【 2011年11月26日 】
「シースルーHMD」がエプソンから発売、店頭デモも開始
搭載OSはAndroid 2.2

 映像を観ながら周囲の様子も見られるというシースルータイプの3D対応ヘッドマウントディスプレイ「MOVERIO(BT-100)」がエプソンから発売された。

 外部からの映像入力はなく、メモリカード内などの3D映像を視聴する、という独立型のデバイスだ。

 ソフマップ 秋葉原 本館ツクモパソコン本店やでは、3D映像を体験できるデモも行なわれている。実売価格は59,800円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。


●シースルー液晶を採用した独立型再生デバイス
 映像入力端子なし


表示例(視野角の関係で片目分のみ写っている)

表示例

映像が見にくい背景の例

コントローラ
 MOVERIOは、透明なゴーグル中央部に半透過の画面があるというシースルータイプのヘッドマウントディスプレイ一体型再生デバイス。使用中に周囲の状況を確認できるのが特徴だ。

 液晶パネルは高温ポリシリコンTFT方式で、解像度は960×540ドット。製品構成は、頭部に装着するヘッドセットと、コントローラの2つで、両者は専用ケーブルで接続される。

 店頭で試用してみると、周囲が見える分、先に発売されたソニーのHMDよりも没入感は低いが、装着は楽で、気軽に使える感覚。また、液晶表示部は半透過のため、背景によっては映像内容が見にくい場合がある。店頭デモブースはソニー製HMDの隣になっていることもあり、両者を比較している来店者も多く見られた。

 ちなみに、エプソンでは「遠くを見るほど画面が大きく見える」のもウリとしており、仮想画面サイズは「視点が5m先なら80インチ相当、20m先なら320インチ相当になる」という。店内の試用ブースではこの点を確認することはできなかったが、同様に連想するなら、「高層ビルの上層階で外を眺めてみる」といったスケールの大きな(?)使い方も面白いのかも知れない。

 視聴できるのは内蔵メモリ(1GB)やmicroSDカード(最大32GB)に記録した動画/音楽ファイルで、映像や音声の外部入力端子は非搭載。対応フォーマットはMPEG4、H.264、AAC、MP3。3D動画はサイドバイサイド方式のみ対応する。

 音声については、ヘッドセットに専用イヤフォンを接続して聞けるほか、コントローラにステレオミニジャックが装備されている。また、Dolby Mobileによるサラウンド機能も備えている。

 本体サイズと重量は、ヘッドセットが幅205×高さ47×奥行き178mm、240g(ケーブル含まず)、コントローラーが幅67×高さ19×奥行き107mm、165g。電源は内蔵のリチウムポリマーバッテリー、またはACアダプタで供給され、バッテリー使用時の連続再生時間は約6時間。

 付属品はUSBケーブル、ACアダプタ、microSDHCカード(4GB)、専用ステレオイヤフォン、キャリングケースなど。

●OSはAndroid 2.2
 Webブラウザはあるがマーケットはなし


Androidのバージョン表示


アプリ一覧
 ちょっと面白いのが、システムプラットフォームとしてAndroid 2.2を採用している点。

 内蔵の無線LAN機能を使ってWebサイトの閲覧が可能なほか、Flashコンテンツなどを楽しむこともできる(Flash Player 10.3を搭載)。コントローラにはタッチパッドも搭載されており、スマートフォンのような感覚でメニュー操作や文字入力などが行なえる。なお、Webブラウザなどは搭載されているが、Androidマーケットは非搭載。


□MOVERIO/ニュースリリース(セイコーエプソン)
http://www.epson.jp/products/moverio/
http://www.epson.jp/osirase/2011/111109.htm

□関連記事
【2011年11月10日】ソニー製HMDが明日発売でデモ開始、予約しても入手は来年?
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20111112/etc_sony.html
【2011年11月9日】エプソン、背景も見えるシースルーHMD「MOVERIO」(AV Watch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20111109_489443.html


エプソン MOVERIO(BT-100)

[撮影協力:ツクモパソコン本店ソフマップ 秋葉原 本館]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。