ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
「ガンダム」の名を冠したパーソナルコンピュータ「RX-78 GUNDAM」
2019年10月29日 06:00
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は、バンダイエレクトロニクスが「ガンダム」の名前を冠して発売したパソコン「RX-78 GUNDAM」を取り上げました。発売は1983年。
まだまだパソコンの決定打が現れず、群雄割拠していた1980年代前半。なかでも、1982年から84年にかけては数多くのパソコンが発売された年ですが、1983年7月末に登場したのがバンダイのパソコン「RX-78 GUNDAM」です。広告に書かれたキャッチコピーは「この機体感。RX-78新登場。」となっていました。
開発思想は「家庭内でゲームを中心とした各種用途に十分耐える、満喫できるコンピュータ」としたほか、青少年を販売の対象に捉えていることから商品名にアニメーションの人気キャラクターである「ガンダム」を使用した、とのことです。
ハードウェア仕様としては、CPUに4.1MHzのZ80Aを採用。RAMは2KBのスタティックRAM×15を搭載しての30KB、ROMは8KBで、グラフィック解像度は192×184ドットで27色カラーが使えます。サウンド機能はSN76489を搭載し、4オクターブの3重和音と1ノイズを発声させることができました。本体重量は1.5kgと軽量、さらに大きさはA4サイズとコンパクトです。
このスペックで本体標準価格は59,800円だったのですが、ジョイスティックやBASICは別売りとなっていました。この時期、ゲームの占める割合が大きいパソコンはBASICが別売されることが多かったため、特に珍しいことではありません。また、他の周辺機器として20KBの増設RAMが用意されていて、BASICカートリッジと同時挿入することで使用メモリが増加します。
本体同時発売ソフトとしては、BASICであるBS-BASICのほかに『ガンダム・ルナ・ツーの戦い』など11本のソフトが用意されていました。発売予定には、ゲームだけでなく『ファミリー便利帳』や『トラベル英会話』などの実用ソフトもアナウンスされていたものの、本体登場時点では後に発売される『キャノンボール』などは、ラインアップには入っていません。
ゲームは、カセットテープからロードするパターンだけでなく、カートリッジを挿して電源をオンにすることで遊べる、いわゆるMSXのような方式も採用されていました。ただし、本体にカセットテープと接続する端子は用意されていなかったため、カセットテープに保存されたゲームをプレイするにはBASICのカートリッジが必要となります。
スペックとしては悪くなかったものの、前年にはm5やぴゅう太といったポジショニングが近い機種が発売されていたほか、同じ年にはSC-3000が29,800円で登場していたため、あまり旗色の良い戦いが出来ないままにフェードアウトしてしまいました。