上のDDR3-3333にも挑戦してみたが、メモリタイミングの調整を行っても起動することができなかった。このメモリ自体は、Maximus VI ImpactとCore i7 4770Kの環境ではもっと上で動作していたので、「Pentium G3258」と「Z97-A」の環境の限界に達したようだ。だが、実売価格8,000円程のCPUとエントリーモデルのZ97マザーでこのクロックを達成できたことには驚かざるを得ない。

 というわけで、Z97マザーと組み合わせれば、CPUのOCだけでなくメモリのOCも楽しめる(笑。(個人的には)「Pentium G3258」を買う人には是非ともZ97マザーをお勧めしたい。

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(清水 貴裕)