ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

誰もが知っている“ボンバーマン”の元となった「爆弾男」

「爆弾男」のパッケージ。当時のタイトルなので、カセットテープ版しかありません。シンプルなイラストで、ゲームを上手に表現しています。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回紹介するのは1983年にハドソンから発売された「爆弾男」。「ボンバーマン」の元となったタイトルです。

 「ボンバーマン」と言えば以前はハドソンから、今はコナミデジタルエンタテインメントより発売されている、定番のアクションゲームです。迷路内に爆弾を配置し、壁を壊してパワーアップアイテムを手に入れつつ敵を爆弾の爆風で倒すという、シンプルで多人数プレイに向いたルールが受けて大ヒットしたタイトルでした。

 その原型となったのが、今回取り上げた「爆弾男」です。

「爆弾男」の画面写真付き広告です。当初のラインアップはFM-7版とX1版、そして何故かPC-8001mkII版でした。調べてみたところ、X1版は83年3月に発売されたようです。
タイトル画面では、敵の性格が変わることと、壁を壊したときに出現するアイテムの説明などが表示されています。

 パッケージには「爆弾男」と表記されていますが、ゲームのタイトル画面は「ボンバーマン」となっているあたりに時代を感じます。

 ルールですが、迷路内に爆弾を配置し爆風で敵を倒すのは同じです。異なるのは、最初から爆弾が5つ置けることと爆風が周囲2マス固定な点、そして敵が爆弾をすり抜けてプレイヤーに近づくことでしょう。しかも、敵の移動速度は早いときでプレイヤーキャラと同じになるため、操作に失敗するとすぐに追いつかれてしまうなど、今の「ボンバーマン」しか知らない人が遊べば驚くこと間違いなしです(笑)。

 壁を破壊してもパワーアップアイテムが出現しないのも、今とは異なるところ。出るのは、タイトル画面にある得点アイテムか、出口だけでした。また、敵が一定時間で性格が変わったり、壁が半分だけ破壊できるのも、今とは違う部分です。

 本作は、当時ハドソンソフトに入社した新入社員の方が制作したそうで、後にファミリーコンピュータへの移植を「デゼニランド」「サラダの国のトマト姫」などでお馴染みの中本伸一氏が担当し、後世まで残る素晴らしい作品へと昇華させています。

こちらは、実際のゲーム画面です。見た目がとてもシンプルで、全体的な処理速度も速いです。なお、これはPC-8001mkII版ですが、他機種版は画面がもっと綺麗だったりと、ハードの特性を活かした見た目になっています。