【 2011年12月29日 】 | |
アキバの2011年10大ニュース投票結果発表 首位は「タイ洪水の影響でHDDが暴騰、一時店頭価格は3倍に」 |
読者に投票していただいた「アキバの2011年10大ニュース」の結果をここで発表しよう。
総有効投票数:12,370票(2,896人)●1位は「タイ洪水の影響でHDDが暴騰、一時店頭価格は3倍に 」 (2,362票)
【購入制限の告知】 【「時価」の表示も】 【2TB HDDの最安値推移(11/10)】 【4TB HDD】 主要PCパーツの中で、3.5インチHDDに対しては「物価の優等生」のようなイメージを持っていた人も多かったに違いない。大容量の2TBモデルが5千円台という手ごろな価格で購入でき、さらに市場価格がほぼ一貫して値下がり傾向にあったことから、「安い店を探して回る」「底値になるまで待つ」といった苦労を特にしなくても買えるアイテムだった。
それだけに、この秋に起きたHDD価格暴騰の衝撃は大きかった。夏にタイで発生した洪水の被害が、HDDメーカーや関連企業にも及んだことで供給が不足、その影響で秋葉原の店頭価格が上昇したのだ。
価格に変化が現れ始めたのは10月中旬。当初は2TBモデルの売れ筋を中心に数百円〜千円強の値上がりが見られる程度だったが、ピーク時の11月上旬には「今週は代理店のHDD出荷が全くなかった」というショップも出るなど過酷な品薄状態に。2TBモデルにおいては、最安値が毎週数千円単位で上昇するという場面もあった。
11月中旬になると、ようやく値上がりが沈静化。12月中旬時点でも流通量は回復していないものの、価格の下落傾向は続いており、一部のショップは「価格や流通量は年明けごろから徐々に改善されるのではないか」と話す。
また、タイの生産工場に深刻な被害が出たWestern Digitalも、12月のイベント「PC-DIY EXPO」に出展。セッション中には現地の状況報告も行ない、「一部の工場が稼動を再開した段階で、フル稼働はまだだが、来春以降に期待してほしい」と、上向きの見通しを語っている。
HDDにとってはまさに受難の年となってしまったが、そうした中でも初の1TBプラッタ採用HDDや過去最大容量となる4TB HDDが登場するといった、ポジティブなニュースがあったことも覚えておきたい。
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【販売停止直後の店頭】 【3月に販売再開】 2004年のi925X/i915チップセットなど、これまでにもチップセットのリコールを何度か実施しているIntelだが、2011年のP67/H67チップセットの場合は、その影響範囲の広さや、マザーボードの販売再開まで1ヶ月以上もかかるといった期間の長さで人々に強い印象を残した。
まず、1月末にIntelがリコールを発表すると、その直後に秋葉原のショップの陳列棚からLGA1155マザーが一斉に姿を消すという異様な光景が展開。そして、購入済みのユーザーに対しては製品の回収・交換が行なわれる事態となり、2月から3月上旬にかけてはマザーのみならずメーカーPC、ショップブランドPCの多くのベンダーからも、連日のように交換対応に関するアナウンスが出された。
ただ、CPUのパフォーマンスの高さや省電力モデルの存在など、Sandy Bridgeそのものに対する評価や期待が高かったこともあり、もちろんリコールに対するユーザーの不満は多く聞かれたが、販売再開を待ち望む声も決して少なくなかった。
事実、3月上旬にマザーの販売が再開されてからはCPUも含めて売れ行きは好調で、5月に上位製品のZ68搭載マザーが発売された際には、一部製品が品薄になるなどの人気ぶりも見せている。
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【4GB×2枚1,980円】 【8GB×2枚7,980円】 メモリモジュールに関するニュースは2010年の10大ニュースでも4位に入っており、関心の高さが伺える。2010年のトピックは「メモリがDDR2からDDR3に完全移行」したことだったが、2011年は「DDR3メモリの価格崩壊」という、サイクルの早さを実感する年になった。
2011年のDDR3メモリ価格の下落率は約7割。表題の4GBメモリ2枚セットについて、1月と12月の価格を比較すると、DDR3 1333モデルは約6千円から約2千円に、DDR3 1600モデルは8千円前後から2千円台半ばに、それぞれ下がっている。
サイクルの早さに関しては、2011年の後半以降に一層増した感もある。例えば、既に2枚セットで7千円台という安値で販売されている8GBメモリだが、初登場したのはたった3ヶ月前のこと。9月の発売当初は単品で2万円台半ばだったのが、10月には最安値が1万円割れに、11月には8千円割れになるというハイペースで下落していった。
デスクトップPCが次世代のDDR4メモリへ本格的に移行するのは2014年以降とも言われており、そうするとあと2〜3年はDDR3メモリの“お世話”になることになる。既に価格は低水準になっていることから、2012年以降にドラスティックな値下がりは期待できないものの、さらなる大容量モデルの登場(既にサーバー向けには64GBメモリが発表されている)や、低電圧メモリの普及といった辺りは焦点となりそうだ。
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【11月22日】メモリ8GBでも2千円、4GB×2枚セットが限定特価 、8GB DIMMも値下がり中
【12月15日】8GBメモリ×2枚セットがさらに値下がり、最安7,980円、1万円割れからまだ2週間4位以降のランキングは以下のとおり。
順位 ニュース/解説 4位
(1,104票)Intelの新型CPU「Sandy Bridge」発売、LGA1155プラットフォームが普及
(発売時から人気を集めメインストリームに)5位
(791票)AMDの新アーキテクチャCPU「Bulldozer」発売、最大8コア
(コンシューマー向け初の8コアCPU、流通量は少なめ)6位
(515票)歩行者天国が再開、パフォーマンスやチラシ配布などは禁止
(歩行者天国が試験期間を経て再開、通りには監視員を配置)7位
(494票)ラジオ会館がビル立替えのため閉館、テナントは一時的に移転
(テナントは周辺ビルに一時的に移転、3館体制で営業中)8位
(465票)ガイガーカウンター取扱店が急増、震災グッズや停電対策製品も取り扱い増える
(LAN接続やUSB接続のガイガーカウンターも発売、多くのショップが震災グッズを取り扱うことに)9位
(415票)3Dゲームも遊べるAMDのGPU統合CPU「Llano」登場、Radeonコアを統合
(プラットフォームはSocket FM1、下位の「Fusion」シリーズも発売)10位
(406票)LGA1366後継のLGA2011プラットフォーム登場、ハイエンドCPUは「Sandy Bridge-E」に移行
(最大8DIMM対応、64GBメモリセットやIntel純正の水冷CPUクーラーなども発売)11位
(396票)6Gbps対応の高速SSDが定番化、500MB/sオーバーモデルが多数発売
(主要メーカーは6Gbpsモデルに移行、選択肢は豊富に)12位
(313票)ドスパラのPCパーツ専門店「ドスパラパーツ館」がT-ZONE跡地にオープン
(元T-ZONEスタッフによる「Freet」も4月にオープン)13位
(283票)カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店が12月末に閉店予定
(多数のイベントが行われ、自作マニアやスマートフォンマニアが集まるアキバの名所が閉店に)14位
(227票)「神様」ことIntel天野氏が異動、別ジャンルの担当に
(数多くのイベントに登壇した天野氏が異動、7月から別の部署へ)15位
(212票)1TBプラッタ採用HDDが登場、日立とSeagateから
(容量3TBや2TBの大容量モデルも発売、日立製は高速なことから人気に)16位
(197票)デジタル放送対応チューナーカードの人気モデル「PT2」が生産終了
(アナログ停波の影響で店頭在庫もほぼ姿を消す)17位
(187票)全てが冷却液に没した「油没PC」が一般販売開始、受発注品
(本体重量は70kg、油没タイプPCの店頭販売は初)18位
(178票)Windows Home Server 2011発売、直後の価格改定で約半額に値下がり
(OSでは異例の価格改定を実施、割安なOSに)19位
(164票)旧ラジオ会館壁面に「人工衛星」風の巨大オブジェが登場、「シュタインズ・ゲート」の限定イベント
(ゲーム「シュタインズ・ゲート」のシーンを現実に再現、2日間限定のイベント)20位
(154票)アンバッファードDIMM最大容量の8GBメモリが発売、価格は登場直後から急落
(1枚あたり25,980円で登場するも一気に値下がり、2枚セットは1万円割れに)21位
(125票)80PLUSの最上位「Platinum」認証電源が登場
(1,000W以上の大容量モデルや、実売1万円の安値モデルも発売)22位
(124票)“店内の書籍を電子書籍化できる”「自炊の森」正式オープン、その後閉店に
(数々の議論を呼び話題に、純粋に機材のみを貸し出す自炊向けの後続店もオープン)23位
(115票)「ザコン」跡地に「カルチャーズZONE」オープン
(かつて“電脳街”秋葉原の象徴だったビルは、アニメ・コミック系ショップが集まるビルに)24位
(104票)Windows 7のイメージキャラクター「窓辺ななみ」関連グッズは今年も登場、ついに公式に?
(窓辺ななみパッケージのWindows 7限定版が発売、日本マイクロソフト公式採用は初めて)25位
(101票)安価なAndroid端末が多数登場、1万円以下の安価なモデルも流通
(BenQの1万円激安タブレットや、7,980円の中古スマートフォンなども出回る)26位
(70票)衝撃の「ニセiPhone 4」が出現、本体/画面/外箱まで瓜二つ
(iPhone 4のニセモノ?背面パネルや外箱を変更して販売へ)27位
(64票)スマートフォン/タブレット本体や関連製品の取扱店が今年も増加
(関連ショップが複数オープン、パーツショップも関連製品の取り扱いを強化)28位
(63票)9.5mm厚で容量1TBの2.5インチHDD発売
(ノートPCにも1TB HDDが搭載可能に)29位
(61票)クラウド対応製品が話題に
(個人向けのクラウドデバイスPogoplugや、スマートフォンからアクセスできるNASなどが発売)30位
(50票)VIA製デュアルコアCPU「Nano X2」発売、Atom対抗
(VIA製CPU久々の新モデル、PC自作キットやオンボードマザーボードが発売)31位
(47票)ビデオカードは新世代GPU搭載モデル無し?デュアルGPUモデルをハイエンド品として投入
(NVIDIAはGeForce GTX 590、AMDはRadeon HD 6990を投入)32位
(46票)450Mbps対応の高速無線ルーターがようやく発売
(450Mbps対応の無線LANカードは2008年に発売)33位
(25票)「Pentium 75MHz級CPU」が入ったマウス「SENSEI」発売
(SteelSeriesのゲーミングマウス、「Pentium 75MHz級」のARMプロセッサを搭載)33位
(16票)スマートフォン向けの変わり種デバイスが多数発売、ラジコンや装着型のおもちゃなど
(ラジコンヘリや一体型ゲーム台、銃型の一体型グリップなど、さまざまなモデルが発売)その他 94票
□「アキバの10大ニュース」バックナンバー
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