ボクたちが愛した、想い出のパソコン・マイコンたち
同時発売された“名機”の前に霞んでしまった「PC-8001mkIISR」
2018年2月19日 00:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのはNECが1985年に発売した、PC-8001mkIIの後継機となる「PC-8001mkIISR」です。
1985年は、ほとんどの人にとってはPC-8801mkIISRの印象が強くなっていると思いますが、その同じ年の同じ日に発表されたのがPC-8001型番の最終機種、PC-8001mkIISRとなります。
PC-8001mkIIのシャープなデザインから代わり、外観はアールのついたデザインを採用。非常に柔らかな印象を与えてくれます。使用されているカラーはPC-8001mkIIからそれほど変わらないものの、正面から見たときの色配分がPC-8001mkIIはダーク7ライト3程度の割合に対して、PC-8001mkIISRはライト8ダーク2へと逆転し、ポップな感じを前面に打ち出しています。
価格も、PC-8001mkIIが123,000円だったのに対し、108,000円へとプライスダウン。それでいて、320×200ドットならば8色2画面が持てるというスペックを採用し、さらにはPC-8801mkIISRと同じFM音源も搭載していました。前機種と比べてゲームが作りやすく、いくつかの作品がアーケードから移植されたり、定番タイトルなども発売されています。
特に、ファルコムからは「ザナドゥ」が、ゲームアーツからは「テグザー」が、そしてエニックスからは「パックランド」がリリースされるなど、そこだけに注目すれば人気機種となっても不思議は無いハードに思えます。
しかし、85年と言えばテープからFDDへと移り変わる時期だったため、テープがメインのPC-8001mkIISRは購入選択肢に上りづらかったのではないでしょうか?
ソフトハウスとしても、底力ある機種なのでテープではなくFDでソフトを発売したいと思ったかもしれませんが、ユーザーがFDDを用意するには予算的にも敷居が高かったため、市場としては狭いとみなされゴーサインが出なかったタイトルもあったと想像できます。他にもさまざまな要因があると思われますが、最終的にはPC-6001mkIISRと同じくマイナーな機種となったため、現在は入手が難しい1台となっています。