ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

J.B.ハロルドが活躍する名シリーズ第3弾『D.C.コネクション』

大きめのパッケージ中央に撃鉄が起こされた拳銃を握る手と、上部にアメリカ合衆国議会議事堂、下段にはパトカーの写真が配置されている、非常に洒落たデザインとなっていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、リバーヒルソフトが1989年に発売したJ.B.ハロルドが活躍するシリーズの第3作目となる『D.C.コネクション』です。

広告では「すべては、一発の銃声から始まった」とのキャッチコピーで宣伝されていました。画面写真よりもアーリントン墓地など写真が大きく掲載されるなどして、リアル感を醸し出しています。ちなみに、この事件はJ.B.が32歳での出来事となっています。

 パソコン向けゲームソフトといえば、初期はアクションやシューティング、シミュレーションといったジャンルが中心でしたが、1980年代前半にアドベンチャーゲームが登場すると、それまでになかったジャンルとして一気に流行することとなります。アドベンチャーゲームは当初コマンド入力式だったこともあり、どうしても製作者の設定した単語を探すという方向になりがちでした。しかし、途中からあらかじめ設定されたコマンドを選んで入力していくというコマンド選択式が増えていったことで、プレイヤーは純粋にアドベンチャーゲームのストーリー部分を楽しめるようになっていきます。

 そんな流れに乗って登場したアドベンチャーゲームの1つに、刑事J.B.ハロルドが主人公を務める「J.B.ハロルド」シリーズがありました。プレイヤーがリバティタウン警察署に勤める刑事J.B.となり、さまざまな難事件を解決していくという作品ですが、1986年に発売された1作目の『殺人倶楽部』、翌87年リリースのシリーズ2作目『マンハッタンレクイエム』と、そのアナザーストーリーとなる『キスオブマーダー』が発売された後、1989年に待望のシリーズ3作目として登場したのが『J.B.ハロルド事件簿#3 D.C.コネクション 愛と死の迷路』です。どの作品もアメリカを舞台としていて、1作目こそ架空の都市リバティタウンでしたが、2作目ではニューヨークを、そして今作の現場は首都ワシントンD.C.としていました。そんな本作のストーリーは、以下のようになっています。

移動は、“捜査に出掛ける”を選択すると表示される大マップから区画を選び、続いて現れた地図からJ.B.マークをクリックするだけとシンプル。最初は少ないですが、ゲームが進行していくと行ける場所も増えます。

 リバティタウン警察署長のウォルター・エドワーズが、ワシントンD.C.への出張中に、何者かの手で射殺された。場所は、アーリントン墓地の中にあるケネディの墓の前。所持していたはずの連邦警察の秘密捜査書類は、姿を消していた。そして数日―――犯人として市警に逮捕されたのは、事もあろうに彼の息子・フレデリックだった……

 事件の経緯に不審を抱いたリバティタウン警察は、J.B.ハロルドを派遣、真相究明に乗り出す。スキャンダラスな事件の背後に潜む腐敗、麻薬の影―――超大国のかげりを感じながら謎を追うJ.B.の胸に、この街で過ごした青春への複雑な思いが交錯する。アメリカの中枢都市・ワシントンを舞台に繰り広げる本格ハード・ミステリーの大作、ついに完成。

関係者に出会ったら、できる限りの情報を仕入れましょう。初顔合わせでは聞けないことも、2度目3度目なら話してくれることもあります。

 プレイヤーは主人公のJ.B.ハロルドとなり、この謎に満ちた事件を解決へと導かなければなりません。今回はPC-9801版を使用しているということで、操作方法はマウスのみとなります。移動する場合は、マップ上から行きたい場所をマウスでクリックするのみ。そこから先も、選択肢をマウスで選んでいくというマウスオペレーションシステムになっていました。

 最初に行ける場所が少ないのはシリーズ共通ですが、登場人物たちに話を聞いて新たな関係者が浮かび上がってくると、新規で行ける場所が少しずつ増えていきます。マップ上に新たな行き先が増えるので、そこを選べば捜査が少しずつ進展しました。

事件とは関係ないと思われる場所にも行くことができるので、捜査に疲れたときは景色を見るために立ち寄るのもいいかもしれません。意外な進展があるかも!?

 また、この街はJ.B.が青春時代を過ごしたということもあり、これまでは謎に包まれていた彼の過去が語られることもあります。10年前に、とある事件で亡くした恋人のジャクリーヌ・アンソニー、その彼女の親友でJ.B.の友人でもあるノーマ・ブラッドリー。彼女が仕事をする店のマスター、ジョン・ハミルトン……彼らからの話に耳を傾けることで、これまでは陽炎のようだったJ.B.の人物像が、より深く見えてくる楽しみもありました。

 他にも、地元警察の警察官ロン・クレーマーには証拠品の鑑定などを頼むことができたり、タクシー運転手のネルソン・メルビルには事件関係者の尾行を頼んで行動を調査してもらうなど、移動しての聞き込み以外の要素も用意されています。滞在中のホテルから各所に電話をかけての聞き込み、なども可能になっていました。

今作では、途中で犯人を推理することができます。しかし、それが時として徒になるかもしれないので慎重に……。

 本作に登場するさまざまな移動先は実写取り込みCGとして表示されるため、非常にリアル感のあるものとなっています。前作にあたる『マンハッタン・レクイエム』では、人物以外は単色で描かれていました。今作では反対に、背景などがカラーになり人物は黄色寄りのベージュ系と茶色という落ち着いた色で表現されていて、よりしっとりとした雰囲気になっています。選択肢も、当時のMacintoshで使われていたOS、漢字Talk2.0ライクなウィンドウが用いられていて、操作もシンプルでやりやすくなっていました。モニタ上にカラーで描かれるワシントンD.C.の各所を見て、今で言うところの(プチ)聖地巡礼感が楽しめたという人も、もしかするといたかもしれません。

捜査を休憩するときに使うデジタルインデックスディスクには、ワシントンD.C.の見所などがリアルなCGで保存されているほか、解説テキストも付属しています。これを読むだけで、気分も盛り上がるというもの。

 本作が発売されたのはPC-8801mkIISRシリーズ、MSX2シリーズ、PC-9801VMシリーズとなっていますが、現在はいずれもプロジェクトEGGにてプレイすることができるほか、オークションサイトやフリマアプリでも見かけることも多いので、ぜひあなたの手で真相を解き明かして、J.B.の人物像に迫ってみてください。

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