アキバスポットガイド

改造バカ、海外ドラマでよく見る“アレ”を撃つ! 手ぶらで行っても楽しめる大人の射撃場に潜入

~ 秋葉原スポットガイド ~ text by 高橋 敏也

 秋葉原と言えば言わずと知れた「オタクの街」だが、一口に「オタク」といっても千差万別、ジャンルが違えば目的地も異なる。何の変哲もない雑居ビルの一室が、あるジャンルのオタクにとっては聖地だったりする。そこで、秋葉原歴うん十年、改造バカこと高橋敏也氏が秋葉原内のさまざまなスポットを訪問し、そのディープで雑多な魅力をとことんレポートするのがこの企画。2次元&アイドルだけがアキバじゃないのだ!

Shooting Range TARGET-1 秋葉原店

 都内でも最大規模を誇るシューティングレンジ、TARGET-1秋葉原店(以下、TARGET-1)へ行くには明神男坂を起点にすると分かりやすい。いろいろな意味で聖地である神田明神を正面から見て右に抜けると、秋葉原へと続く石階段がある。それが明神男坂だ。

 その明神男坂を下りきったらまっすぐ30mほど進み、十字路で右手にある電柱を見ればそこにTARGET-1の看板を見付けることができる。看板を目印に2軒目のビルを地下に進めば、そこはガンシューティングの聖地、TARGET-1である。ちなみに駅としては地下鉄末広町駅と秋葉原駅が近く、お茶の水駅からでも10分ほどで歩いてこられる。

TARGET-1秋葉原店はユニオンビルの地下1階。明神男坂を起点にすると分かりやすい
TARGET-1の看板発見!
階段を下っていくと……
TARGET-1に到着……ドアを開くと……
ああ、天国に到着したようだ。東京マルイが誇るトイガンの展示が目を引く

7本のレンジを備える都内最大クラスの射撃場

 地下への階段を降りていき開いた扉の向こうは……そう、天国とでも言っておこうか。誰かがレーンに入っていたなら、間隔をおいてバスッ! バスッ! というガスガンの音が聞こえるかもしれない。あるいは小気味よい電動ガンの連続発射音か。壁にズラリと並ぶトイガンを見れば、高揚する気持ちを抑え切れるものではない。

 シューティングレンジとは、大雑把に言ってしまうと射撃場を意味する。もちろん実銃を使用する場所もあるが、それは警察や自衛隊、競技者が使用するものであり、一般人が「楽しんで使える」のはトイガン用の射撃場だ。TARGET-1もそんなトイガン用シューティングレンジの一つ。しかし、トイガン用といって侮るなかれ、この手のシューティングレンジとしては都内で最大規模なのである。

 シューティングレンジ(ちなみにレンジという言葉には射程という意味もある)の基本はレーン。ボウリングのレーンを想像してもらうと分かりやすいだろう。射撃手がボウラー、ターゲットがピン、そんなシューティングレーンがTARGET-1には7本も用意されている。

 自宅ではなかなか確保しにくい13~15メートルレンジ(可変)のレーン1本は、長物やハンドガンの照準調整に使える。4本ある10メートルレンジのレーンは汎用性が高い。2本ある5メートルレンジのレーンはハンドガンに向いているし、クイックドローの練習にもいいだろう。いずれにしてもインドア(室内)で風の影響を受けず、じっくり照準を調整できるのは本当にありがたい。

入ってすぐにある受け付け。ここで料金などを支払う
さらに奥にはレンタルガンのコーナーが。今回はスタッフの佐藤さんが細かく親切に教えてくれた
ズラリと並ぶ長物(ライフル系)のレンタルガン。TARGET-1で実際に撃ってみてから買うのもアリ!
もちろんハンドガンのレンタルも充実している
2本用意されている5メートルレンジ。ハンドガンに最適。プレートや空き缶といったターゲットが常設されている
4本ある10メートルレンジは汎用性が高い。ハンドガンでも長物でも行けるだろう
13~15メートルの可変レンジは1本。スナイパーライフルや長物の照準調整、ハンドガンのホップ調整などに適していると思う
こういった設備はシューティングレンジならでは
iPadを使って弾着を確認、精密射撃の練習、スコープ調整などが行なえる

初心者でも安心、すべてコミコミのコースを用意。銃の構え方も指導

 ではそんなシューティングレンジを使うのは、どんな人たちなのだろうか? 実はこれ、トイガンに興味を持ったばかりの超初心者から、サバゲーや(トイガンの)射撃競技に打ち込んでいるマニアックな人まで実に多種多様なのだ。また最近では外国人観光客も増えていると言う。

 まず前提としてTARGET-1は手ぶらでフラリと来店し、トイガンをレンタルしてシューティングを楽しむことができる。事実、スーツ姿のビジネスマンが来店、シューティングを楽しむということがよくあるそうだ。TARGET-1では最新、人気のハンドガンから電動の長物(アサルトライフルなど)、カスタムガンまで豊富にレンタルガンを取り揃えているのである。

 よし、手ぶらで行ってもシューティングが楽しめそうだ……でもお高いんでしょう? いやいやそんなことはない。たとえば「初心者射撃体験コース(Aコース②)」なら、30分以内で200発をガスハンドガンで撃って、レンタルガンやガスなどすべてコミコミで1,500円になっている。そのほか会員限定ではあるが「各種撃ち放題コース」や、貸し切りの「女子会プラン」などというのもある。コースやプラン、施設利用料金などは多岐にわたっているので詳細はサイトを参照してほしい。
(注:2018年4月1日に価格改定があったので、ごぶさたという人はサイトで価格を確認してほしい)

 でも、本当に興味を持っただけで銃の扱いや撃ち方、狙い方はもちろん、ルールなどもまるで分からない……。ご心配なく! ちゃんとその旨をスタッフさんに伝えれば、シューティングレンジを使用するときのルールからトイガンの扱い方、狙い方までちゃんと教えてくれる。と言うかトイガンを買ってみようと思ったら、まずTARGET-1に行ってみるのがいいんじゃないかと思うぐらいだ。トイガンの販売も行なっており、撃ってみて気に入ったら購入するという流れもアリなのだ。

 自前のトイガンを持っているという人は、それを持ち込むのも当然あり。「通常施設使用料」という形で各種レーンを時間単位で借りることができる。1,000円を支払えば有効期限1年間の会員としてお得に施設を利用できるが、非会員でも借りることができる。これから通おうというのなら料金的にお得な会員になったほうがいい。

そんなわけでスタッフ佐藤さん指導の下、早速実射@10メートルレンジ
実に楽しい! 自室の短い距離で撃つのとはまったく異なる快感
これはあれだ、映画やドラマでよく見るターゲットがスーッと移動する装置だ。まさにシューティングレンジ!
まったくの初心者、編集氏も佐藤さんに教えてもらいつつチャレンジ
先生がいいので初心者とは思えない集弾、悪くない
もちろん長物も撃ちましたよ(私、構えたときに肘を張るクセがあってねえ……)

一人で楽しむもよし、みんなで競い合うもよし。快適な設備が君を待つ!

 さて、それでは最後に「何のために」撃つのか?という話である。まず「トイガン持ったらとりあえず撃ちたくなる」という、ごく自然な流れがあるだろう。TARGET-1のようなシューティングレンジならある程度の距離を使えるし、的を狙って撃つことができる。跳ねたBB弾で何かが壊れることもないし、そもそも散らばったBB弾を片付ける必要がない。

 さらに踏み込むなら正確さと速度を競うスピードシューティング、あるいはプレート競技(金属のプレートに弾を当て、スピードを競う)といったスポーツシューティングへの道も開けている。TARGET-1にはそうした設備があるし、競技会なども開催されているので参加してみるのもいいだろう。ちなみに実銃でも同様の競技があり、それをトイガンに置き換えたものなのだ。

 安全にトイガンが撃てる、愛銃の調整ができる、そして仲間を見付けられる。サバゲーもいいが、シューティングレンジを訪れるのもまた楽しいと感じた次第。ちなみにTARGET-1は新宿店もあるので、ぜひ覗いてみてほしい。

何気に大切な三カ条。あとはゴーグルをしっかり装着すれば安全にシューティングを楽しめる
実は今回案内してくれたスタッフの佐藤さん、ガンスミス(銃を使いやすく目的に合わせて改造する職人さん)でもある。TARGET-1ならSTI(Sato Tactical Industry)のカスタムサービスも受けられるのである
カスタムの一例
そんなわけで大満足のおっさんでありました

[制作協力:Shooting Range TARGET-1 秋葉原店]

【Shop Information】

店名:Shooting Range TARGET-1 秋葉原店
住所:東京都千代田区外神田2-9-3 ユニオンビル工新B1F
営業時間:平日12時~22時、土日・祝祭日11時~22時
定休日:年中無休
TEL:03-3525-4284
Webサイト:http://www.akiba.target-1.com/