PCIに挿すだけのPentium用Celeronアップグレードカード登場
ドライバー不要で2000年問題にも対応
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Evergreen Technologies製の「AcceleraPCI」という製品で、PCIカード上にチップセットとメモリとCeleron 433MHzを搭載している。ドライバ不要で2000年問題も解決してしまうというから摩訶不思議。
●PCI上のマザーボード?
「AcceleraPCI」は、4月の発表時点で海外で大きな話題になったEvergreen Technologiesの製品。PCIスロットに挿すだけで、75MHz以上のPentiumもしくはMMX Pentium搭載のPCをCeleron 433MHz搭載PCに早変わりさせるという画期的なアップグレードカード。PCIカード上にはCeleron 433MHzと440BXチップセットのノースブリッジ、さらに64MB SO DIMMが標準で搭載されている(製品資料ではチップセットは440ZXになっているが実物は440BXが載っている)。
PCIカードというよりも、まさにマザーボードそのそものといった構造で、CPUとメモリもSocket 370とDIMMスロット経由で搭載されているため、もちろん差し換えることが可能。2つのDIMMスロットをフルに使えば最大128MB×2=256MBのメモリが搭載でき、CPU関連の設定ではFSBも変更できるほか、CPUの内部倍率、さらにコア電圧までソフトウェアで調整が可能。実際、製品にはCeleron 433MHzが搭載されているものの、Web上に掲載されている5月13日更新のFAQによればCeleron 466MHzもサポートしていることになっている。また、FSB 100MHzのサポートもプレスリリースの中できちんとうたわれている。
FSBやコア電圧が自由にいじれるため、標準で使う以外にもクロックアップして使うというマニアックな使い方もできそうだ。メモリ形状がノートPCなどで使われるSO DIMMというのが気になる点だが、これは実装面積の少ないカード上にメモリスロットを搭載するための苦肉の策らしい。SO DIMMタイプでも、メルコからはPC100サポートの製品が出ており、FSBをいじる際にはこういった製品が有効利用できそうだ(ただしメルコ側の動作保証はない)。
●システム乗っ取りPCIカード
公開されているマニュアルによると、同梱されているソフトウェアを使って互換性テストやシステム設定などが必要なほか、チップセット用のINFファイルなどのインストールが必要にはなるものの、基本的には特殊なドライバー等は必要なく、「AcceleraPCI」を空きPCIスロットに挿すだけで、起動時に一部システムを440BX+Celeronで乗っ取るという仕組み。ケーブル等の接続も不要で、FDDやHDDやビデオなども既存の状態のまま利用できる。また、元のPC側にある2000年問題を解決し、Windows 2000対応にさせることもできると製品資料には書かれてある。全ての機能がきちんと動けば、ある意味でこれはアップグレード用としては夢のような「なんでもあり」の製品というわけだ。
Evergreen Technologiesの製品ページには、AcceleraPCIが使えるPCなのかどうかをチェックするプログラム「PreQual Software」が公開されているので、アップグレードしてみたいPCがあるという人は一度このプログラムでチェックしてみるといい。
AcceleraPCIはAZ’TECで販売中。価格は49,800円。ただし、動作保証はなく、特定のPCで動作検証する場合は別途見積もりが必要とのこと。かなりリスキーな製品ではあるものの、使えた場合のメリットはかなり大きい。同店では、CPUとメモリなしのカードだけでの販売も検討しているそうだ。
□AcceleraPCI(Evergreen Technologies)
http://www.evertech.com/AcceleraPCI/AcceleraPCI.asp
□VN100シリーズ(メルコ)
http://www.melcoinc.co.jp/product/ram/vn100.html
[撮影協力:AZ’TEC]
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