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快適Windows 10生活を送るためのThinkPad X201i強化術

【絶対に失敗しないWindows 10無料アップグレード】

絶対に失敗しないWindows 10無料アップグレード

 8月11日にインプレスからムック「絶対に失敗しないWindows 10無料アップグレード」が発売された。今回はその中から、2010年に発売された「Lenovo ThinkPad X201i」のハードウェア部分のアップグレード記事を特別掲載する。

 「絶対に失敗しないWindows 10無料アップグレード」は全国書店、ネット通販にて発売中。見やすい図版を豊富に交えて、Windows 7や8、8.1からのアップグレード手順を丁寧に解説している。Windows Updateを利用したアップグレードだけでなく、メディア作成ツールを使ったアップグレードやクリーンインストールの方法も紹介。

 さらに、2010年前後に発売されたWindows 7世代のノートPC三台を例に、メモリの増設とストレージのSSD化を順を追って解説。これでWindows 10へのアップグレードは万全だ。


-絶対に失敗しないWindows 10無料アップグレード-


Lenovo ThinkPad X201i強化編

2010年発売のモバイルノートを8GBメモリとSSDで強化する

使いやすいキーボードが魅力のモバイル機
Lenovo
ThinkPad X201i

ThinkPad X201iは2010年春に発売されたモバイル向けのノートパソコン。CPUはCore i3-M330、メモリは2GB(DDR3 1GB×2)、HDDは250GB、ディスプレイは12.1型で解像度は1,280×800ドット、OSはWindows 7 Professional 64bit版となっている。カスタマイズしての注文が可能だったため、同じThinkPad X201iでも、構成はそれぞれ異なる。

 ここでは、2010年春に発売されたモバイル向けのノートパソコンであるLenovoのThinkPad X201iを強化していく。

 CPUはCore i3-M330(2.13GHz)を搭載。これは、第1世代のCore iシリーズではあるが、まだまだ現役としても使える性能。処理の遅さを感じさせる原因となっているのは、2GBと少ないメモリと、データ転送速度の遅いHDDだ。それだけに、メモリの容量を増やし、HDDを最新のSSDに交換するだけで、Windows 10も快適に動作できるマシンへと変身させられる。

 ThinkPad X201iは、メモリスロットにもアクセスしやすく、HDDの取り出しも簡単なので、換装作業はそれほど難しくはない。

バッテリとACアダプタを外す
メモリを取り外したり、HDDからSSDへ換装したりといった作業の前にバッテリとACアダプタは外しておく

強化に使用するパーツ

4GBが2枚セットになったモデル
廉価モデルでもリード速度は535MB/s
Team Group
TSD38192M1333C9DC-E
実売価格:7,000円前後

4GBのSO-DIMMの2枚セット品。規格はPC3-10600でCLは9。永久保証のある安心感の高いメモリだ
Lite-On Technology
Plextor M6V PX-256M6V
実売価格:11,000円前後

ノートパソコンのHDD容量に合わせて、256GBのSSDを選択。手頃な価格だが、シーケンシャルリード535MB/s、ライト335MB/sと十分高速だ

Step1 HDDからSSDへのクローニングを実行

メモリ増設やSSDへの交換前にクローニング

 外付けドライブケースを使って、ノートパソコン内蔵HDDのOSを含むすべてのデータを、True Image 2015 for PCのクローニング機能を使用して、交換するSSDへとコピーする。これでSSDに交換後、スムーズにWindows 10へとアップグレードが行なえる。

クレイドル型の外付けドライブケースを活用
本誌p.50にて解説しているTrue Image 2015 for PCを使用したクローニング手順を参考に、内蔵HDDのデータをOSを含めて丸ごとSSDへコピーする

Step2 古いメモリを抜いて、新しいメモリを取り付け

最初はメモリの交換からスタート

 まずはThinkPad X201iにもともと取り付けられている2枚の1GBメモリを取り外すところからスタートする。底面の中央付近にあるカバーを開けるとメモリスロットにアクセスが可能だ。あとは、スロットの両サイドにあるラッチを開く。するとメモリが跳ね上がって、取り外せる状態になる。

 これは、ほとんどのノートパソコンで共通の作業だ。

1. 底面にあるカバーのネジを取る
2. カバーを持ち上げる
ThinkPad X201iのメモリスロットは底面の中央付近にあるカバーの下にある。まずはプラスドライバーでカバーのネジを回して外そう
ネジを外せば、カバーは持ち上げるだけで簡単に外すことが可能だ。ネジとカバーはなくさないように分かりやすい場所に置いておこう
3. 側面のラッチを広げる
メモリスロットは二つあり、標準では1GBのメモリが2枚挿さっている。スロットの両サイドにある金属のラッチを指先を使って広げよう
4GB×2枚のメモリを取り付ける

 1GBのメモリを取り外し、用意した交換用のメモリ(4GB×2枚)を取り付けていく。メモリスロット側にある凸部分とメモリ側の凹部分を合わせて挿し込んでいく。メモリ側の端子が見えなくなるまで、しっかり奥まで挿し込もう。最後にメモリが水平になるまで倒せば、スロットの両サイドにあるラッチが閉まる。カチッと音が鳴れば、ラッチが閉まった証拠だ。メモリの側面にある欠けた部分にラッチがしっかり引っかかっているか、念のため確認しておこう。

4. 跳ね上がって抜ける状態に
5. 2枚のメモリを引き抜く
両サイドのラッチを外すとメモリは自動的に跳ね上がる。これで抜ける状態になる
跳ね上がった状態では、指で簡単に引き抜くことができる。同じ手順で2枚目も外そう
6. メモリとスロットの切り欠きを合わせて挿し込む
次は交換用のTeam Groupの4GB×2枚のメモリを取り付ける。メモリスロットにある凸の部分とメモリの凹部分を合わせて斜めに挿し込んでいく。奥まで挿したら、そのまま指で下へと倒す。カチッと音が鳴り、両サイドのラッチが引っかかったら固定完了だ
7. 同じ手順で2枚目も取り付ける
2枚目のメモリを同じ手順で取り付けていこう。これで合計8GBの環境になる
カバーを戻せばメモリの換装完了

 交換用の2枚のメモリの取り付けが終われば、あとは外した底面のカバーを戻すだけ。カバーのツメをネジ穴があるほうと逆側に引っかけて、カバーを閉じ、ネジで固定する。これでメモリの換装は終了だ。

8. カバーを閉じればメモリの換装は完了
外した底面のカバーをもとに戻し、ネジを固定すればメモリの換装作業は完了だ。カバーが浮き上がっていないかなど、しっかり閉じているか確認しておこう

Step3 HDDからSSDに交換する

標準搭載のHDDを外しSSDに換装する

 OSやソフトの起動時間、ファイルコピーといったごく一般的な作業のスピードは、CPUの性能も大切だが、ストレージの転送速度が大きくかかわっている。データ転送速度の遅いHDDから、データ転送速度が圧倒的に速いSSDに交換するだけで、体感速度は一気にアップする。

 2009年から2010年のノートパソコンでは250GBから500GBのHDDが主流。この容量ならSSDは比較的高価なパーツだが、ハードルはかなり低くなっている。クローニングならば、環境を丸ごとHDDから移せるので、OSの再インストールといっためんどうな作業も不要だ。処理の遅さを感じたら、まずはSSDへの交換を考えてみよう。

1. 右側面のネジを外す
2. カバーを取る
右側面の近くにある底面のネジがストレージのスロットカバーを固定している。まずはこれを外そう
ネジを外せば、カバーは指でつまんで外側に引っ張れば簡単に取れる
3. つまみを掴んでHDDを引き抜く
HDDは専用のトレイに固定されている。このトレイにはプラスチックのつまみがあり、それを引っ張ることでスロットからHDDを抜き出せる
HDDをトレイから外してSSDに変更する

 HDDは本体の右側面にあるスロットに収納されている。スロットのカバーを外し、専用のトレイに固定されているHDDを引き抜く。あとは、トレイの側面にあるゴムを外してHDDを固定しているネジも取る。今度はSSDをトレイに取り付け、同じネジで固定、ゴムも戻す。ゴムは簡単に外したり付けたりでき、ネジも普通のプラスドライバーで回せるので、SSDへの交換で難易度の高いポイントはほとんどない。ネジをなくさないように注意するぐらいだろう。

4. トレイに付いているゴムのカバーを外す
5. プラスドライバーで四つのネジを外す
トレイには、振動から守るためと思われるゴムが取り付けられている。これはとくに固定されていないので、簡単に外せる。二つあるので両方とも外す
HDDはトレイに四つのネジで固定されている。プラスドライバーでそれぞれのネジを外していこう
6. トレイにSSDを取り付ける
トレイからHDDを外して、SSDを取り付ける。SSDのコネクタがプラスチックのつまみと逆の位置になるように設置する
7. トレイにネジを付けてSSDを固定する
8. ゴムのカバーをもとに戻す
外したネジを再びプラスドライバーを使ってトレイに取り付け、SSDを固定する
外したゴムのカバーをトレイの側面に戻す。向きは決まっていないので、側面に合わせてはめ込めばよい
SSDをスロットに戻しカバーを閉じる

 最後はSSDを本体の右側面にあるスロットに戻し、取り外したカバーを閉じて、同じネジで固定する。これでハードウェアの準備は完了だ。

9. SSDをスロットに戻してカバーを閉じる
SSDを本体のスロットに戻す。プラスチックのつまみがあるほうを底面側にして奥まで挿し込もう。あとはカバーを閉じ、ネジを取り付ければ作業は完了だ

Step4 Windows 10へアップグレード

OSの起動時間は短縮データ転送速度も大幅に向上した
Windows 10を導入する
Windows 10へのアップグレードを利用して、最新OSへと移行しよう

 メモリとSSDの交換が終わったら電源を入れ、問題なくWindows 7が起動するか確かめよう。もし、起動に問題がある場合は、メモリやSSDがしっかりと挿さっているか再度確かめ、それでも起動しない場合はクローニングがうまくいっていない可能性もあるため、もとのHDDに戻して起動するか確認してみよう。問題なく起動した場合は、本誌p.14で解説している手順に沿って、Windows 10へアップグレードする。

 メモリ容量が2GBから8GBへアップし、HDDからSSDへと交換した効果は非常に大きく、OSの起動時間は半分以下と大幅に短縮され、データ転送速度はシーケンシャルリードでは3倍以上、4Kのランダムアクセスでは、リードとライトともに70倍以上と驚くほどデータ転送速度が伸びている。

【検証環境】OS起動時間:電源スイッチを入れてから、スタートアップのWebブラウザがホーム画面を表示するまで。
※ Sequential Read の値

【問い合わせ先】

Team Group:support@team-japan.jp(Teamジャパン)/ http://www.teamgroup.com.tw/jp.html
Lite-On Technology:info@aiuto-jp.co.jp(アユート)/ http://www.plextor.com/


[著者: 川添 貴生 著/芹澤 正芳 著]


絶対に失敗しない Windows 10 無料アップグレードは2015年8月11日(火)発売】

2015年7月29日から、Windows 7/8.1ユーザー向けに無料アップグレードが始まったWindows 10。「予約したのにアップグレードが始まらない」、「アップグレードしたら周辺機器が使えなくなった」といったトラブルに見舞われないためには、予備知識と下準備が大切だ。本書では、Windows 7/8.1の環境別アップグレード手順を詳しく紹介するとともに、予約なしで今すぐアップグレードする方法やクリーンインストールの手順なども解説する。
※本書は2015年7月29日の正式リリース後の環境で検証しています。

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AKIBA PC Hotline!編集部