【 2010年12月28日号 】
アキバの2010年10大ニュース投票結果発表
首位は「PC関連ショップが相次いで閉店」

 読者に投票していただいた2010年10大ニュースの結果をここで発表しよう。

 投票受付期間:12月8日〜12月18日
 総有効投票数:19,013票(4,535人)

1位は「PC関連ショップが相次いで閉店」 (2,228票)

閉店告知に集まる人々T-ZONE廃業のお知らせ
【閉店告知に集まる人々】【T-ZONE廃業のお知らせ】
AntecショールームUSER SIDE
【Antecショールーム】【USER SIDE】

 例年同様、今年も秋葉原ではいくつかのPC関連ショップが閉店したが、やはり多くの人に衝撃を与えたのは、11月末に伝えられたT-ZONE. PC DIY SHOPの廃業のニュースだろう。

 T-ZONEは、秋葉原では1994年に現ドン・キホーテのビルに大型店舗のT-ZONE.本店を構え、その後1999年にPCパーツ専門店としてPC DIY SHOPを追加オープン。しかし、2002年には本店を閉店、新たにT-ZONE. AKIBA PLACEを出店するものの、1年も経たないうちにAKIBA PLACEを閉店。以降はPC DIY SHOPの1店のみで営業を行なっていた。

 展開規模は縮小したものの、PC DIY SHOPでは品揃えの充実や値引きセールに加え、様々な店頭イベントや改造PCの展示を行なうなど独自カラーを打ち出し、自作PCユーザーからの支持も高かった。店舗の再編を繰り返しつつも、15年以上も秋葉原に在ったT-ZONEの名が消えることに寂しさを覚えた人も多かったに違いない。

 また、老舗としてはUSER SIDE(旧USER'S SIDE)も海外ゲームソフト中心の通販サイト「Game Freak」へと社名と業態を変更、USER SIDE マルチ・スペースも6月に閉店し、秋葉原から姿を消すこととなった。ほかにも、「アンテッ子」関連のイベントを開催するなどして人気の高かったAntecショールーム(10月閉店)や、エプソンダイレクトプラザなどが閉店している。

□関連記事
【12月4日】T-ZONEが廃業、ドスパラの店舗として再出発
【10月9日】Antecショールーム最後のイベントが開催
【9月18日】Antecショールームが10月に閉店
【6月12日】USER SIDEが社名変更して移転、ゲーム専門の通販店に


2位は「3TBのHDDがついに登場」 (1,759票)

3TB HDD発売WD30EZRS
【3TB HDD発売】【WD30EZRS】

 2007年に1TB、2009年に2TBと、順調に大容量化が進んだ3.5インチHDDは、2010年にはついに3TBへ到達、11月中旬にWestern Digitalから初の製品が発売され、その翌週には日立からも製品が発売された。しかし、1TBや2TBのHDDがデビューした時とは違い、3TB HDDでは特定のOSやハードが必要だったり、Windows XPでは全容量を使えなかったりするといった制約もあり、発売直後は「様子見の人が多い」と話すショップもいくつかあった。

 ただ、メーカーもこういった状況を傍観しているわけではなく、Western Digitalが「容量を正しく認識できない」環境向けとして、SATAインターフェイスカードを同梱したモデルを発売したほか、ASUSは同社製マザー向けの3TB HDD対応ユーティリティ「Disk Unlocker」の提供を開始した。特にDisk Unlockerは、Windows XPでも3TB HDDが起動ドライブとして使えるようになるという期待のツールで、今後はこうしたメーカー独自の対応策がどの程度充実するかも注目されそうだ。

□関連記事
【11月13日】HDDがついに3TB到達、最新OSで利用可能
【11月20日】3TB HDDが日立からも登場、7,200rpm

3位は「Windows XPの販売が終息へ」 (1,557票)

販売終了の告知XP搭載ショップブランドPC
【販売終了の告知】【XP搭載ショップブランドPC】

 2001年の秋から販売されてきたWindows XPだったが、2010年10月には「新規入手するための最後の手段」となっていたショップブランドのプレインストールPCの販売も終了、これでリテール版(2008年6月末終了)やDSP版(2009年1月末終了)を含め、Windows XPの販売が実質的に終了した。長年販売されたOSとあってユーザーも非常に多く、この“完全終了”を寂しく感じた人もかなりいたかもしれない。

 とは言え、自作PCユーザーの目は新世代のOSに向けられつつあり、直近の弊誌読者環境調査ではWindows 7のユーザー数がWindows XPを抜きトップとなっている。Windows 7ではDirectX 11や、SSDの長寿命化などに貢献するTrimコマンド、HDDの物理セクタを4KBに拡張したAdvanced Formatなど、Windows XPにはなかった新しい機能や規格がサポートされており、こうしたこともWindows 7への移行を後押ししていると見られる。

□関連記事
【10月23日】Windows XPのPCが22日(金)で販売終了 当日まで店頭販売



 4位以降のランキングは以下のとおり。


順位ニュース/解説
4位
(1,307票)
メモリのメインストリームがDDR2からDDR3に完全移行、4GBメモリも普及価格帯に
(DDR3が売れ行きの中心に、4GBメモリは年始の4分の1程度の価格に急落)
5位
(1,260票)
HDDの値下がり続く、2TB HDDは常時8千円割れに
(2TB HDDが最も割安なモデルとなり主流に)
6位
(1,239票)
AMDの6コアCPU「Phenom II X6」シリーズが登場、サーバ向けOpteronは12コアに
(2万円で購入可能な割安な6コアCPU、Opteronは12コアや8コアなどの多コアモデルが発売)
7位
(929票)
Intelの6コアCPU登場、Core i7とXeonの上位モデル
(ハイエンドユーザー向け、廉価モデルは登場せず)
8位
(855票)
6Gbps Serial ATA対応SSDが登場、Crucialの「Real SSD C300」が人気に
(Crucialの64GBモデルは割安感から定番に、チップセットはネイティブ対応のSB850が登場)
9位
(794票)
駅周辺に変化、再開発が進み秋葉原駅の改修も完了
(新駅ビルやGUNDAM CAFEなどがオープン、ラジオ会館はビル建て替えを告知)
10位
(724票)
Android搭載のタブレット端末が多数登場
(1万円以下の安価モデルからTegra搭載のハイスペックモデルまで様々な製品が登場)

11位
(679票)
USB 3.0対応品が多数発売、対応マザーボードやHDD外付け機器が登場
(対応PCケースやUSBメモリなども数多く登場)
12位
(630票)
メインストリーム向けでは初のGPU統合型CPUがIntelから発売
(Core i5/i3やPentium、Atomなどの複数モデルが発売)
13位
(629票)
IPSパネル液晶に注目集まる、実売2万円の格安モデルが人気に
(LEDバックライト採用の格安品のほか、三菱電機から「240Hz相当」表示の高級モデルなども登場)
14位
(598票)
LGA1156プラットフォームが登場
(LGA775の後継となるメインストリーム向けのプラットホームに)
15位
(508票)
FF XIV特需で高性能ビデオカードが一時品薄に
(FF XIVベンチマークで盛り上がるが、製品発売後は落ち着いた動きに)
16位
(490票)
AMDからRadeon HD 6000シリーズが登場、上位モデル更新は1年ぶり
(ハイエンドはHD 6900シリーズ、ミドルレンジ上位はHD 6800シリーズに世代交代)
17位
(443票)
NVIDIAから「Fermi」アーキテクチャのハイエンドモデル「GeForce GTX 580/480」が発売
(下位モデルもFermiアーキテクチャ採用モデルに置き換え進む)
18位
(425票)
LEDバックライト採用の液晶ディスプレイが普及
(採用モデルが多数発売、1万5千円以下の安価なモデルも登場)
19位
(260票)
ディスプレイ無線化アダプタが複数登場、フルHD対応モデルも
(HDMIワイヤレス化製品やDVIワイヤレス化製品が複数発売される)
20位
(229票)
Windows 7が発売一周年、窓辺ななみのプロモーションも続く
(XPの後継OSとして定着化、窓辺ななみオリジナル楽曲CDプレゼントも)
21位
(224票)
海外向けスマートフォンの流通量が増加、SIMフリー版iPhoneは品薄になるほどの人気に
(SIMフリーの海外直輸入品が店頭に多数並ぶ)
22位
(199票)
多画面出力対応ビデオカード増える、6画面出力対応のRadeon HD 5870 Eyefinity 6が発売
(Radeonは5画面/4画面出力対応品も登場、GeForceも4画面出力対応のGTX 460が発売)
23位
(191票)
ショップの萌えキャラは今年も増加傾向
(把握が困難なほど多くのキャラクターが登場)
24位
(164票)
3D関連製品の発売続く、本格普及はこれから?
(3D画像を撮影可能なカメラも発売、裸眼立体視対応の液晶ディスプレイなども登場)
25位
(161票)
スマートフォン向けアイテムが増加
(Bluetooth対応小型キーボードが人気に、カメラやバッテリーなども多数発売)
26位
(120票)
入力デバイスの新定番?フットペダルが登場
(多くのメーカーが製品を投入、3連モデルなども発売)
27位
(87票)
iPhone/iPad関連グッズを扱うショップが増加、並行輸入品も多数出回る
(iPhone用ケース取扱店は爆発的に増加、数多くの対応品が登場)
28位
(79票)
2.5インチHDDが1TBに到達、ただし12.5mm厚
(9.5mm厚モデルは各社から750GBが発売される)
29位
(45票)
“ホワイト版”iPhoneの話題増える
(ホワイト化済みの改造モデルや保守パーツが流通、ホワイト化ケースは多数発売)

 その他 200票



□「アキバの10大ニュース」バックナンバー
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/backnum_tokubetu.html#10dai


※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。