【 2011年7月16日 】
LlanoのOCデモ実施、液体窒素で4.9GHz達成
空冷でも3.6GHz


4906.1MHz

 Llanoを液体窒素で冷却、オーバークロックさせるというデモが、OVERCLOCK WORKSで実施、なんと液冷で4.9GHzまで、空冷で3.6GHzまでのオーバークロックに成功している。


●LlanoのOCはベースクロックを操作


4906.1MHz時のCPU-Z画面

Super PIの結果

使用したCPU

CPUクーラーに張り付いてしまったCPU。T使い氏曰く「すっぽんした」状態とか
 デモを実演したのはオーバークロッカーの「T使い」氏。用いたCPUはA8-3850(定格2.9GHz)とA6-3650(定格2.6GHz)で、液体窒素を溜めるリザーバーには、不二ライトメタルの円筒型CPUクーラー「T-Shooter」を改造したという独自のものが使用された。画面出力はLlanoの内蔵GPUを利用。

 同氏によれば、LlanoのOCではクロック倍率ではなくベースクロックを操作する必要があるとのこと。「BIOSで倍率を下げた場合は反映されるが、上げた場合は反映されないため、ベースクロックを操作するしかない」という。

 まず行なったのはA8-3850のOCで、マザーにはGIGABYTEの「GA-A75-UD4H」を使用。液冷によるOCでは、ベースクロック169.2MHz、コア電圧1.792V(CPU-Zによる測定)において、4.906GHzでOSが起動することを確認した。なお、空冷でOS起動が確認できたのは3.6GHzだったという。

 なお、同氏いわく、GA-A75-UD4HはBIOSのバージョンによって電圧の設定項目が変化するとのこと。「前バージョンのBIOSは電圧が設定しやすかったが、最新BIOSに替えたところ変更したい電圧の項目がなくなってしまった」という。

 そして、A6-3650のOCへ移ろうとしたところでトラブル発生。液体窒素のリザーバーを取り外そうとしたところ、テストしていたA8-3850が張り付き、(CPUソケットがロック状態のままなのに)そのままCPUまで外れる事態に。その後、なんとか取り外せたものの、この影響のせいかGA-A75-UD4Hが正常に動作しなくなってしまったという。

 このため、A6-3650のOCは、急遽マザーをASUSの「F1A75-V PRO」に変更して行なわれた。

 結果、OS起動が確認できたクロックは4.186GHz。この時のベースクロックは161MHz、コア電圧は1.428V(CPU-Zによる測定)。同氏は「F1A75-V PROでは目的の電圧まで上げることができず、クロックアップが難しかった」「GA-A75-UD4Hを使えたらもっとクロックは上がったはず」と悔やんだ。

 今回のデモを見る限り、LlanoのOCではマザーが持つ電圧設定能力の高さがカギとなりそうだ。OC向きのマザーを選びたいという人は、マザーメーカーがWebサイトで公開しているPDFマニュアルで、BIOSで設定できる内容などを確認してみるのも手かもしれない。


□OVERCLOCK WORKS
http://www.ocworks.com/

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AMD A8-3850

[撮影協力:OVERCLOCK WORKS]

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