ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

テレビに接続できるPC-88シリーズが誕生「PC-8801FE」

フロントパネルがこれまでのデザインから変更され、若干柔らかい印象を持つ見た目になっています

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は、PC-8801シリーズとしては初のテレビに直接繋げられるモデル「PC-8801FE」を取り上げます。発売は1988年。

 PC-8801mkIISRで、ほぼ完成を迎えたPC-88シリーズですが、その後はCPUのスピードアップや音楽面でのパワーアップを行うなどしてモデルチェンジを繰り返しました。そして、「テレビとつなげる本格パソコン」というキャッチコピーと共にビデオ端子を内蔵して登場したのが、新モデルの「PC-8801FE」です。

正面から見ると、フロントパネルのデザインが変わっているのが分かります。各種ポートなどは右から電源スイッチ、その下にスピーカ、そして左へ順にボリュームつまみ、マウス端子、クロック切り替えスイッチ、リセットボタン、キーボードコネクタとなります

 PC-8801FEがターゲットとして見ていたのは、これまでよりも低い年齢層のユーザーでした。有り体に言えば、ゲーム機で遊んでいたユーザーに向けたハードで、広告では、“ゲームの興奮は、ハードで決まる。”という見出しの元「ハードのパワーが違うんだ。320Kバイトタイプの5インチディスク2台内蔵と記憶容量はバッチリだし、スピードも8ビットで最高クラスの本格パソコン。(後略)」と、暗に当時のゲーム機とは比べものにならないパワーを持っていることを説明していました。

広告では、家庭用テレビに本格パソコンがつながる、という部分を強調していました

 とはいえ、本来パソコンを使うには本体だけで無く、専用となるディスプレイが必要です。この点、PC-8801FEでは家庭用テレビに接続出来るようになったので、「テレビのビデオ入力端子に直接繋ぐことができるんだ。だから、専用ディスプレイがなくても、テレビにつなげて、すぐに楽しむことができちゃう(後略)」とも謳っていました。広告で使われている写真も、ゲーム機には処理が重いとされているシミュレーションゲーム『マスターオブモンスターズ』と、パソコンで大人気のタイトル『イースII』をチョイスしていて、この当時としては“分かっている”人間が関わっていたことがうかがえます。

 これにより、ゲーム機向けのRPGでは飽き足らなかったゲームユーザーの興味を向けさせることには、一応成功したといえるではないでしょうか。ただし、従来機種よりも安くなったとは言え、129,000円という価格はスーパーファミコン約6台分にあたるので、いかにして両親を説得するかの手腕も問われたかもしれません(笑)。

ビデオ出力で、10.4インチの液晶テレビに映した画面を直撮りしてみました。左が『ソーサリアン』の画面で、右がBASICのプログラムリストを80文字×25行で表示させた画面です。プログラムリストは、かなり見づらいです。ビデオ出力を使用する際には、F10キーを押しながら電源オンかリセットボタンでOKです

 こうして登場したPC-8801FEですが、本体価格を安くするために徹底的なコストカットが行われました。そのため、背面の拡張スロットは1つも用意されていません。わずかに、専用のサウンドボードIIを接続するスロットが残されたのみでした。

背面は左からオーディオ入力端子、オーディオ出力端子、ビデオ出力端子、アナログRGB端子、RS-232Cコネクタ、プリンタポートです。拡張スロットがないぶん、スッキリとしています
RGB出力も同時に行われているので、ミラーリングのような使い方も可能です。上が10.4インチの液晶テレビにビデオ出力した画面、下はセンチュリーから発売されていた液晶モニタLCD-800VにRGB出力で映した画面です。液晶テレビにピントが合っているため、液晶モニタの画面がピンぼけ気味になってしまいましたが、ミラーリングになっているのが分かるかと思います

 ディップスイッチの代わりに、PCキーを押して電源オンまたはリセットすることで表示されるセットアップモードはPC-8801FA/MAから若干変更され、より見やすくなっています。電源を入れて放置しておくと「タダシイディスクヲセットシテクダサイ」と表示されるだけでROMからN88-BASICは起動しませんが、セットアップモードで起動を“ROM”にすることで立ち上げられます。V1/V2モードの切換も、ここから行うようになりました。リセット時や電源投入時には、昔のテレビのチャンネルのように、右上にモードが大きく表示されます。

 ビデオ端子での接続では、80文字×25行のモードでプログラムを入力するなどの作業はしづらいですが、それでも専用ディスプレイが必須ではないという部分で従来から大幅に敷居を下げた本機は、翌年に後継機としてPC-8801FE2をリリースすることになります。