【 2009年7月18日号 】
LEDバックライト式液晶「W2486L-PF」を試す -前編-
低消費電力化とパネルの薄型化を実現
Text by 久保 勇
 液晶テレビやディスプレイの新型バックライトとして期待されているLEDバックライト。低消費電力化や薄型化、コントラスト比/色再現域向上などが期待されているが、採用モデルは高級機や一部モデルに限られており、気軽に導入できないのが現状だ。

 そんな折、LG Electronicsから普及価格帯でLEDバックライトを採用する「W2486L-PF」が発表された。今回、短期間ながらW2486L-PFの試作機をテストする機会に恵まれたので、レビューをお届けしようと思う。

 レビューに使用したW2486L-PFと、比較用に使用したW2453V-PFLG Electronics Japanから貸出して頂いている。なお、両モデルはバックライト以外のパネル部分に関してはほぼ同等のスペックとのことだ。また、W2486L-PFは試作機のため、市販品とは異なる可能性 がある点には留意してもらいたい。

超高コントラスト、低輝度の公称値


 まずは基本的なスペック部分だが、パネルはフルHD(1,920×1,080)対応の24インチで、TN方式。コントラスト比1,000:1(F-Engineオン時2,000,000:1)、輝度250cd/平方メートル、応答速度2ms(中間階調域)。映像エンジンのF-Engine有効時は超高コントラスト比がうたわれている反面、輝度はLEDバックライトの特性か250cd/平方メートルと低めになっている。

 接続端子は本体に対し垂直に備えられており、入力端子にHDMI×2、DVI-D×1、ミニD-sub15ピン×1、出力端子にヘッドフォン出力×1(HDMI接続で音声入力時のみ利用可)を備える。VESAマウンタには非対応なので、アームなどは利用できない。最近の液晶ディスプレイには珍しく電源にACアダプタ(容量36W)を採用している。

 外観のデザインはAV機器寄りで、一見TVのようだ。HDMIを2系統備えているあたりはエンターテイメント用途を意識したモデルとも言える。ただし、スピーカーを備えていないので、ゲーム用として単体で済ませたい人は注意が必要。


最大で37%ほど低消費電力に、発熱はほとんどなし



ブライトネス最小時

ブライトネス中間時

ブライトネス最大時

 今回実際に使ってみて、最もLEDバックライトの特性が現れたのが消費電力と発熱だ。

 W2486L-PFの消費電力を測ってみたが、ブライトネスを最小に落とした状態が約14W、ブライトネスを50にした状態が約20W、ブライトネスを最大にした状態が約26W。従来機のW2453V-PFが最小時約18W、中間時約30W、最大時約41Wとなった。

 おおむね22〜37%(4〜15W)ほどLEDバックライト搭載品が省電力で、明度が上げるほど消費電力の差が広がる傾向がある。

 発熱に関してだが、W2486L-PFはほとんど熱を発しない。通常の液晶ディスプレイは長時間使用するとかなり熱を持つが、W2486L-PFは接続端子などがある付近がほんのり温まる程度。

 電源がACアダプタ化されている影響も大きいと思われるが、これには驚かされた。


厚さはわずか2cm、軽量化も進む



W2486L-PFのパネル最薄部

左:W2486L-PF 右:W2453V-PF

左:W2486L-PF 右:L797

 LEDバックライトを採用した液晶テレビなどは薄さをウリとしていたりするが、W2486L-PFも従来モデルより薄型化が図られている。パネル部分の最薄部は2cmで、従来機のW2453V-PF(最薄部分約3cm)と比較して3割ほど薄型化されている。数字で見ると若干といった感じだが、並べてみると圧迫感がかなり違う。筆者愛用のナナオ L797と比較すると完全に別物だ。

 また、W2486L-PFは横から見た際にふくらみがほとんど無く、すっきりとした印象だ。電源がACアダプタ化されていることもあるが、LEDバックライトの優位点が現れているデザインともいえる。

 W2486L-PFW2453V-PFの台座部分を外して持ち比べてみたが、W2486L-PFの方が若干軽く感じた。おそらく1kg近く軽量化されているのではないかと思われる。

 LEDバックライト搭載品は従来機よりも軽いので、液晶ディスプレイ用アームなどで利用する際にはお勧めできるモデルになる。だが、W2486L-PFは残念ながらVESAマウンタに対応していない。この点は非常に惜しい。今後、軽さを活かせる後継モデルの登場に期待したい。


電源投入直後から明度は安定、緑の鮮やかさが目立つ



電源投入直後

緑の発色は鮮やか
 W2486L-PFを使っていて感じたのだが、LEDバックライトは電源投入直後から明るさが安定しやすい傾向があるようだ。

 通常の液晶ディスプレイは、冷陰極管バックライトの特性上、電源投入後に明るさが安定するまで多少時間がかかる。高級機などには電源投入直後に輝度を安定させる機能を持つモデルもあるが、普及機には採用されていない。こうした特性が追加コスト無しで手に入る点はLEDの利点だ。

 最後に画質面に関してだが、発色は寒色寄りで、白と緑が綺麗に見える印象を受けた。特に緑は鮮やかに見える。また、公称値の輝度が低いので暗い画面を想像していたが、そんなことはなく、十分に明るい。個人的な感想となるが、パッと見はバックライト以外はほぼ同等の性能を持つW2453V-PFより綺麗に見えた。

 ただし、既存モデルと比較していて、画質面でW2486L-PFが独特な癖を持っていることもわかった。

 画質は個人的な好みの差が大きく、何を持って良いとするかは難しいが、最も重要なポイントでもある。後編ではW2486L-PFの画質面での特性をお伝えしようと思う。


□関連記事
【2009年6月11日】LG、白色LEDバックライトの24型フルHD液晶(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20090611_285711.html
【2009年6月11日】最新液晶ディスプレイ ピックアップ LGエレクトロニクス・ジャパン「W2486L-PF」(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/lcd/20090701_298454.html

W2486L-PF


※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。

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