ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち

キャリングハンドル付きで、どこへでも持ち運びOKな「日立 H1」

分割出来る電源ユニットや、手前に引くことで出てくるキャリングハンドルなど、ユニークな部分が多かった機種です。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、日立がMSX規格に合わせて1983年に発売したパソコン「H1」です。

H1の雑誌広告。左は初期モデルの広告、右が後期モデルの広告ですが、カーソルキーの配置が後期モデルは(見づらいですが)十字配置になっています。

 1983年に、マイクロソフトとアスキーにより提唱された共通規格の名称がMSXでしたが、その規格に則り数多くのメーカーがMSX機を発売します。その中から今回は、日立が発売した「H1」を取り上げました。

 その特徴は、なんと言ってもキャリングハンドルではないでしょうか。本体部分だけであればそれほど重くないので、当時の広告ではイメージガールの工藤夕貴さんが両手で持っていました。ただし、実際に稼働させるためには電源ユニットも接続する必要があり、そうすると重量の面からは持ち歩くのは現実的ではありませんでした。

本体上面には、カートリッジを挿す部分が2箇所設けられています。右側には、カーソルキーが“7”のような配列で配置されているのがわかります。左右移動だけのゲームなら遊べますが、上下移動も加わると、かなり厳しいです。電源ユニットは本体に引っかかっている形なので、取り外しが可能です。

 面白いのは、電源ユニットを装着した状態ではプリンタポートやビデオ接続ポートが隠される部分でしょう。RF接続するのであれば電源ユニットを繋いだまま、ビデオ出力したい場合は電源ユニットを外して、という使い方が出来ました。

電源ユニットを外した背面には、プリンタポートとビデオ・音声の各出力ポートが見えます。他には、電源ユニットを引っかける金具のみとシンプル。
電源ユニットを装着すると背面がスッキリする反面、プリンタポートやビデオ出力ポートなどが使えなくなります。

 初期モデルではカーソルキーの配置が使いづらく、ゲームをするならジョイパッドなどが必須です。このカーソル配置が不評だったためか、後期モデルはカーソルキーが十字配列になりました。

本体正面右にはジョイスティックポート、カセット接続コネクタに加え、標準でゲーム中のスピードなどが変更可能なスピードコントロールスイッチも備えていました。
本体正面左には、電源入力コネクタとUHFの1、2チャンネル選択スイッチ、RF出力、ジョイスティック2のポートが設置されています。