【不定期連載】レトロな○○ギャラリー

NEC PC-8001mkII

伝説の名機「PC-8001」の後継機種

 今回紹介するパソコンは、NECの「PC-8001mkII」です。伝説の名機「PC-8001」の後継機として1983年2月に発表されたモデルで、メインメモリの増量(16KB→64KB)、画面解像度の向上、RS-232Cや外付けFDDなどの接続インターフェイス、拡張カードスロットが追加されました。このほか、漢字ROMボード専用のスロットも用意されています。

 本体にはN-BASICとN80-BASICがROMで搭載されており、N-BASICを選択することでPC-8001とのソフトウェア互換を保つことができます。また、N80-BASICを使用することで、高解像度グラフィックなどの拡張機能をフルスペックで扱うことができます。

 今回は動作を確認することができませんでしたが、このコーナーで度々活躍している三菱の液晶ディスプレイ「RDT202WLM」で表示が可能です。

スペック

・CPU:NEC μPD780C-1(Zilog Z80A 互換)
・動作周波数:4MHz(0.004GHz)
・メインメモリ:64KB(0.000064GB)
・CRTC:NEC μPD3301-2
・同時発色数:8色(テキスト)
・テキストビデオメモリ:4KB(0.004MB)、テキスト文字+色、制御コード(メインメモリと共有)
・グラフィックビデオメモリ:16KB(0.016MB)
・解像度:640×200ドット(2色)、320×200ドット(4色)
・サウンド:BEEP音
・記憶装置:5インチFDD、データレコーダ(共にオプション)
・記憶メディア:5インチFD 2D(両面倍密)、ミニフロッピー 320KB(0.000320GB)、コンパクトカセット
・記憶装置容量/60分テープ装着時:約250KB(600ビット/秒)
・表示装置:デジタルRGB接続モニタ

NECのロゴが見えます。このロゴは1992年まで使用されていました。
先代のPC-8001よりもキーの打鍵が浅くなりましたが、疲れにくいキーボードでした。
背面の様子。左からリセット、カラーRGBモニタ、白黒出力、データレコーダ、RS-232C、RS-232Cピンヘッダ、拡張FDD、汎用入力、プリンタです。右斜め上は拡張スロットです。
底面の様子。ネジを6本外すとトップカバーが外せます。
カバーを外した状態。左上が拡張スロット、右上が電源ユニット。写真では完全に隠れてしまっていますが、電源ユニットの下に漢字ROMボード専用のコネクタがあります。
システムボードが見渡せるように、上部のパーツを取り外した様子です。下に見えるのはスピーカーです。現在のPCの起動BEEP音に近い方法で効果音を再生します。
システムボード右です。NECロゴがプリントされたICがずらり。左上2つがBASICが収めされたROMです。左下のRAM1-8がメインメモリ64KBです。IC35 D780C-1と書かれたICがZ80Aの互換CPUです。
システムボード左です。MADE IN JAPAN(右下)の上のVRAM1-8がグラフィックメモリ16KBです。その上にはD3301AC-2と書かれたCRTCも見えます。外付けFDD端子内蔵なのにコントローラーが見当たりませんが、コントローラーはフロッピードライブユニットに搭載されています。
2枚の拡張カードが搭載できる拡張スロットボックスです。
ボックスの背面。電源が小型化されたおかげでいくつかの拡張機能が内蔵できたようです。
拡張スロットのカバーを外した様子。拡張カードはあまり発売されなかったようです。
キーボードユニットです。写真では分かりにくいですが、ゲームで酷使されるスペースバーが傾いています。
キーボードユニットの裏側です。キーの押し込みでユニットが凹まないように補強されています。
電源ユニットです。-12V、12V、5Vの出力が可能です。国民的アニメのシールが貼ってありますが、気にしないでください。
電源ユニットの背面。手の平サイズのコンパクト電源です。
電源内部の様子。時間が経過したレトロPCを通電する際は、いきなり電源を入れずにコンデンサーの膨張や、異臭、異物がないことを確認してから通電しましょう。

標準価格

・本体 PC-8001mkII 標準価格:123,000円

※当時の物価:はがき 1枚40円・国鉄(現JR)初乗 120円・タクシー初乗430円

(後藤 儀兵衛)