【 2011年12月13日号 】
[不定期連載]PCパーツ最前線:
APCに聞く「UPSのイロハ」
〜選び方や使いこなしのポイントは?「矩形波+PFC」がアリの場合も〜
 東日本大震災の影響で、にわかに注目が高まってきたUPS(無停電電源装置)。

 コンセントからの電力供給が絶たれても、内蔵バッテリで電力を供給、その間にPCのシャットダウンや休止を行う、という製品だ。春先の計画停電の折など、導入を検討した人も多いだろう。

 しかし、実際にUPSを買おうとすると、仕組みや容量の選び方などポイントが数多く、なかなか選びにくかったりもする。

 そこで今回は、UPSの最大手ブランド「APC」を展開するシュナイダーエレクトリック株式会社の技術部門を担当するHBNオファーマネージメント・マネージャー 神谷 誠氏に選択ポイントや運用時の注意点をお伺いした。

 またインタビューと同時に、同社の人気モデル「APC RS400」と、長時間バックアップ用の「APC Smart-UPS XL 500」を借りてミニレビュー。PC用電源との相性や長時間モデルの特性を調査してみた。こちらもUPS購入時の参考にしていただきたい。

聞き手:長畑 利博
協力:シュナイダーエレクトリック株式会社
実施日:2011年11月30日


 
UPSはどう選ぶ?
矩形波モデルの意外な特性、実はActivePFCでも…


HBNオファーマネージメント・マネージャー 神谷 誠氏
――まず、御社の事業を簡単にご紹介いただけますか

[神谷氏] APCはコンシューマ向けUPSでは世界のトップシェアを持つメーカーです。

 APCは2007年にフランスのエネルギー系インフラ企業であるシュナイダーエレクトリックの傘下に入り、日本でも2011年10月1日に社名をAPCからシュナイダーエレクトリックに変更しています。ただ、小型UPS製品はすべてAPCブランドで展開していきますし、パッケージもAPCのままで変更はありません。



同社のパンフレットにはモデル・負荷容量別のバックアップ時間早見表が掲載されている

ラインインタラクティブ式(上)と常時商用給電方式(下)の解説

正弦波(上)と矩形波(下)の概念図
――さて早速本題ですが、個人ユーザーがUPSを選ぶ上での注意する点はありますか?

[神谷氏] まず大切なのは、バックアップする機器はなにかと言うことを見極めることですね。PCの場合、バックアップ機器の消費電力に加えて、アプリケーションなどのデータ終了までに何分電力を提供し続ける必要があるかという点も把握しておきます。消費電力とバックアップ時間で購入予定のUPSに必要な容量が決まってきます。

――ワットチェッカーなどで消費電力を調べておいたほうがいいということですね

[神谷氏] 容量が決まったら給電方式から製品ラインナップを決めます。簡単に説明しますと、コンシューマ向けUPSの給電方式は、常時商用給電方式、ラインインタラクティブ方式の2種類があります。

 常時商用給電方式は、通常はコンセントからの電力をそのまま供給し、電圧が異常になれば、すぐにバッテリに切り換わるという一番シンプルな方式です。弊社の製品だとESシリーズが該当します。

 ラインインタラクティブ方式は、ある程度の電圧変動に関してはUPS内部で補正し、それを超えたらバッテリ運転に切り換えるもので、バッテリ運転への切り替え頻度を下げることができるため、常時商用給電方式よりはバッテリー寿命を延ばすことができるのが特徴です。

 最後のポイントは出力波形の違いです。

 出力波形は正弦波と矩形波の2種類があります。正弦波はコンセントから提供されている出力波形で、海の波のような緩やかな変化のある波形になっています。一方、矩形波はコンセントから供給される電圧としては同じものですが、波形がブロックのような直線的かつ規則的に変化します。矩形波は回路設計的に簡単に出力できる波形であるため、安価なESシリーズやRSシリーズで採用されています。

 ただし、矩形波出力のUPSには制限事項がありまして、PFC(力率改善回路)を搭載した電源では動作しないことがあるので、その点について注意してくださいという形で販売させていただいております。
 
――自作PC用の電源ユニットはActive PFC搭載製品が主流ですが、これらの製品では矩形波仕様のUPSは使用できない、ということでしょうか?

[神谷氏]  Active PFCは電力をより効率的に使うための機構ですが、正弦波を前提に回路が制御されているため、波形の変化が直線的な矩形波モデルでは動作しないことがあります。

 ただ、100%動作しないのではなく、「メーカーや製品ごとに異なり、回路の制御方式によっては動作しない場合もある」というのが実情です。ただ、弊社ではトラブルが起きないよう、PFC回路を搭載した電源ユニットを使う場合は、動作確実な正弦波モデルをお勧めしております。

――実際にはどれくらいのPFC機器が動作しないものなのでしょうか?市場に占める割合など、判れば参考になると思うのですが

[神谷氏]  機種やメーカーなどでバラバラなので、一概に割合では言えないのですが、実際に矩形波タイプのUPSを買われたユーザーの方からの問い合わせは年に1件あるかどうかです。実際に社内で検証している中ではActive PFC対応の製品で10台に1台以下が動作しない、といったところでしょうか。

――「矩形波モデルでも実は動く」ということも多いのですね。では、不具合がおきるActive PFC電源と矩形波UPSを組み合わせた場合、どんな不具合が起きるのでしょうか?また逆に、「矩形波UPSで利用できるActive PFC電源」を見極めるにはどうしたらいいでしょうか?

[神谷氏] 制御方式が非対応の場合、バッテリに切り換わったタイミングで電源が停止、PCが落ちることが多いです。現在の電源ユニットは安全設計がしっかりしているので、PFC回路で波形の補正の幅が大き過ぎると言う形で危険を感知した場合、電源供給を止めてしまいますね。

 利用できるPFC電源に関しては、検証試験をするしかないのですが、切り換わったタイミングですべての機器が正常に動作し、その後、想定されるバックアップタイムまで動作し続けるようであれば、「正常に動作する組み合わせ」と判断していただいて大丈夫です。

――なるほど。矩形波モデルは難しい面もあるのですね。では、例えばACアダプタはどうでしょうか?また、御社のカタログを見たら扇風機に「×」マークが付いていましたが……

[神谷氏] ACアダプタを使用した機器は問題はありません。扇風機がダメなのはモーターの仕組によるものです。交流で直接モーターを回す形式の扇風機を矩形波モデルに接続すると、ファンがカックンカックンという形でぎこちない動作をします。内部で直流に変換してモーターを動かすタイプの製品なら動作します。

――ほかにUPSで使用する上で制約がある機器はありますか?

[神谷氏] レーザープリンタの印刷時のように、負荷が急激に変化する機器は原則として使用できません。これは急激な電圧の変化でコンセント→バッテリの切り換えが頻繁に起こり、UPS内部の回路を破損してしまう可能性があるためです。ただ、負荷の大きさの問題なので、かなり大容量のUPSにレーザープリンタを接続する、というであれば大丈夫です(注:APCのサイトでは「接続してはいけない機器リスト」も掲載されている)。

――PCも電源を入れるときなどは急激に電圧が変化すると思いますが、PCの場合は大丈夫なんでしょうか?

[神谷氏] PCの電源を入れると確かに急激な負荷がかかりますが、レーザープリンタほど急峻なた負荷変化ではなく、また使用するPCに適した容量のUPSを選んでいただいている筈なので問題ありません。ただし、バッテリ寿命が近付いていて、電圧が下がっていると止まってしまう可能性がありますね。

 
UPSには「寿命」アリ、賢い使い方を聞いてみた

――UPSのバッテリには寿命がありますが、長持ちさせるコツや運用時の注意点などはありますか?

[神谷氏] バッテリの寿命は周囲環境の温度や放電の回数、つまりバッテリをどれだけ使ったかという利用頻度に左右されます。

 たとえば、3年ものの新品バッテリを25℃の環境で年に4〜5回の停電があるといった条件で運用した場合、弊社では2.5年で交換してくださいという形でお願いしています。

 また、バッテリには放電回数が決められていて、それをサイクル寿命といいます。先ほどの3年もののバッテリだと200〜300回程度か保証されたサイクル寿命です。また、弊社UPSでは2週間に1回、あるいは電源投入時にバッテリ寿命を計測するセルフテスト機能があり、これで簡単に寿命が分かるようになっています。

――バッテリーでの動作回数が年間ゼロ回だとどうなるのでしょうか?

[神谷氏]  その場合はカタログ規定値のとおりになりますが、周辺温度の影響が大きくなります。

 温度が低いとバッテリ内部の液体が活性化されないため、バッテリモードに切り換えたときに駆動時間が短くなり、温度が高いと駆動時間は延びる半面、内部の液体の腐食などが進みやすくなるため、バッテリ寿命が短くなります。適温である25℃で維持するのがベストですね。

――利用頻度が低い場合は、温度が低いほうがバッテリ自体はある程度長持ちするということですね。バッテリを一度使用して、コンセントにつながない状態で放置するとどうなるのでしょうか。

[神谷氏] そうですね。そういう意味では温度が低いほうが長持ちします。一度使用したバッテリを保管する場合は、満充電にしておくのをお勧めします。

 一度残量がゼロになってしまうと、バッテリが回復しなくなるため、バッテリ残量がゼロになる前に充電をしてください。これも温度の影響が大きいのですが、鉛蓄電池でバッテリ満充電の場合は温度環境が25℃の場合は6カ月ほど持ちます。40℃の場合は3カ月くらいで補充電を行なうことをお勧めします。

――UPSのバッテリが規定の時間使えるのはどれくらいの期間なのでしょうか?

[神谷氏] 適温でサイクル寿命が減っていない場合であれば、7カ月前後はカタログスペックとおりの駆動時間を維持します。その後は2次曲線を描く形でバックアップ時間が落ちていきます。

――ちなみにあらかじめUPSに充電をしておいて、停電したら非常用電源として使うとことは可能なのですか?

[神谷氏] コンシューマ向けのESシリーズやRSシリーズはできますが、それより上位のモデルでは、UPSの電源スイッチを入れる際、コンセントからの電力が必要なモデルもあります。コンシューマ向けモデルではSmart-UPSシリーズが非対応です。

――バッテリーというのは意外に処理に困るものですが、寿命の来たバッテリはどう処分したらよいのでしょうか?

[神谷氏] 弊社製品であれば、弊社で処分を受け付けております。送料は負担していただきますが、製品を梱包して送っていただければ大丈夫です。沖縄などの離島から航空便を使用して発送していただいても大丈夫です。

――ちなみに店頭に置いてあるUPSを購入した場合、店頭在庫の期間が長くてバッテリの寿命が来ていたということはないのでしょうか?

[神谷氏] 先ほどもお話ししたとおり、放置期間が長いとバッテリ寿命が来てしまいますので、店頭に在庫のあるものは、弊社に送って頂いて補充電を行っています。補充電の間隔は5ヶ月程度ですね。

――店頭在庫も定期的にメンテナンスされているとは。ちょっとびっくりしました。生鮮食品みたいですね。

[神谷氏] ただあまり店頭在庫が出ないように、流通量を調整するようにはしています。

 
日本のリクエストで、長時間モデルも発売

――最後になりますが、東日本大震災後にUPSの需要や状況は変わったのでしょうか?また震災後はどのあたりのモデルが売れたのでしょうか?

[神谷氏] 調査会社(BCN)の調べではUPS全体の需要が震災直後に6倍ほど増えたそうです。弊社への問い合わせもかなり(4〜6倍)増えたのですが、実際には弊社の市川にある物流センターが震災の影響を受けてしまったため、対応が遅れてしまった感があります。代理店さんなどの店頭在庫などでなんとかまかなったという感じですね。

 需要が増えたものを順にあげると、一番が簡易型の「Surge Arrest雷ガードタップ+電源バックアップ」、その次がビジネス用途にも対応できる「APC RS 550」、最後にUPSとしてはローエンドクラスに当たる「APC ES 550」ですね。

――御社は世界中でUPSを提供しているという印象があるのですが、日本向けと海外向けで製品内容が異なる部分はあるのでしょうか。

[神谷氏] 実は国内で提供しているUPS製品はグローバルモデルとは別の専用ラインを用いて作られています。

 これは日本には高品質を求めるユーザーさんが多いこと、国内の(コンセントからの)供給電圧などの違いもあります。国内の定格供給電力は100Vですが、80V〜120Vまでの電圧変動があってもUPS側に安定して充電できるように検証もしています。

 また、震災後は「できるだけ安価で長時間バックアップできる製品が欲しい」という要望をいただきました。これを受けて6月に発売されたのが「APC Smart-UPS XL」シリーズです。比較的安価なSmart-UPSシリーズをベースにしつつ、最大10個まで拡張バッテリーを付けられるようにして長時間駆動に対応したのが特徴です。

――なるほど、ありがとうございました。



 
本当に矩形波モデルでActive PFC電源は動くのか?
電源6製品で検証


検証に使用した「APC RS 400」。内部バッテリを交換可能で、本体上部にあるLEDによりバッテリ駆動時の提供電圧の表示や接続している機器の消費電力に合わせた残り稼働予測時間などの表示ができる
 ここからは同社のUPS、「APC RS400」と「APC Smart-UPS XL 500」の2製品を使ってインタビューで得た情報を検証してみたい。

 まずインタビューで気になったのが、「Active PFC電源でも矩形波UPSを利用できる場合がある」という点だ。

 インタビューにもあるように、利用できるかどうかは電源の回路設計次第で、しかも検証してみないとそれを判定できないため、同社では一括して「UPSまたは接続機器が故障することがある」と説明している。しかし、逆に言うと、検証すれば利用できるかどうか判るということだ。安価な矩形波UPSを利用できることが判ればメリットも大きい。


【今回テストした電源】
Antec
EarthWatts EA-650(80 PLUS Standard)
Antec
High Current Pro 750W(HCP-750)(80 PLUS Gold)
Corsair
CMPSU-750AXJP(80 PLUS Gold)
Enermax
Platimax EPM600AWT(80 PLUS Platinum)
玄人志向
KRPW-SS600W/85+(80 PLUS Bronze)
玄人志向
KRPW-P630W/85(80 PLUS Bronze)

 そこで今回、メーカーやモデルの事なる電源を6種類用意、APCラインナップでは安価な矩形波モデルとして人気の高いRS400を利用して動作検証を行った。

 なお、この検証はAPCからアドバイス頂いた方法で行っているが、検証結果についてはAPC、各電源メーカー、編集部とも保証できない。電源の設計がロット違いなどで変わる可能性もあるため、あくまでも参考情報と考えてほしい。


【テストPC】
CPU
Intel Core i7-2600K(3.4GHz)
マザーボード
ASUSTeK P8Z68M-PRO(Intel Z68)
ビデオカード
Sapphire HD6670 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-I/DP
メモリ
Corsair CMX4GX3M2A1600C9 PC3-12800
(DDR3-1,600MHz DDR3 SDRAM 2GB×2)
HDD
Crucial RealSSD C300 CTFDDAC064MAG-1G1
(Serial ATA6Gbps、64GB)
OS
Windows 7 Ultimate SP1 64bit版
 さて、行ったテストは、各電源を組みこんだテストPCにAPC RS400を接続、バッテリーモードでもトラブルが発生しないかを確認する、というもの。

 システム負荷によって回路動作が変わる可能性があるため、低負荷状態と高負荷状態の両方が計測できるよう、バッテリモードに切り換えた後、最初の5分は低負荷、あとは3DMark Vantageをループモードにして動作させてみた。

 なお、テスト環境の消費電力は、電源ユニットにKRPW-P630W/85を使用した状態で低負荷時は42.6W、3DMark Vantage実行中の最大値は168.2Wである。また、RS400使用時のバッテリ持ち時間は、満充電から3DMark Vantageを実行した場合は約14分、同じく満充電状態からたまにWebブラウズする程度では約53分だった。


●矩形波UPSでもActive PFC電源は動作
 ただしコイル鳴りする例もアリ


「APC RS 400」の背面写真。停電時にバッテリを供給する機能を持つバックアップコンセントが三つ用意されているほか、落雷時に接続している機器にダメージを与える雷サージ対策用のコンセント、電話回線およびLAN、コネクタが用意されている

「APC RS 400」と、その下位モデル「APC ES 550」と並べたところ。ESシリーズはRSシリーズより安価だが、LED表示がないことやバッテリ交換ができない点が異なる。両製品とも給電方式は常時商用給電、出力波形は矩形波
 結論から先に言うと、今回用意した電源ユニットは、すべてバッテリモードで動作した。バッテリモードに切り換えた瞬間やシステム負荷が上がった状況でも、電源やシステムが落ちることなく動作している。

 今回のテストで動いたからといって、電源のマイナーチェンジなどで回路が変更、動かなくなる可能性も考えられるため、「100%安心して使える」とは断言できないが、少なくとも動作例がある、というのは参考になるだろう。

 ただし、気になる動作を確認した製品もあった。確認したのは、Antec「High Current Pro」と玄人志向「KRPW-SS600W/85+」の2製品で、バッテリモードによる電力供給中、電源ユニットからコイル鳴きが発生した。PCの動作にはまったく問題なかったが、(仕様外である)矩形波の電源供給で何らかの負担がかかっている可能性が考えられる。

 以上の結果を考えると、シャットダウンまでの短時間なら、矩形波タイプのUPSでもActive PFC搭載電源を使用できる場合も多いよう。もっとも、確実さを求めるならばメーカー側が指定する正弦波モデルなのは間違いない。求める「確実さ」と予算に応じてモデルを選択するのがいいだろう。


 
長時間バッテリで録画環境を維持してみた


「APC Smart-UPS XL 500」。本体は高さ216×幅170×奥行き43mm、25kgと大型。基本的な機能については、本体側に貼ってあるシールに記載されている。給電方式はラインインタラクティブ、出力波形は正弦波

「APC Smart-UPS XL 500」背面。拡張バッテリとの接続はケーブルをつなぐだけでよい。拡張バッテリパック本体はAPC Smart-UPS XL 500とほぼ同じ大きさとなっており、内蔵されているバッテリ容量は本体より大きいため重量も約33kgと本体より重い

バッテリ増設の解説
 さて、もう一つ試してみたのが大容量モデル「APC Smart-UPS XL 500」を使った、長時間録画の耐久テストだ。

 読者の中には、計画停電でPCの録画が失敗したという方も多いと思う。そこで、録画PCをUPSで長時間動作させてみよう、というわけだ。

 使用するSmart-UPSシリーズは、APCのラインナップではサーバーなどの業務用向けに用意されているモデル。今回利用したAPC Smart-UPS XL 500(SUA500XLJ)はその中でもローエンドモデルにあたり、個人ユーザーでもなんとか手の出せる価格帯に収まっている。

 本製品はインタビュー内でも説明されたように、震災後の要望を元にした長時間駆動、かつ安価な国内向けのUPS。通常のSmart-UPSと違い、別売りの拡張バッテリパックを背面に接続、長時間のバッテリ駆動が可能になっている。

 拡張バッテリパック(SUA24XLBP)は1台のSmart-UPS XL 500に対して、最大10個まで増設可能。10個の拡張バッテリをつないだ状態で100W機器を運用した場合、最大で4,982分(約3日半)という驚異的な動作時間を確保している。

 ここではAPC Smart-UPS XL 500と拡張バッテリパックを1個接続した状態(カタログ上では100W機器を最大573分使用可能)で、テレビ録画可能なPCをどれくらいの時間動作させることができるかを試している。テスト環境は右のとおり。


●拡張バッテリ1個で12時間も録画継続

【テストPC】
CPU
Intel Celeron E3300(2.50GHz)
マザーボード
ZOTAC GeForce 9300ITX WiFi
メモリ
SiliconPower SP004GBLRU800S22 DDR2 PC2-6400 2GB×2
HDD
日立 HDP725050GLA(500GB/システム用)
Western Digital WD30EZRX(3TB/データ用)
チューナーカード
KEIAN KTV-FSPCIE
OS
Windows 7 Ultimate SP1 64bit版
 このテスト環境で1番組の録画状態を維持した状態のままバッテリモードに移行し、どれくらい録画を継続できるかを試した。なお、テスト環境の消費電力は、録画時の最大で85Wとなっている。

 結果はバッテリモードになってから12時間12分もの間、録画を継続した。このAPC Smart-UPS XL 500+拡張バッテリパック(SUA24XLBP)1個の組み合わせがあれば、停電しても半日は録画が継続できることになる。

 注意事項としては、バッテリモード時には警告音が鳴ることだ。また、内蔵されているファンのノイズも大きい。警告音については別売りのコントロールソフトであるPowerChute(どのエディションでも可)で停止させることができるが、ファンに関してはUPS本体を置く場所を工夫して対応する必要があるだろう。


□APCジャパン
http://www.apc.com/site/apc/index.cfm?ISOCountryCode=jp
□シュナイダーエレクトリック
http://www.schneider-electric.com/site/home/index.cfm/jp/

□APC RSシリーズ
http://www.apc.com/products/family/index.cfm?id=349
□APC Smart-UPSシリーズ
http://www.apc.com/products/family/index.cfm?id=165

APC製品

[取材協力:シュナイダーエレクトリック株式会社]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。


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