【 2011年12月29日 】
アキバの2011年10大ニュース投票結果発表
首位は「タイ洪水の影響でHDDが暴騰、一時店頭価格は3倍に」

 読者に投票していただいた「アキバの2011年10大ニュース」の結果をここで発表しよう。

 

 投票受付期間:12月7日〜12月23日
 総有効投票数:12,370票(2,896人)

 

1位は「タイ洪水の影響でHDDが暴騰、一時店頭価格は3倍に 」 (2,362票)

購入制限の告知「時価」の表示も
【購入制限の告知】【「時価」の表示も】
2TB HDDの最安値推移(11月10日)4TB HDD
【2TB HDDの最安値推移(11/10)】【4TB HDD】

 主要PCパーツの中で、3.5インチHDDに対しては「物価の優等生」のようなイメージを持っていた人も多かったに違いない。大容量の2TBモデルが5千円台という手ごろな価格で購入でき、さらに市場価格がほぼ一貫して値下がり傾向にあったことから、「安い店を探して回る」「底値になるまで待つ」といった苦労を特にしなくても買えるアイテムだった。

 それだけに、この秋に起きたHDD価格暴騰の衝撃は大きかった。夏にタイで発生した洪水の被害が、HDDメーカーや関連企業にも及んだことで供給が不足、その影響で秋葉原の店頭価格が上昇したのだ。

 価格に変化が現れ始めたのは10月中旬。当初は2TBモデルの売れ筋を中心に数百円〜千円強の値上がりが見られる程度だったが、ピーク時の11月上旬には「今週は代理店のHDD出荷が全くなかった」というショップも出るなど過酷な品薄状態に。2TBモデルにおいては、最安値が毎週数千円単位で上昇するという場面もあった。

 11月中旬になると、ようやく値上がりが沈静化。12月中旬時点でも流通量は回復していないものの、価格の下落傾向は続いており、一部のショップは「価格や流通量は年明けごろから徐々に改善されるのではないか」と話す。

 また、タイの生産工場に深刻な被害が出たWestern Digitalも、12月のイベント「PC-DIY EXPO」に出展。セッション中には現地の状況報告も行ない、「一部の工場が稼動を再開した段階で、フル稼働はまだだが、来春以降に期待してほしい」と、上向きの見通しを語っている。

 HDDにとってはまさに受難の年となってしまったが、そうした中でも初の1TBプラッタ採用HDDや過去最大容量となる4TB HDDが登場するといった、ポジティブなニュースがあったことも覚えておきたい。

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2位は「LGA1155対応P67/H67搭載マザーボードに不具合、全メーカー交換対応を実施」 (1,249票)

販売停止直後の店頭3月に販売再開
【販売停止直後の店頭】【3月に販売再開】

 2004年のi925X/i915チップセットなど、これまでにもチップセットのリコールを何度か実施しているIntelだが、2011年のP67/H67チップセットの場合は、その影響範囲の広さや、マザーボードの販売再開まで1ヶ月以上もかかるといった期間の長さで人々に強い印象を残した。

 まず、1月末にIntelがリコールを発表すると、その直後に秋葉原のショップの陳列棚からLGA1155マザーが一斉に姿を消すという異様な光景が展開。そして、購入済みのユーザーに対しては製品の回収・交換が行なわれる事態となり、2月から3月上旬にかけてはマザーのみならずメーカーPC、ショップブランドPCの多くのベンダーからも、連日のように交換対応に関するアナウンスが出された。

 ただ、CPUのパフォーマンスの高さや省電力モデルの存在など、Sandy Bridgeそのものに対する評価や期待が高かったこともあり、もちろんリコールに対するユーザーの不満は多く聞かれたが、販売再開を待ち望む声も決して少なくなかった。

 事実、3月上旬にマザーの販売が再開されてからはCPUも含めて売れ行きは好調で、5月に上位製品のZ68搭載マザーが発売された際には、一部製品が品薄になるなどの人気ぶりも見せている。

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3位は「DDR3メモリの価格崩壊、4GBメモリ×2枚セットは2千円割れを記録」 (1,153票)

4GB×2枚1,980円8GB×2枚7,980円
【4GB×2枚1,980円】【8GB×2枚7,980円】

 メモリモジュールに関するニュースは2010年の10大ニュースでも4位に入っており、関心の高さが伺える。2010年のトピックは「メモリがDDR2からDDR3に完全移行」したことだったが、2011年は「DDR3メモリの価格崩壊」という、サイクルの早さを実感する年になった。

 2011年のDDR3メモリ価格の下落率は約7割。表題の4GBメモリ2枚セットについて、1月と12月の価格を比較すると、DDR3 1333モデルは約6千円から約2千円に、DDR3 1600モデルは8千円前後から2千円台半ばに、それぞれ下がっている。

 サイクルの早さに関しては、2011年の後半以降に一層増した感もある。例えば、既に2枚セットで7千円台という安値で販売されている8GBメモリだが、初登場したのはたった3ヶ月前のこと。9月の発売当初は単品で2万円台半ばだったのが、10月には最安値が1万円割れに、11月には8千円割れになるというハイペースで下落していった。

 デスクトップPCが次世代のDDR4メモリへ本格的に移行するのは2014年以降とも言われており、そうするとあと2〜3年はDDR3メモリの“お世話”になることになる。既に価格は低水準になっていることから、2012年以降にドラスティックな値下がりは期待できないものの、さらなる大容量モデルの登場(既にサーバー向けには64GBメモリが発表されている)や、低電圧メモリの普及といった辺りは焦点となりそうだ。

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 4位以降のランキングは以下のとおり。


順位ニュース/解説
4位
(1,104票)
Intelの新型CPU「Sandy Bridge」発売、LGA1155プラットフォームが普及
(発売時から人気を集めメインストリームに)
5位
(791票)
AMDの新アーキテクチャCPU「Bulldozer」発売、最大8コア
(コンシューマー向け初の8コアCPU、流通量は少なめ)
6位
(515票)
歩行者天国が再開、パフォーマンスやチラシ配布などは禁止
(歩行者天国が試験期間を経て再開、通りには監視員を配置)
7位
(494票)
ラジオ会館がビル立替えのため閉館、テナントは一時的に移転
(テナントは周辺ビルに一時的に移転、3館体制で営業中)
8位
(465票)
ガイガーカウンター取扱店が急増、震災グッズや停電対策製品も取り扱い増える
(LAN接続やUSB接続のガイガーカウンターも発売、多くのショップが震災グッズを取り扱うことに)
9位
(415票)
3Dゲームも遊べるAMDのGPU統合CPU「Llano」登場、Radeonコアを統合
(プラットフォームはSocket FM1、下位の「Fusion」シリーズも発売)
10位
(406票)
LGA1366後継のLGA2011プラットフォーム登場、ハイエンドCPUは「Sandy Bridge-E」に移行
(最大8DIMM対応、64GBメモリセットやIntel純正の水冷CPUクーラーなども発売)

11位
(396票)
6Gbps対応の高速SSDが定番化、500MB/sオーバーモデルが多数発売
(主要メーカーは6Gbpsモデルに移行、選択肢は豊富に)
12位
(313票)
ドスパラのPCパーツ専門店「ドスパラパーツ館」がT-ZONE跡地にオープン
(元T-ZONEスタッフによる「Freet」も4月にオープン)
13位
(283票)
カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店が12月末に閉店予定
(多数のイベントが行われ、自作マニアやスマートフォンマニアが集まるアキバの名所が閉店に)
14位
(227票)
「神様」ことIntel天野氏が異動、別ジャンルの担当に
(数多くのイベントに登壇した天野氏が異動、7月から別の部署へ)
15位
(212票)
1TBプラッタ採用HDDが登場、日立とSeagateから
(容量3TBや2TBの大容量モデルも発売、日立製は高速なことから人気に)
16位
(197票)
デジタル放送対応チューナーカードの人気モデル「PT2」が生産終了
(アナログ停波の影響で店頭在庫もほぼ姿を消す)
17位
(187票)
全てが冷却液に没した「油没PC」が一般販売開始、受発注品
(本体重量は70kg、油没タイプPCの店頭販売は初)
18位
(178票)
Windows Home Server 2011発売、直後の価格改定で約半額に値下がり
(OSでは異例の価格改定を実施、割安なOSに)
19位
(164票)
旧ラジオ会館壁面に「人工衛星」風の巨大オブジェが登場、「シュタインズ・ゲート」の限定イベント
(ゲーム「シュタインズ・ゲート」のシーンを現実に再現、2日間限定のイベント)
20位
(154票)
アンバッファードDIMM最大容量の8GBメモリが発売、価格は登場直後から急落
(1枚あたり25,980円で登場するも一気に値下がり、2枚セットは1万円割れに)
21位
(125票)
80PLUSの最上位「Platinum」認証電源が登場
(1,000W以上の大容量モデルや、実売1万円の安値モデルも発売)
22位
(124票)
“店内の書籍を電子書籍化できる”「自炊の森」正式オープン、その後閉店に
(数々の議論を呼び話題に、純粋に機材のみを貸し出す自炊向けの後続店もオープン)
23位
(115票)
「ザコン」跡地に「カルチャーズZONE」オープン
(かつて“電脳街”秋葉原の象徴だったビルは、アニメ・コミック系ショップが集まるビルに)
24位
(104票)
Windows 7のイメージキャラクター「窓辺ななみ」関連グッズは今年も登場、ついに公式に?
(窓辺ななみパッケージのWindows 7限定版が発売、日本マイクロソフト公式採用は初めて)
25位
(101票)
安価なAndroid端末が多数登場、1万円以下の安価なモデルも流通
(BenQの1万円激安タブレットや、7,980円の中古スマートフォンなども出回る)
26位
(70票)
衝撃の「ニセiPhone 4」が出現、本体/画面/外箱まで瓜二つ
(iPhone 4のニセモノ?背面パネルや外箱を変更して販売へ)
27位
(64票)
スマートフォン/タブレット本体や関連製品の取扱店が今年も増加
(関連ショップが複数オープン、パーツショップも関連製品の取り扱いを強化)
28位
(63票)
9.5mm厚で容量1TBの2.5インチHDD発売
(ノートPCにも1TB HDDが搭載可能に)
29位
(61票)
クラウド対応製品が話題に
(個人向けのクラウドデバイスPogoplugや、スマートフォンからアクセスできるNASなどが発売)
30位
(50票)
VIA製デュアルコアCPU「Nano X2」発売、Atom対抗
(VIA製CPU久々の新モデル、PC自作キットやオンボードマザーボードが発売)
31位
(47票)
ビデオカードは新世代GPU搭載モデル無し?デュアルGPUモデルをハイエンド品として投入
(NVIDIAはGeForce GTX 590、AMDはRadeon HD 6990を投入)
32位
(46票)
450Mbps対応の高速無線ルーターがようやく発売
(450Mbps対応の無線LANカードは2008年に発売)
33位
(25票)
「Pentium 75MHz級CPU」が入ったマウス「SENSEI」発売
(SteelSeriesのゲーミングマウス、「Pentium 75MHz級」のARMプロセッサを搭載)
33位
(16票)
スマートフォン向けの変わり種デバイスが多数発売、ラジコンや装着型のおもちゃなど
(ラジコンヘリや一体型ゲーム台、銃型の一体型グリップなど、さまざまなモデルが発売)

 その他 94票



□「アキバの10大ニュース」バックナンバー
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/backnum_tokubetu.html#10dai



※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。