ボクたちが愛した、想い出のパソコン・マイコンたち

初期MSXの中でもスタイリッシュなデザインで差別化を図った「ソニー HitBit HB-55」

全体的にシャープな印象を与えるフォルムになっています。カーソルキーが7セグメントディスプレイの、セグメントライクな形になっているのもユニークな部分です

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、ソニーが1983年に発売したMSXパソコン「HB-55」。

 1983年に世間を賑わしていたパソコンというと、PC-6001mkIIやX1C、FM-7などがありました。そんな同年に発表されたMSX規格に則ったMSXパソコンとして、1983年の終わりに登場したのがソニーのHB-55です。

 イメージキャラクターを松田聖子さんが務めた本機は、「人々のHitBit」というキャッチコピーで同社の「SMC-777」と共に宣伝をうち、販売台数を伸ばすことに成功しました。

当時の広告。SMC-777と並んだ広告が掲載されていました

 RAMが16KBと若干少な目でしたが、RFとコンポジット出力を備えていたので、購入してすぐに自宅のテレビに接続して使うことができます。

 カートリッジスロットは1つなので、後に発売された2スロット目に特定のゲームを挿さないとエンディングが見られないタイトルなどを遊ぶには不便する場合がありました。それでも、目立つ赤の本体にエッヂの効いたデザインは、当時少年だったユーザーの心に突き刺さるマシンだったことは間違いないでしょう。

真上から見たキーボード部分です。フルキーの一つ一つが、2隅の角が取れたデザインを採用しています。左上に電源ボタン、BSキーの上に若干沈んだ状態でリセットボタンが配置されています

 価格は、同時期に発売されたナショナルのキングコング「CF-2000」と同じ54,800円だったので、自宅でひいきにしている電気屋さんがナショナルかソニーかで、購入した機種が変わったかもしれません。

 ちなみに、起動するとスケジュール管理や住所録作成、伝言メモなどが選べるメニュー画面が表示されますが、自分の周りではこれらソフトを有効活用したという話を聞くことはありませんでした。

本体右側面には、ジョイスティックポートが2つ設けられています
本体背面には左から、CMTコネクタ、コンポジット端子、チャンネル切り替えスイッチ、RFコネクタ、100ピンI/Oバスコネクタ、プリンタコネクタ、リセットボタン、そしてサービスコンセントとなっています